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レガシー業界を取り巻くDX課題②

こんにちは、タブレットPOSレジ、スマレジの大谷です。
前回は、レガシー業界を取り巻くDX課題①というタイトルで高齢化が進む業界において、全体的にITリテラシーが低いということや、後継者問題などを理由に新しい変化に抵抗感がありDX化・IT化が進みにくい構造になっている点について書かせて頂きました。一方で、なんとか現状を変えたい一心で前向きに取り組んでいる・取り組みたいが何をしたらわからない、と言った考えを持っている方々もいる旨を書かせて頂きました。

今回は前回の続きである、「予算面」という課題から感じた事を書かせて頂きます。(レガシー業界というくくりではなく、中小企業に対しての予算面での課題解決の一つである補助金に関して深堀していきます)

結論から書かせて頂くと「中小企業向けの補助金」はかなり充実しているのは確かですが、それを詳しく知らなかったり、補助金申請をサポートしてくれる事業者が足りなかったりするのが現状です。タイムリーですが、「持続化給付金の不正受給」など、悪徳なサポート業者がいるのも、中小企業の当事者を悩ます種となっているかと思います。

つまり補助金の制度自体はあるものの、申請支援(ITツールなどの導入を行い事業計画を考えることも含めて)・申請後の報告支援まで一気通貫してサポートする仕組みが不完全・ちゃんと整備されていないことが課題として挙げられます。特に地方に関してはそれが顕著で、都心よりも情報量の不足、情報が入ってくるスピードが遅かったり、申請関連のサポートを行う事業者が対象となる中小企業に対して圧倒的に足りていないのが実情です。

まずはどのような補助金制度があるか見てみましょう。

★主な補助金制度★

・ものづくり補助金
中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助上限額750万~3,000万、補助率1/2もしくは、2/3の補助金です。主に、生産性向上に関する、革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金となっています。(2022年5月28日時点)
経営革新の類型:
A1:新商品(試作品)開発
A2:新たな生産方式の導入
B1:新役務(サービス)開発
B2:新たな提供方式の導入

・IT導入補助金
中小企業・個人事業主のITツール導入に利用できる補助金です。
★通常枠(A・B類型):中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするもの。
-補助率1/2以内
-補助金上限・下限額がA類型が30万円~150万円未満、B類型が150万円~450万円以下。
★デジタル化基盤導入類型:中小企業・小規模事業者等が導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的とする補助金です。
-補助率3/4以内(補助金上限・下限額が5万円~50万円以下)
-補助率2/3以内(補助金上限・下限額が50万円超~350万円以下)

・小規模事業者持続化補助金
持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助する補助金です。
★補助上限:
[通常枠] 50万円 
[賃金引上げ枠] 200万円
[卒業枠] 200万円 
[後継者支援枠] 200万円
[創業枠] 200万円 
[インボイス枠] 100万円
★補 助 率:2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者については3/4)
★対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費

・事業再構築補助金
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援し、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するための補助金です。
★補助金額
◇[通常枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~2,000万円
【従業員数21~50人】100万円~4,000万円
【従業員数51人~100人】100万円~6,000万円
【従業員数101人以上】100万円~8,000万円
◇[大規模賃金引上枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円
◇[回復・再生応援枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円
◇[最低賃金枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円
◇[グリーン成長枠] 中小企業者等:100万円~1億円
中堅企業等 :100万円~1.5億円
★補 助 率
 [通常枠] 
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
[大規模賃金引上枠]
 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
[回復・再生応援枠] 中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
[最低賃金枠] 
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
[グリーン成長枠] 
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

確認してみると、どの補助金も基本的に年間を通して、応募募集を行っております。遅くなるほど採択率が落ちる傾向があるようですので、興味がある場合は、早めにそれぞれの事務局・問い合わせ窓口に問い合わせをしてみることをお勧めいたします。各地で行政書士法人や、税理士さんなどが補助金関連のセミナーなどもやっていたりするので、そういった勉強会に参加するのも良いと思います。

それでは、中小企業対象の補助金を整理したところで、次に補助金申請をサポートする事業者群について整理してみましょう。

★補助金申請支援事業者★

・商工会・商工会議所
・行政書士・税理士・公認会計士
・中小企業診断士
・IT導入支援事業者(ITツールベンダー等)
・金融機関

etc...

★補助金支援を取り巻く課題とは★

商工会・商工会議所などでは、中小企業向けの補助金・税制周りの担当窓口を設けていたり、ガイド資料などを作成しWEB上で公開していたりしています。とはいえ、商工会・商工会議所で、補助金の申請書や事業計画書の作成の支援までしてくれるところまでは期待できません。あくまでも相談者の状況を鑑みた上でのアドバイスや案内だけと考えたほうが無難かと思います。

また、専門的な領域のアドバイスはそこまで得意ではなく、特にDX周りに関しては知見がそこまでないため、併せて記載している、専門領域に強い、中小企業診断士や税理士、特にSaaS系のITツールベンダーとの連携が今後急務になってくるのではと考えております。

経営革新等支援機関との連携などもあると思いますが、認定支援機関がIT化やDX化までの深い知識を持っているケースはそこまで多くないはずなので、認定支援機関とITベンダーのコラボレーションが最適解なのでは、感じています。

なぜSaaS系のITツールベンダーかというと、初期導入費が低い割には、大抵の要件をカバーできる点とAPIを活用することで、複雑な業務オペレーションに沿ったシステムを構築できるためです。

しかし、この事実をまだまだ中小企業はそこまで知らないのが事実で、支援をお願いする開発会社にスクラッチでシステムを作ってもらうことがたくさん起こっていると考えます。

あくまでも個人的な見解ですが、中小企業を主に支援するSaaSベンダーが経営革新等支援機関になったら、最強だなと思っています。(笑)とはいえ、認定支援機関の役割を確認してみると、SaaSベンダー、IT企業に対してかなり負荷の高い役割が記載されているので、別途それ専門の新規の部署を立ち上げる、もしくはグループ会社を設立するなどの対応が必須かと思われますのでその時点でかなりハードルが高いものと考えます。

★結論★

上述にも書かせて頂きましたが、中小企業向けの補助金は充実していることは確かな事実です。しかしながら、補助金を申請するノウハウがなかったり、複雑な申請資料の作成・準備に中小企業にはハードルがあることや、それを支援する仕組みがまだまだ不完全であることが課題としてあります。

それを解決するための提言として、IT化・DX化において、中小企業の補助金申請を支援する商工会・商工会議所や認定経営革新等支援機関とSaaS(IT)企業の共存、連携が必要であり、これが最適解だと現時点で考えています。(もしくは認定経営革新等支援機関の認定基準をIT企業が認定を受けやすいような要項を設ける)

こういった補助金の申請代行や申請サポートのエキスパートとITツールベンダーがタッグを組んで中小企業・事業者向けの補助金の説明会やセミナーなどの実施によるマーケットへの認知活動、啓蒙活動を進めていけるように自らが動いて形にしたいと考えています。

今回はここまでとさせて頂き、次回「レガシー業界を取り巻くDX課題⓷」より今回の続きについて書いていきたいと思います。

IT化やDX化の背景で業界全体・それを取り巻く外部事業者もDX関連の知見に乏しかったりしますので、そこをうまくITツールベンダーがタッグを組んで連携することが本当の意味のDXの実現なんではないでしょうか。

ご精読頂きありがとうございました!!!
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