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#312 『2割に集中して結果を出す習慣術 ハンディ版』古川武士 (著)


完璧主義から最善主義へ:より少ないストレス・時間で成果を上げる思考法

本書は、頑張り屋さんの完璧主義者が、より少ないストレスと時間で大きな成果を上げるための、最善主義の思考法を解説したものです。

完璧主義とは?

完璧主義とは、100点か0点かで物事を判断し、常に最高の結果を求めようとする思考傾向です。 完璧主義者は、

  • 二者択一の判断: 物事を「できた」か「できなかった」の二択で判断し、わずかなミスでも自分を責めてしまう。

  • 過度の理想主義: 高い理想を掲げ、プロセスにも妥協を許さないため、完成までに時間がかかりすぎる。

  • 否定の恐怖: 人から嫌われたり評価を落としたりすることを恐れ、周りの目を気にしすぎて行動できなくなる。

といった特徴があります。

完璧主義の落とし穴

完璧主義は、一見すると努力家に見え、美徳と捉えられがちです。 しかし、実際には多くの時間と労力を費やすにも関わらず、効率が悪く、成果に繋がりにくいという落とし穴があります。

例えば、完璧主義者は、

  • 上司の求める結果よりも、自分の理想やプロセスを優先してしまうため、時間内に成果を上げられない。

  • 全ての業務に全力を注ぎ込み、優先順位をつけられないため、本当に重要な業務が疎かになってしまう。

  • ミスを恐れて行動できない、あるいは、小さなミスにこだわりすぎて全体を見失ってしまう。

といった状況に陥りやすいのです。

最善主義という考え方

一方、本書で推奨する「最善主義」とは、限られた時間とエネルギーの中で最大限の結果を出すために、

  • 常に目的を意識する: 何のためにその仕事をするのか?という目的を明確にし、手段が目的化することを防ぐ。

  • 優先順位をつける: 業務の重要度を見極め、重要度の低い仕事は思い切って切り捨てる。

  • 他人の力を借りる: 全てを自分でやろうとせず、任せられる仕事は積極的に人に任せる。

  • 変化を恐れない: 新しいやり方やツールを積極的に試し、常に改善を心がける。

  • 失敗を受け入れる: 失敗から学び、改善につなげる。

  • 自分を許す: 完璧を求めすぎず、不完全な自分を認める。

といったことを実践する思考法です。

最善主義を実践するための具体的な方法

本書では、最善主義を実践するための具体的な方法として、以下のようなテクニックが紹介されています。

  • 「ギリギリ効果」を活用する: あえて締め切りを早めにする、時間制限を設けるなど、適度なプレッシャーの中で集中力を高める。

  • チャンクダウンする: 大きなタスクを小さなタスクに分解し、「まずは5分だけ手を付ける」など、心理的ハードルを下げる。

  • 「TODOリスト」を活用する: 仕事の全体像を把握し、優先順位を明確にするためにTODOリストを活用する。

  • スキマ時間を見つける: 移動時間や待ち時間など、普段活用できていないスキマ時間を洗い出し、有効活用する。

  • 小さなOKを出す: 完璧を求めすぎず、小さな進歩や成果を認め、自分を褒める。

  • 責任範囲を明確にする: トラブル発生時など、必要以上に責任を感じすぎず、冷静に状況を判断し、自分にできることに集中する。

  • 「嫌われる勇気」を持つ: 全員に好かれようとせず、本当に大切な人に認められることを目指す。

  • 影響力のあるキーマンを見つける: 組織で物事を動かすには、キーマンと良好な関係を築き、協力を得ることが重要。

これらのテクニックを意識して実践することで、完璧主義的な思考から脱却し、最善主義へとシフトしていくことができるでしょう。

まとめ

本書では、完璧主義の落とし穴と、最善主義の考え方、そして具体的な実践方法がわかりやすく解説されています。完璧主義に悩んでいる方、より少ないストレスと時間で大きな成果を上げたいと考えている方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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