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「視座」ってなんだろう?

こんにちは。データミックスの代表の堅田です。
最近、社内・社外で「視座」という言葉をよく使うようになってきたので

・視座とは何か?
・視座が高い/低いはどのように判断されるのか?
・視座を高めるには?

といった観点で書いてみたいと思います。
ちなみに、自分もまだまだ未熟な社長ですから、もっともっと視座を高めたいと思っていますし、ここに書いたことを数年先に読み返してみて、「あの時は若かった」と恥ずかしくなるかもしれません。

視座とは何か?

「視座」を辞書で引くと「物事を認識する時の立場」とあります。ビジネスの世界で使う「視座」は、「業務、自社、競合、マクロ環境など世の中を眺める際の自分の立場」であると言えます。

そのため通常は役職が上がり、責任範囲が広がると視座が上がりやすい傾向にあります(一説には因果が逆で、もともと視座が高い人だからポジションが上がるという話もあります)。

視座の違いはどこに表れるのか?

視座の違いは、どんな時に出るかというと「問い」を立てる時です。

例えば、

A: 「自分の業務をどう効率化しようかな?」
B: 「自社は3年でどう成長させるか?」
C: 「日本の教育サービスはどうあるべきか?」

は視座が異なりますが、何が違うのでしょうか?

一つ目は、問いの主語です。

上記の問いの主語を見てみると。
A:「自分」や「自分の業務」が主語
B:「自社」が主語
C:「日本の教育サービス」が主語
となっています。主語が大きくなっている問いを立てられることは、視座の高さの現れの一つではないかと思います。

では、ただ、問いの主語さえ大きければ良いのでしょうか?

答えはNoです。

問いを出すだけなら誰でもできるかもしれません。しかし、本当に考えているかどうかは、「問い」に答えるための論点出しの広さ・深さが大事で、論点出しの中で、その視座で本当に見ているのかがわかってくるのではないかと思います。

例えば、「自分の業務を効率化するには?」という問いに対して、「どうしたら時間が少なくなるか?」「コストが下がるか?」といった論点だけでは不十分ですよね。「コンプライアンスの面から問題ないのか」といったいった法律などの社会的要請の観点、「顧客への価値は上がっているのか」といった顧客へに提供価値の観点、「担当者が変わっても継続できるか」といった時間軸の観点などの検討など、多面的に検討できるかどうかが「視座の高さ」を裏付けます。

視座を高めるには?

では、視座を高めるには、どうしたら良いのでしょうか?
あくまで私見ですが、
・視座の高い本や記事を読んで考えること
・視座の高い人と話すこと
・考えて自分なりにまとめる時間を取る、行動する
・上司の立場で考えること
を全て同時にやることだと考えています(もっと良いやり方があるかもしれません)。

私は、この「全て同時にやる」というのが大事だと考えています。というのも、本を読んだり記事を読んだりするだけだとわかった気になりますし、自分の言葉で考えられていないケースも多々あると思います(自戒を込めて)。そのため、自分の言葉にしていくために、人と話したり、記事を書いたりと「アウトプット」することが「インプット」と同じくらい大事です。

上司と部下の視座が合わないとどうなる?

そして、上記の中で、特別大事だと思うのは、「上司の立場で考えること」です。

これは自分自身の体験でもあります。資金調達をして、社外のステークホルダーも増えました。会社を経営していく中で、「株主からどう見えるのだろう?」といった視点を意思決定する際にかなり強く意識するようになりました。そうすると、これまで考えていなかった論点も考えるようになりますし、読む本や調べる内容も大きく変わりました。

上記は最近の話ですが、一社員だった時代でも同じです。「上司の立場で考える」ことができている時とそうでない時は、明らかに違います。何が違うかと言うと、楽しく仕事ができるかに、が違います。

例えば、「上司がわかってくれない」「会社がわかってくれない」という時を考えてみましょう。その原因には、2つの可能性があります。

・部下の視座が高く、上司の視座が低い
・部下の視座が上司の視座と大きくずれている

前者の場合は気の毒ですが、後者の場合は、部下側が上司の視座を理解しようとすると、うまくいきます。ただ、その時にはハードルがあります。それは、「素直さ」です。自分で言うのも恥ずかしいですが、私自身はアドバイスや助言を素直に聞く方だと思いますし、いつもそうありたいと思っています。もし私が「自分はできているのに、上司がわかってくれない」と思っていて素直にアドバイスなどを聞かないとなると、もう難しいだろうなと思います。

ちなみに、自分がまだ20代の時、上司、先輩、同僚がたくさん注意やアドバイスをしてくれました。もちろん、厳しい注意を受けた瞬間は良い気持ちはしないわけですが、それは注意する方も同じことだと、部下を持ってみた今だからこそわかります。それらの注意やアドバイスのおかげで、考えるべきことが何かもわかりましたし、視座も上がっていったと思います。粘り強く指導していただいた上司や先輩には感謝しかありません。

そして、上司の視点からすると、部下の視座が上がってくると、上司と部下の意思決定時のズレも少なくなり、次第に「この部下に任せても大丈夫そう」となってくるわけです。つまり、裁量や責任範囲も拡大します。そして、その部下は昇進していくという流れです。

上記のように部下が視座を上げるために努力しているならば良いわけですが、中には「言われたことをやります」という受動的態度になってしまう場合もあるかもしれません。こうなると、もう視座が上げることは難しい。自身の成長も止まってしまいます。何より、もはや仕事は賃金を得るための営みになってしまい、面白くもないでしょう。こうなると、私は少しもったいないと感じてしまいます。

まとめ

各個人が持つ創造力を発揮して、実現するための知識やスキル、経験が個人のキャリアにも、企業の競争力も左右する時代に、「視座の高さ」はとても大事な要素だと考えています。

データミックスでも「視座の高さ」はとても大事にしていることで、社内はもちろん、特にクライアント企業への提案や対話の中でも、重要な要素です。視座を高め、個人の成長を通じて会社も成長していけるように、社員どうしが切磋琢磨できる環境をもっと創っていこうと考えています。

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