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ずらし転職編_「はじめに」を公開します

このnoteの概要


この記事から読まれる方向けに、このnoteを書くに至った経緯について、毎回記載いたします。その他の方は、読み飛ばして頂いて大丈夫です。

直近で、新卒の就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に少しでも下支え出来ることは何かと考え、働き方、キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めることにしました。

今回は「ずらし転職」編

これまでは、「どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」」(クロスメディアパブリッシング様)の内容を中心にお届けしてきましたが、本日から、2020年3月に出版しました「ずらし転職」(ワニブックス様)の内容も並行してお届けしていきます。

直近の業務よりも、就職・転職でお困りの方もあるため、こちらの方が人によってはお役に立てることと思います。

ずらし転職は、僕が昨年開催していた
「転職での失敗こそが120分で宝になる、逆転のキャリア戦略講座」
の内容がベースとなっています。

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このセミナーではこんなことをお伝えしていました。

・人がキャリアで悩む3つの理由
・キャリアとは何か?
・あなたがたとえ優秀でも「年収が低い」理由
・10年で7回転職した講師の事例
・自分を殺す転職と生かす転職の違いとは?
・小さい山を登る
・成果を生み出すGISOVという型
・ワーク:価値観・強み発見し、今年のゴールを更新する

このセミナー自体は、比較的小人数開催で、個別対応を重視していたので、この考え方が少しでも多くの人に伝わればと思い、出版に至りました。
ネーミングはシンプルに「ずらし転職」、編集者様に素敵な名前をつけて頂きました。

では、この投稿では、僕自身が「ずらし転職」という本、転職・キャリアについて、どのように考えているかをまずは皆さまに知って頂きたいため、
「はじめに」の部分を公開させて頂くこととしました。
(出版社様にも事前に確認済みです)

転職の不安は人生にきちんと向き合おうとしている証

この本を手に取っていただき、ありがとうございます。

この本を手に取ったということは、あなたは何かしら現状の仕事や将来の人生について、不安を感じていたり、あるいは、ある程度目指す姿はあるものの、何か突破しきれない停滞感や課題を感じていたりするのではないでしょうか。


そのような不安は、決して恥ずかしいものではなく、むしろ自身の人生にしっかり向き合おうとしているからこそ、生まれるものだと私は思います。

申し遅れましたが、私は村井庸介と申します。

経歴については、第一章で詳細についてお話しするので割愛しますが、大学を卒業し、社会人となり10年間で、7回の転職を経験しました。

それだけの回数、転職を繰り返してきたものの、万事想定どおりにことが進んだわけではありません。多くがうまくいかず、そして、なぜ、うまくいかなかったかを考え改善を繰り返してきた──。そんな10年間でした。本書は、そうして見えてきたものをまとめたものです。

つまり、本書の大半は、失敗談です。
では、なぜ、そんな失敗談を世に公表するのか?

第一に、一見矛盾するように思えるかもしれませんが、これからキャリアの節目に当たる方々と失敗の前例を共有することで、「自分らしいキャリア」を築いていただくことの一助になりたいと考えたからです。

加えて、第二に、読者のみなさんがこれまでに「失敗した」と感じた仕事や過去の転職・異動にこそ、「自分らしさ」の源泉があるということに気づいていただきたいと思ったからです。


その2点を踏まえ、第三に、誰かの成功例を踏襲するのではなく、読者のみなさんが「自分らしさ」を突き詰めることが、結局はキャリアの成功を歩むことにつながるだろうと考えました。

これら3点が伝わり、読んでいただいたみなさんの行動が変われば、本書の役目は十二分に果たせたといえます。

転職はそもそもうまくいかないもの

転職を含めた仕事の変更は、今までにない環境に飛び込むわけですから、業務がうまくいかなくなる要素ばかりです。

つまり、そもそも「転職する」だけで、何かが勝手に状況を好転させてくれることはありません。環境が変われば何かが変わるかも──と考える人を好転させてくれることはありません。

環境が変われば何かが変わるかもと考える人の気持ちはとてもよくわかりますが、理屈で考えれば、そんなことはないわけです。酷ではありますが、転職直後は、新しい職場での信頼関係も弱いことが多く(私はこのことを「信頼残高」といっています)、その環境下で成果が出せないと、その後の挑戦機会が巡ってくることは、そうはありません。

そのため、より仕事で活躍し、自分らしい仕事をし続けていくうえでも、「しなくてよい失敗」の地雷は回避したほうがよいでしょう。

私自身のような転職を繰り返す人は、世間では〝ジョブホッパー〟といわれ、「転職しすぎ」と認識されやすいといえます。しかし、その分、「防げたはずの失敗」も多く経験しました。

この事例を共有することで、みなさんが、異動先や転職先で生き生きと働くことにつながればと思っています。

「自分らしさ」を誤解していないか

年収や資産形成には、幸福度の限界効用があるといわれています。
そのなかで生き生きと仕事を続けるには、「自分らしさ」を活かして、相手に貢献するというプロセスが欠かせません。

「らしさ」というと、何か自分の要求ばかりを叶えるイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。

「自分らしさ」とは、「自分が(他者と比べて)無理なく、かつ精度を高く行うことができ、相手に貢献できること」と、ここでは認識してください。世間でいう「強み」や「価値観」といった言葉に近いでしょう。


自分に「らしさ・強みなどない、見つからない」と嘆く人もいますが、そんなことはないのです。そう嘆く人のなかには、「いつも失敗ばかりしている私なんかに……」と思い込んでいる人もいるかもしれません。
しかし、逆です。「自分らしさ」を探していくうえでヒントとなるのが、自身の失敗経験だと私は考えます。失敗を重ねてきた人こそが、より「自分らしさ」を突き詰めていく可能性をもっているといえます。

自分自身の「特徴」というのは、他者と比べて突出しているため、よい方向に活きるときもあれば、ひとたび何か前提条件が違うなかで行使してしまうことで、マイナスの結果に大きく振れてしまうこともあります。

失敗した経験を振り返ってみると、自分らしさを表面的にとらえ、それを押し通そうとしてしまった事実が見られることがあります。

表面的な「らしさ・強み」に対する考え方から脱却し、本当の「らしさ・強み」を探りあてることで、自身の今後のキャリア形成の「基本路線」が決まってきます。

「らしさ」がキャリアの基本路線を決める

ただ、キャリア形成の基本路線というのは、「営業」や「マーケティング」といった職種や「プレゼンテーション」といったスキルは当てはまらないと私は考えます。


これらの職種やスキルは、今後、時代環境が変化するなかで「人が行う必要はない」という状況になる可能性もありうるからです。

最近では、一般に不確実性が高い環境といわれるなかで、世にいわれている成功キャリアにあこがれ、しがみつこうとすることが最大のリスクではないでしょうか。

とある映画で、次のような話がありました。
「コンピュータ」とは、昔は計算を行う職人を指していましたが、その計算という従来業務をし続けた人はキャリアがやがて閉じていき、最先端の機械の操作方法やプログラミング技術を習得した人は、その後の世の中で大活躍していくといったものです。

そして、そもそもの「コンピュータ」という名称が、計算を行う職人から機械を指す言葉になっていきました。
この話は、極端な例かもしれないですが、ITをはじめさまざまな技術が発展していくなかで、世の中に「貢献していく方法」については、自身を常に更新し続けていく必要があります。

ただ単に現在人気がある職種に追従していくのでは、やがて「何のために仕事をしているのか?」の答えに行き詰まるでしょう。

自分らしさを土台に、世の中で表現する方法を変えていく

そこで、あらためて重要となるのが「自分らしさ」です。
これらを土台にもちながら、世の中で表現する方法は、柔軟に変化していく──そんな生き方が、これからの時代はより重要になるのではないか。
本書をしたためた最大の理由は、そこにあります。

本書は、いかに「自分らしさ」をカギにキャリアを構築していくか。その方法を「ずらし転職」と名づけ、私自身のキャリアの変遷をお伝えしながら、私が転職希望者などの方々向けに開催しているセミナーの内容を凝縮してお伝えしています。いかにキャリアをつくるかという話から、どのように自分らしさ・強みを見つけるか、自分らしさをどう活かしていくかなど、いま、キャリアに迷う人たちの問いに答えることができているのではないかと思います。


また、実際に「ずらし転職」を行って、やりたい仕事をしている人、自分が取り組むべき仕事を見つけた人などの例を紹介しています。
読者のみなさんの明日からの行動変化につながるかもしれません。
本書が、みなさんのキャリアが切り替わる第一歩となれば幸いです。

出展:ずらし転職(ワニブックス)

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