膝OA疼痛改善はKAMのコントロールをみる必要がある
KAMのコントロール
KAM=床反力×レバーアーム
という式に表せます。つまり床反力かレバーアームの値を小さくできればKAMの減少繋がります。
単純に考えるとこんな感じなんです。なので治療プログラムを立てる時はここを意識しています。
床反力を下げる方法について考えていきます。
床反力ってイメージしにくい方もいるかもしれませんので、足をついた時の衝撃ってイメージすると分かりやすいかもです。
実はこの衝撃を最小限にするためにOAの方はもう戦略をとっています。
たとえば歩行速度を遅くしたり、歩幅を小さくして踵をつく際にドンッてならないようにしています。
こう考えると単純に正常に近づけることは痛みの増悪につながる可能性があるわけです。
正常と違うからといっていけないわけではないわけです。
そうはいっても歩行速度が遅いと困ることもあります。それでも痛い方も多いわけですし、、そこでPTがなんとかして疼痛軽減をしなくてはならないわけですよね。
じゃー治療はどうするのか?
衝撃吸収能力を上げることが一つだと思います。
衝撃吸収をするにはいくつのかの知識が必要になります。
まずは足部。
距骨下関節(ST-jt)は踵接地の際には前脛骨筋(TA)の作用により回外(内返し)になります。ST-jtは距骨と踵骨でなしている関節ですね。
回外位では足部は硬い状態であり、衝撃吸収が上手く行えません。
回外から回内(外返し)になることで足部は柔軟な足部になります。柔軟な足部…つまり衝撃を吸収できる足になるわけです。
OA患者の場合、運動連鎖により足部の動きが悪くなっていることが多いです。
また、足部のアーチがあることで、たわむことができます。つまりは衝撃吸収作用があります。
アーチを作る筋は後脛骨筋(TP)などですね。
そう考えると
踵接地時に回外位になっているか?
TAはしっかりと働いて遠心性収縮ができているか?
踵接地後しっかりと回内位になるか?
ST-jtの回外、回内可動域はしっかりとあるか?
アーチはあるか?
TPは機能しているか?
なんて評価をしていかなければなりません。
次は膝関節です。
踵接地時に膝が曲がっていると膝関節への圧力は増してしまいます。
四頭筋等のストレスも上がり、先日話した筋腱部への炎症を助長してしまう可能性がありす。
また、OA患者の下腿は外旋位になっていることが多いです(これも運動連鎖によるものです)。スクリューホームムーブメント(SHM)って聞いたことありますよね?
膝最終伸展で大腿骨に対して下腿が外旋して伸展を作る。はじめから外旋位では伸展時の外旋の余力がなくなり、伸展可動域が悪くなります。
SHMは非荷重位と荷重位でみておく必要があります。実際は歩いてる状態=CKCで働いているので、、、
膝窩筋なども評価してみるとガチガチなことも多いです。柔らかくすることで可動域がます人をよく経験します。
ダブルニーアクション(DKA)も衝撃吸収の作用の一つです。
四頭筋やらハムストやらが固定的になっていると遠心性収縮がうまく働きにくく、DKAは破綻します。
そうなると
下腿は外旋位になっていないか?
下腿の内旋方向への可動性はあるか?
下腿外旋筋の短縮はないか?
四頭筋は上手く働けているか?
遠心生収縮がうまくつかえるか?
固定的な膝になり、常に力が入っていないか?
SHMは起きるか(自動、他動、荷重位)?
DKAはでるか?
踵接地の際に膝はしっかりと伸びているか?
なんて評価をしなくてはいけなくなります。
運動連鎖もあるので、もちろん股関節、骨盤、体幹など一緒に評価しなければなりません。ここに書いたのは一部です。
装具の話とはだいぶずれましたが、しっかりと身体の評価をした上で装具の選択をしなければなりませんのでね、、、
まとめると
KAM=床反力(衝撃)×レバーアーム
↓
どちらかを減らせばKAMは減少する。
衝撃吸収作用
↓
足部評価
↓
①回外から回内が起きるか、可動性はあるか
②アーチはあるか
③TA、TPは上手く働くか
衝撃吸収作用
↓
膝関節評価
↓
①下腿の内外旋の可動性はあるか
②SHMは起こるか
③過度な筋緊張は起こしてないか
と考えてみてください。
続く
参考文献
画像は第1版です。
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