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「オリンピック憲章」をガチで読む①ー「オリンピック・ムーブメントという怪物」

いよいよパリ五輪だ。
この記事では、「オリンピック憲章」(以下、憲章という。)を読んでみたい。

オリンピックの「欺瞞」や「腐敗」という方向には、できるだけ行かないようにする。
素直に読んでみようというのが趣旨である。
私も、色々思うところがあるが、批判するだけの「武器」を持っていない。その方面は、多くの本が出ているので、興味がある方は、そちらを読んで頂きたい。

まずは、「オリンピック憲章」であるが、JOCのHPに上がっている(https://www.joc.or.jp/olympism/principles/charter/

まずは、憲章の目的であるが、ざっくり言えば
1.オリンピックの最高法規
2.IOCの定款
3.オリンピック関連組織の権利と義務の規定
である。

以上は確認事項として、第1章は、「オリンピック・ムーブメント」という得体のしれない「怪物」の規定から始まる。私は、憲章を読むまで知らなかった。歴史的には、1925年に、まさに「オリンピック・ムーブメント」という「運動体」を規定するために、「オリンピック憲章」が制定された。

このオリンピック・ムーブメントの「怪物」性というのは、自らを運動体、すなわち「普遍的、恒久的活動」と呼ぶことで、あらゆるスポーツをその運動体の中に飲み込めるということである。
もちろん、建前上は、「オリンピズム」を守らなければならないが。

これは、すごい「発明」である。何がすごいかというと、「スポーツとは何か」という、解けるはずのない「哲学的な議論」をすっ飛ばせるからである。

ここで考えてほしいのは、「鬼ごっこ」はスポーツか、という問いである。
スポーツではないと大半の方は言うであろうが、これが体育の授業で行われたらどうか。ルール・ブックを作って、国別対抗戦をやったらどうか。

何がスポーツで何が遊びかは、ことほど曖昧なのである。
それならば、ルール・ブックを作って、オリンピック・ムーブメントに参加させてもらったら、いつの間にかスポーツになっているかもしれない。

ここにあるのは、オリンピックが持つ融通無碍な思想である。このようにして、オリンピックがどんどん肥大化していった分けがわかる。

オリンピックという運動体は、「スポーツとは何か」という難問を抱えずにすむことで、あらゆる人間の活動を先取りして飲み込める、「オリンピック・ムーブメント」を発明したのである。

例えば、エクストリーム系、Eスポーツとかを考えていただければよい。

とりあえずは、まずは「オリンピック・ムーブメント」という「運動体」について、説明させていただいた。
次回は、実際の「オリンピック競技大会」について、読んでいきたい。

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