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新NISAで話題の資産運用「初心者にこそ“絶対“おすすめしたい投資」とは

来年1月からいよいよスタートする「新NISA」が話題です。新NISAがいかにお得でどう始めたらいいのかという情報は、すでに世の中に溢れるので、僕のnoteでは僕なりの「投資論」を書きたいと思います。

なんておおげさに言ってしまいましたが、お伝えできるのは個人的な投資の経験やそこから得た学びです。あくまで僕個人の体験に基づく考えなので、参考程度に読んでいただけたらうれしいです。(投資は自己責任で。笑

マネーフォワードは世の中のお金の困りごとを解決する会社なので、その社長をやっているというと「投資にも詳しいんでしょう?」「投資で失敗なんてしませんよね?」と思われがちなのですが、全然そんなことはありません。投資に関しては手痛い失敗をしまくって、今に至ります

僕の投資デビューは社会人になって間もない頃で、株式投資から始めました。

新卒で入った会社はソニーでしたが、入ったときから「いつでも辞められる覚悟でいよう」と、オフィスデスクの引き出しに退職届を忍ばせていました。会社に依存せず、思い切り働きたいと思っていたからです。

会社に対する独立心を保つためには、経済的自立が不可欠。そのためには、給料に加えて、給料以外の収入源を増やすのが大切なのではないかと思い、投資の勉強を始めました。

マネックス証券の松本大さんのもとで働くようになってからは、株式投資にも少しずつ挑戦しましたが、松本さんの愛ある無茶ぶり(?)を打ち返すハードワークと両立しながら、日々の株価の変動を追うのはかなり至難の業でした。また、証券会社勤務では、株式の売買に関してコンプライアンス上の様々な制約があり、なかなか難しくなりました。

無理なく続けられる投資はないだろうかと探していたときに、「サラリーマンにも向いている」と話題だった不動産投資に興味を持ったのが28歳のとき

友人が、不動産投資の先生をやっていたこともあり、不動産投資に関してたくさんの本を読んだり、通信教育の教材を購入して勉強して、思い切ってフルローンで小さなアパートを1棟購入したのが、大きめの投資としては初のチャレンジでした

僕が買ったのは、ロケーションこそ都内の駅近ではあるものの、4畳半の古いワンルームが14室という物件。

「不動産投資は何もしなくても、毎月家賃収入が入ってくる」とメリットが強調されがちですが、実際にはそううまい話はありません。家賃は滞納されるし、空室は常に発生するし、お金の出入りはシミュレーションどおりとはいきませんでした。

おまけに僕は管理会社に支払うコストをケチって、はじめは全部自分で入居者フォローをしていたので、週末に廊下の電球を付け替えに行ったり、空き部屋のクリーニングの立ち会いをしたりと、結構手足を動かすことになりました。

仕事中に「トイレが壊れました〜」と電話がかかってきたことも……。収入自体は少しプラスくらいにおそらくなったのですが、本業に支障が出るほどマインドシェアが取られるのはよくないなという学びになりました(不動産投資の際には、予算が許せば管理会社にお任せするのがおすすめです!)。

ほかにも、FX投資が流行ったときに、高金利につられて、南アフリカランドの商品に手を出し、その後急激に円高に触れて大損したこともありました。為替は本当に難しいです……。
 
この他にも一通りの投資の失敗は経験してきた自信がありますが、だからといって投資自体が嫌になったことはありません

やはり自分が働いて稼ぐお金に加えて、「お金に働いてもらう」という戦略をもつことは大事だと思います。それに、投資をすると、明らかに世の中に対する解像度が上がります。アメリカ株を買うだけで、ウォール街の最新ニュースや大統領選の動向に対するアンテナの感度が格段に上がります。
 
先ほど失敗話から披露した不動産投資の経験も、家賃から得られる月次収入とコストを差し引きし、金利の計算もしながらPLを管理する「経営者感覚」を磨くきっかけになりました。マジで破産したらどうしよう!とヒヤヒヤする緊張感も、ビジネスに似ているなぁと思います。

「一度失敗したから投資はこりごり」と手を引いてしまう人が時々いますが、もったいないなと感じます。大事なのは、自分の「リスク許容度」を知った上で、無理ない範囲で始めること

資産の額にかかわらず、1円損するのも嫌な人もいれば、投資額の30%までの損失は許せるという人もいるでしょう。

仕事中や家族とのリラックスタイムなど、本来は大事にしたい時間にも気になってしまうほどマインドシェアが取られるようでは、「リスク許容度オーバー」の状態なのかもしれません。

その点、新NISAの対象商品は、比較的リスクの少ないインデックスファンドが充実しているので、「ドキドキしたくない」人や初心者にもピッタリだと思います。初心者じゃなくても、税制優遇面だけでも十分にメリットは大きいです。

僕もこれまで本を読んだり、詳しい人に聞いたりして、投資について勉強してきたつもりですが、「初心者でも負けない投資」の原則はいたってシンプルなのだという結論に達しました。

ポイントは3つ。「複利」「分散」「グローバル」です。

複利効果は、かのアインシュタインが「人類最大の発明」と称えたと言われていますが、運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、「利益が利益を生む」状態をつくる運用方式。

まさに「お金が働く」仕組みを加速させてくれるので、この複利方式で設計されている投資商品を選ぶことがまず大事です。

次に、分散。特定の企業の単位株や、単一の通貨に依存した債券などではなく、できるだけ複数の銘柄をバランスよく組み合わせたインデックス系の商品を選ぶことで、リスクを最小化。「あの会社が不祥事!? 終わった……」と一喜一憂せず、平穏に日常を送れます。

さらに、より成長が期待される海外に投資することも重要です。少子高齢化が進む日本だけでお金を殖やすことはもはや現実的でなく、これからガンガン成長する国への投資を積極的にして「成長する海外にお金を投資して、お金を殖やす」作戦をとるほうが賢明です。

取引手数料が安い証券口座を選ぶことも、「ちりも積もれば」で差が出るポイントになりますね。最近では、ネット証券では手数料がゼロになるなど、手数料競争が激しいので、ユーザーにとってはメリットが大きい時代になりました。

マネーフォワードでも、ユーザーの皆さんの資産形成のお役に立てるサービス「資産形成アドバンスコース」のサービスを拡充したり、その他にもお役に立てそうなサービスを、現在頑張って準備中ですので、ご期待ください。

「初心者でも負けない投資」の原則を3つお伝えしましたが、ここでさらに大胆に「初心者にこそ“絶対“おすすめしたい投資」も付け加えたいと思います。

ちなみに、投資の情報を発信するときに“絶対”は禁句であることは重々承知していますが、あえて書いています。

お金を殖やす方法として、最も確実に成果の出る方法。それは、「クレディビリティ」を増やすための投資をすることではないかと僕は思います。

「クレディビリティ」すなわち、「信頼」を貯めること。周りの人と協力して何かを成し遂げようとチャレンジするときに、一番必要なのはお金ではなく信頼です。「こいつを助けてやろう」「応援しよう」と思ってもらえる信頼を積み上げられるかどうか。信頼が積み上げられていたら、お金は自然とついてくる気がします。

結局、人生の幸福度を最大化するのは、「人生のバランスシート」におけるクレディビリティという無形資産なのではないだろうか、と思います。クレディビリティというと難しい印象になるかもしれませんが、要は「嘘をつかない」「約束を守る」、そういう基本的なことから「あの人に助けてもらった」「あの人は、こんなすごい結果を出した」などですね。

信頼を高める手段にもなり得るのが、知識や経験。これらも「人生のバランスシート」を膨らませる大事な要素です。信頼と知識と経験があれば、たとえ失敗したとしても次のチャンスに挑戦できるはずです。

その意味で、「本」というのは、その投資する値段に対して、非常にリターンが大きい投資だと思っています。先人が人生をかけて獲得した叡智をたった数千円とか数百円でいただけてしまうのですから。

若者から「どんな投資商品がおすすめですか?」と聞かれたら、上記に加えて、本と答えています。

最近、欲しい本が見つかったときに、紙の書籍と電子版の両方を迷わず2冊買っている自分に気づいたとき、「僕もずいぶん大人になったな」とちょっと感動しました。

初めての不動産投資にアタフタしていた28歳の自分に、報告してあげたいです。一時の損得に惑わされず、知識、経験、信頼をためていきたいですね。

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