見出し画像

1000億円企業になるために増やすべきもの

2024年になって初めてのnoteです。(1月ももう終わりですが……)今年もどうぞよろしくお願いします!

まず、令和6年能登半島地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。厳しい寒さの中、現地で支援活動を行なっている方々の姿には頭が下がります。

僕が理事を務める一般社団法人災害時緊急支援プラットフォーム(PEAD)でも、支援活動を開始し、微力ながら個人としても支援をさせていただきました。追加支援継続に向けたクラウドファンディングも実施していますので、よろしければぜひご協力をお願いします。



あらためまして。おかげさまでマネーフォワードは1月12日に2023年通期決算を発表することができました。

連結売上高は41%増の303.8億円、SaaS ARRは42%増の231.5億円と、ともに見通し上限を超えて着地し、法人課金顧客数は1万社以上と過去最大の増加に。

ユーザーやビジネスパートナーの方々からいただくフィードバック、投資家の方々とコミュニケーションを重ねながら、社内で成長の戦略を練り、現場のメンバーがコツコツと実行してくれたことで、目標値を上回る結果を出せたことを素直にうれしく思いました。

アナリストや投資家の方々の反応も非常にポジティブで、これから一層ご期待に応えていかなければと身が引き締まりました。

今回の決算報告で初めて開示したのが「5年後(2028年)の財務ターゲット」です。今期の見通しに加えて、初めて中長期の数値目標を発表したのですが……ドドン!

5年後の目標として「2028年通期売上高1,000億円以上、EBITDA300億円以上」と開示しました。かなりインパクトのある数字ですし、中期の目標については、社内では勿論前からあったものの、今回始めて外部の方々にお出ししたので、どういう反応をいただけるのかなあと、内心ドキドキしていました。目標としてお出しした数字の内訳としてはかなり解像度高い計算の積み上げのもとで固めた数字です。

もちろん、外部環境の変化など可変要因は色々あるので日々しっかりやっていかなければ実現できないと思いますが、既存のビジネスをしっかり伸ばしていければ、十分到達可能だと思いますし、その目標をさらに超えていくためには、新規事業やグループジョイン(M&A)を含めてアップサイドをいかにつくれるかが僕の仕事だとも思っています。
 
では、どうしたら1,000億円企業になれるのか。

積極的なプロダクト開発、一人当たりの生産性向上、チームの強化、テクノロジーの深掘り、カルチャー醸成、グローバル化……やるべきことはいろいろありますが、僕が一番大事にしたい考えはこれです。

「幸せにできる人の数を増やすこと」

つまり、すべてのステークホルダーをハッピーにできる力を磨き、僕たちの仕事によってハッピーになるステークホルダーを増やしていくこと

それが、成長にとって最も重要な基盤になるのではないかと思うのです。
 
ここでいう「ステークホルダー」とは、言うまでもなく僕たちのプロダクトを使ってくださるユーザーの皆様、士業の方々をはじめとするパートナーの皆様、投資家、株主の皆様、支えてくださる官民問わずパートナーの方々、そして一緒に働く社員、マネーフォワードのメンバーも勿論大切なステークホルダーです。さらに社会全体も大切なステークホルダーだと思います。

創業から12年が経ち、会社もそれなりに大きくなってきた今、それぞれのステークホルダーに対してのコミュニケーション、説明責任がより求められているなと感じています

「マネーフォワードという会社が、あなたに対してどんな価値を提供しようとしているのか。そしてその奥にある、どういう姿勢で関係を築いていきたいと考えているか。」を伝える努力を惜しんではいけないなと。

ユーザーの方々に対しては、プロダクトのリリースやアップデートが、まさにそのコミュニケーションになっているのかもしれません。僕たちが日々の「User Focus」によって発見した課題の解決を形にしたものがプロダクトだからです。「User Focus」をサボらず、その精度を高めていくことが、ユーザーの方々に対する最大の価値提供になると信じています

投資家の方々とのコミュニケーションも、多くの、時には本当に厳しいフィードバックをいただき、年々進化してきたと感じています。

2021年に315億円の資金調達をさせていただいた後も、中長期の戦略を説明しながらコミュニケーションを重ね、再び赤字を掘らせてもらい、人員も2021年度末の1,259名から、2023年度末には 2,148名と、素晴らしい仲間が多くジョインしてくれました。

特に中堅企業のバックオフィス向け、SaaSサービスの開発、セールスマーケの強化、さらにSaaS×Fintechの促進するための開発やセールスマーケなど、必要な事業投資をやってきました。

今期は財務上の課題だったEBITDA黒字化の見通しも立ったことで、次なるターゲットはどこなのか、投資家と目線を合わせるためのコミュニケーションが進みました。先述の「5年後の財務ターゲット」の開示も、その成果の一つです。

上場以来、投資家の方々から時に厳しい問いかけもいただき、鍛えていただきながら一歩ずつ階段を登っている。そんな感覚があります。

昨年、僕たちのカルチャーとして、新たに「Evolution」というワードを加えたのですが、投資家の方々とのコミュニケーションにおいても「進化させる力」が必須だなと実感しているところです。
 
社内のメンバーに対しても、様々な研修や福利厚生、働き方に関わるさまざまなサポート体制の拡充など、多様性に溢れるメンバー、一人一人が、生き生きと自分の力を出し、「User Focus」の姿勢でユーザーの方々に価値をとどけることができるよう、様々な施策を行っています。

昨年12月には、マネーフォワードの人的資本経営の取り組みについてまとめた「Talent Forward Strategy」を発表しました。必要とされる制度をタイムリーに整えるだけでなく、大きな文脈の中で中長期戦略としてメンバーシップの方針を伝えることが、ますます重要な時代だなと思うわけです。

こうして「幸せにできる人」の数を増やすことができる会社は、結果として、大きく成長し、大きな成果を生み出すことができるはずです。

1,000億円企業になるために、さらにその先を目指していくために最も重要なことは、一人でも多くのステークホルダーをハッピーにすること。数字を細分化したマイルストーンを出すよりもワクワクしますし、経営の本質ではないかと僕は思います。

ちなみに、僕は全社朝会など社内コミュニケーションの場でも、数字について強調することはほとんどありません。数字という“手段”、“結果”が目的化するのを避けるためです。

代わりによく話すのは、ミッション、ビジョン、バリューズ、カルチャーの話や、読んで感銘を受けた本など。年始の朝会で紹介した2冊も素晴らしい名著でした。

経済の合理性や効率の追求だけで、企業が成長する時代はすでに終焉し、「文化資本」を満たす経営の時代である。そして、これからは内外の多様なステークホルダーから愛される企業しか生き残れない――お手本とすべき思想に触れるとワクワクします。

なんだか少し高尚なことを述べましたが、結局、目の前のことを愚直にやり続けるしかありません。

大きなことを成し遂げるには、それなりの時間を要し、やり続ける胆力がなければ見たい景色が見える場所には辿り着けないでしょう。

1年後の僕たちの「進化」を感じていただけるよう、愚直に良いプロダクトをつくり、とどけていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?