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自身の強み・価値観が見つかる3つの方法

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。
就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

前回は、仕事のゴールと自身のバリュー(強み・価値観)の合致の大事さをお伝えしました。

そうすると、「自分のバリューって何だろう?」と迷う人がいるかもしれません。ここでは、自分のバリューを見極めてるための3つの方法をお届けします。の視点をお話しします。

見つけ方その①_「好き」ではなく「ありがとう」

自分のバリューとは何かを考えるとき、「好き」なこと、「ワクワクする」ことを選びがちです。それはそれで間違っていないと思います。しかし、「好き」「ワクワク」だけで自分のバリューを決めることには、盲点もあります。

下手の横好きという言葉もありますし、そもそも仕事とは自分ひとりで完結するものではなく、必ず同僚や取引先、顧客といった他者との関わりがあるものだからです。

そこで着目したいのは、他者の「ありがとう」です。

自分の仕事の中で、顧客や同僚から「ありがとう」と感謝されたなら、あなたは価値貢献できた、バリューを発揮できたということです。

仕事とは、成果を出して最終的には喜ばれること。逆に言えば、「ありがとう」がなければ、付加価値を生み出していないのです。さらに、成果を出して感謝されたとしたら、その過程を分解して、感謝された理由を考えてみると、より自分のバリューが具体的になります。

たとえばサッカーの試合。ファンの視点で見れば、応援しているチームのある選手が得点をしたら、シュートを決めたその選手に対して「ありがとう!」と言うでしょう。

一方、監督やチームメイト、目の肥えた観客の視点では、もっと細かい「ありがとう」があるはずです。「たくさん走っていいポジションにいてくれてありがとう」「いいシュートを打ってくれてありがとう」―得点は成果ですが、それに関する「ありがとう」は細かく分解できるのです。

仕事においても同様です。2000万円という大きな受注に成功したとします。それはひとつの「ありがとう」と言われる成果です。

では、自分は何をしたから2000万円の仕事がとれたのか。分析が得意だったからなのか、企画書をつくるのが上手かったからなのか。
そこを考えます。

たとえば、競合他社には絶対に「イエス」と言わない担当者に「イエス」と言わせることができたことが大きな理由だったとすると、バリューは、「対人的な交渉が得意」ということになるでしょう。

このように、大きな成果から分解していって、自分が「ありがとう」と言われた理由を突き詰めるのです。それが「好き」で「ワクワク」する内容であることもあれば、自分では気がついていなかった思いがけない内容であることもあるでしょう。

また、シュートを決めた人にだけバリューがあるわけでもありません。ゴールをアシストした選手にも「ありがとう」が生まれます。たとえば次のようなことです。

「いいところにパスを出してくれてありがとう」
「あのとき相手を牽制してくれていてありがとう」

仕事はチームワーク、分業です。

全体で成果を上げた中で、自分はどんな貢献をしたのか。何に役立ったのか。過程の中で自分が感謝された役割は何だったのか。そう分解していくと、自分の本当のバリューが見えてきます。

見つけ方その②_「なんでそこまで……」と言われるほど没頭する分野は何か?

直接的に「ありがとう」とは言われなくても、自然と周囲から評価されている分野があれば、それもバリューのヒントになります。

ある仕事をしていると、ついつい時間を忘れて没頭している、ということは、みなさん経験があるのではないでしょうか。自分では「好き」とも「ワクワクする」とも感じていないけれど、気がついたらまったく苦になっていない仕事です。そういう仕事には、知らず知らずに時間を費やしていますし、それに関わることにお金も費やしているでしょう。

また、そのテーマに関してはたくさんしゃべっているものです。

他の人にとっては面倒だったり、ときには苦痛だと感じられたりする仕事が、自分では苦にならない。そういう分野が自分のバリューである可能性は非常に高いのです。

そういった無意識に生み出しているバリューに気づくきっかけは、次のような他者からの評価です。

「よくそんなにがんばれるね」
「ずいぶん速くできるんだね」
「なんでそこまでやり続けられるの」

自覚がないために「ええ、まあ」と聞き流しがちですが、実は「君はそれが得意なんだね」と認めてくれている言葉なのです。

あるいは、気がついたらよく頼まれていて、自分でも好きだとは思わないまでも、イヤだとは感じない仕事もそうです。周囲の人たちが自然に「この仕事を頼むなら、○○さんだよね」と評価しているということだからです。

組織の中では、バリューとは相対的なものにもなってきます。
周囲の人よりも得意であれば、十分にバリューになります。

「なんだか、周りの人よりも速くできるな」
「いいねと言ってもらえるな」
「気がついたらよく頼まれるな」

そうした分野が、無意識に持っているバリューである可能性が高いのです。

見つけ方その③_よく読む本・雑誌に傾向はないか?

もうひとつ、自分の価値観に気づく方法があります。

ビジネスジャンルだといちばんわかりやすいのですが、購入する本や雑誌の傾向を意識してみることです。これは、「知らず知らずにどの分野に投資をしているのか」という視点であり、ここには無意識が表れやすいのです。

前向きに仕事をしている人であれば、仕事の時間の外にも勉強しています。そのひとつが本や雑誌への投資です。自分では様々なジャンルの本を幅広く読んでいるつもりでも、知らず知らずに何らかの傾向があるものです。

私の場合だと、昔は企業経営に関する本をたくさん買っていました。

野村総研でコンサルタントを経験したことも理由のひとつでしょう。現実の経営者のメンタリティがわかる自伝や評伝。あとは企業再生をテーマにした読み物も多く読んでいます。ということは、私の場合は経営とか、戦略づくりといった分野に強み・価値観が表れているのだろうと仮説を立てることができます。

パワーポイントによる効果的なプレゼン方法、エクセルの活用法といったテーマを特集している雑誌や本も、気がついたら買っています。

「なるほど、そうやったらもっと効率よくできるのか!」という気づきがあると、ついつい読んでしまうのです。私の場合、生産性向上や業務効率化にも強み・価値観が表れているということです。

一方で、たとえば大学教授の方が書かれた、社会思想についての難解な本などは、だいたい途中で眠くなって、最後まで読むことができません。

こうした要素からも、自身の傾向がある程度つかめると思います。いくらバランスよく勉強をしようと思っていても、人は中長期的にはやはり何かの分野に関心が偏るものなのです。無意識に関心が寄っている分野を見つけると、意外なバリューが発見できる可能性があります。

今日は3つの見つけ方を紹介しましたが、どれが正解というものもありません。それこそ、自身の特徴によって気づきやすい、気づきにくい方法もあるでしょう。また、一回で「これが自身の強み・価値観だ!」と決めつけるよりは、様々な仕事や生活の場面で振り返りながら、「徐々に鎧を捨てて、自身の本質に近づいていく」といったイメージで取り組まれることをおススメします。

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