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スポーツ・競技規則をガチで読む。ー序章ー

昨日、『相撲の力学』と言う本を読んでいたら、「相撲のルールって成文化されているのだろうか。」とふと考えた(『相撲の力学』については、後ほど書評を書かせていただく。)

どのスポーツも①前近代的な要素、②近代的な要素、③現代的な要素が積み重なったものである。
当然、ルールも前近代的、近代的、現代的なものがある。

これらのルールを統一して法文化しようとすると、苦難に直面する。なぜなら、スポーツ・ルールは、はじめはプレイヤー同士の慣習法から始まり、そのスポーツが広がって行くこと(近代化、現代化)で、厳密性が要請されていくからである。

慣習法は、成文化するのが、意外と難しいのである。
トートロジーになるが、成文化するのが難しいので慣習法なのであるが。
その苦難の様子は部外者から見ると、大変興味深い。

まず日本で、最初に「スポーツ・ルール学」を提唱した、中村敏雄氏に敬意を払いたい。氏の『スポーツルール学への序章』(大修館書店、1995年)は、荒削りながら、スポーツ・ルールの荒野に筋道を作ろうとする、労作である。

この本によって、私の「ルール学」への道が作られたと言っても良い。スポーツ・ルールを考えるものにとっては、読まなければならない古典である。


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