20-30代の間のキャリアづくり
このnoteの概要
こんにちは、村井庸介です。
就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。
いまは、転職などを考え始めている方向けに、
「ずらし転職」(ワニブックス)
から、実践できる内容をピックアップし、お届けしてまいります。
今回は、僕自身も経験してきた、20代・30代のうちの働き方について、キャリアを磨くという観点からのコツをお話ししたいと思います。
20代前半は掛け算のひとつ目になるものを磨く
掛ける要素がしっかりしたものでなければ、以降に何を掛けても大きな結果は得られません。
20代前半は、これからのキャリアの土台づくりの期間となります。新卒で入社してから最初の3〜5年間は、掛け算のひとつ目になるものをしっかりと磨いていくようにしましょう。
仮に新卒で入社した会社を1年で辞めたとしても、次の会社での2年間も仕事の軸を変えずに最初の土台をつくり上げたほうがよいと思います。入社してみて、「やっぱり私のやりたいことはこれではない」と考える人もいますが、そこでまったく別の仕事を選択することに対しては慎重であるべきです。
以前の投稿のように、人が会社を辞める理由の上位には
「人間関係に問題があって辞めた」
「評価されなかった」
といった、業務の内容と直接関係ないものが並びます。
そうしたなかで、「嫌なことを忘れて心機一転、別の仕事を始めようと考えてまったく別の仕事を選んでしまうと、キャリアを積み上げるうえであまりプラスにならない可能性があります。
何が嫌で辞めたのか、何をしたいと考えたのか、あらためて自己を省みて、次の選択を行うべきです。いま、転職市場には「第二新卒」という言葉がありますが、この「新卒」という響きゆえか、キャリアの〝リセット〟〝やりなおし〟ととらえる人も多くいるように思います。
まだ職業人生は始まったばかり。「気持ちを切り替えて」と考えることを否定はしませんが、仕事の内容と会社固有の問題を混ぜこぜにして考えないようにしたいものです。
20代後半で次の掛け算の要素をつかむ
そして、20代後半。土台ができてくるころです。
20代のうちに一度、次の掛け算の要素を掴みにいくのがよいでしょう。土台が完成した次のステップとしては、転職よりも社内の異動をおすすめします。
20代後半の人は、「自分が市場に対して何だったら、価値提供できるか」を棚卸ししてみましょう。5年、10年社会人としての経験を積んできたなかで、どの領域だったら自分の力を発揮できるのかということを把握します。
そのうえで「そこそこ片手間で仕事ができているな」と感じる人には、一度大幅な社内異動や転職をすることをおすすめします。そして、次の職場で自分の想定外の環境のなかでどこまで結果を残せるか、チャレンジしてみるとよいでしょう。
30代はチャレンジのタイミング
30代の人は、何かひとつ世の中にとって新しい分野にチャレンジすることをおすすめします。
社内で新規事業に挑戦するのもよいですし、デジタルや人工知能、ブロックチェーンといった会社にとって新しいテーマに取り組むのもよいです。
30代になると周囲に対して説得力のある実績もできてきます。社内に経験者がいないテーマに対しても「あの人がやるといっているのだから、任せてもよいのではないか」と理解を得やすく、したがって手を挙げやすく、業務を始めやすいのではないでしょうか。
40代になると、いまの会社で一度大きな実績を残している場合に、あえてその旗を降ろして新しいところに行くというチャレンジがしづらいことがあります。
そのため、30代前半が一番チャレンジするのによい年齢なのです。
新しい分野で実績を残すことができれば、社内外問わず「あの人に話を聞こう」と指名してもらいやすくなり、その結果、その分野に興味をもっている人から直接アポイントが来て、いままで話す機会がなかった取引先と接点がもてるといったチャンスも生まれやすくなります。
30代までに事業部門と管理部門の両方を経験する
マーケティングや営業など現場側のキャリアで始まった方は、一度経理や人事などのコーポレート側を経験するとよいでしょう。
お客さまを見ることは当然大事なことですが、一方で会社を支えているコーポレート側がどのような機能をはたしているのかなど、会社全体のしくみ
を知ることも大事です。
コーポレート側を経験して経営側が考えていることを知ると、「現場の私たちが偉い」というような偏った考え方になることを防げます。
逆に、いままでコーポレート側にいた人は現場サイドを経験してみましょう。コーポレート側にいる人は、会社全体を俯瞰して見ることが多いため、個別の現場に対しての理解がおろそかになりがちです。
そうすると、現場サイドから「俺たちの苦労も知らずに」という不満が生まれやすくなってしまいます。
また、人事異動や財務のポートフォリオを考えるうえでも、事業の肌感はあったほうがよいのです。たとえば、最適な人事異動の配置を考えるときに、「この事業このような競争環境になっているから、こういう人の配置をしたほうがよい」ということを肌感でわかっていないと、一方的な理論、自分の空想だけでとんちんかんな配置をしてしまいかねません。
加えて、それぞれの現場で求められる資質、特性などもわかりますし、より適切な人事を行えるようになります。
現場側にいる人も、コーポレート側にいる人も、いまとは別の職種を経験し、両方の立場を知ることをおすすめします。
両方の視点を知ることで、よりビジネスの解像度があがってきます。そうすることで、より経営へと近づき、またこれまでにないチャレンジを取れるようになっていくでしょう。
出展:ずらし転職(ワニブックス)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?