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「紳竜の研究」  島田紳助 伝説の講義

僕は元々関西出身で、笑いにはどちらかと言えばうるさい。関西人なら分かると思うが、人を面白いか、面白くないかで分けるクセがある。どんなに成績が良くても、運動が出来ても、面白くない奴は、1ランク、2ランク下に見られる。それぐらい「笑い」と言うのは、関西で絶大な力がある。

類まれな才能と、持ち前のセンスで一気にお茶の間の人気ものになり、長らくお笑い界のトップ集団に君臨していたのが、2011年に引退した島田紳助である。その彼が、漫才について語った伝説のDVDが「紳竜の研究」である。2枚組のDVDで、1つは紳竜の漫才を収録、もう1枚が紳助の講義。

結論から言うと、この講義が凄まじくすごい!感銘を受ける!漫才理論や芸能界で売れる為のノウハウを話しているが、芸能界にいない、ビジネスマンや、自分で何か業を起こしたい人には転用出来る内容盛り沢山。

いくつかの章に分かれている中で、僕が最も影響を受け、多くの人の心に刺さるだろう部分を、紹介したいと思います。


公式のない答え

学生時代に経験した事あるんじゃないですか。テストでたまたま書いた数字が正解になる事って。うーん、分からないと思って、「 2」と書いたり、選んだり。

これが公式がない答え。(厳密には、根拠なく出した答えがたまたま、正解になるパターン)

これをやっている限り、絶対に売れ続ける事が出来ないと。(商売繁盛し続けられない)でも、たまたま数字の2と同様に、売れる時がある。これを芸能界では、「一発屋」と呼ぶそうです。


XとYの分析

Xの分析:笑いには色々なオチのパターンがある。その中で、自分に一番近く、自分にも出来るパターンを探す。これは何かと言うと、自分の戦力。端的に言えば、自分が何が出来て、何が出来ないのかを把握する事。

Yの分析:いつの時代も売れている漫才師はいる。その時々で売れている漫才を研究する。どう変わって来ているのか?どこが違うのか?同じなのか?つまり、Yは世の中の流れ(変化)。

自分に出来る事(X)と、世の中の流れ(Y)を理解し、初めてここで悩まなければならない。どんな笑いを作ろうか?どんな笑いが出来るか?

多くの先輩や後輩は、このXとYという公式の存在すら知らず、悩んでいる人達ばかり。それは、ただ適当に 「2」と解答出している事と同じだ出そうだ。


世の中に合わせる

笑いの潮流の変化を把握し、同時に自分が戦える武器を理解し、どうこの芸能界を乗り切っていくのか?自分に一番近いパターンを発見しても、すでにそれを使いこなし売れている人はいる中で、どう戦力を最大化させるのか?一発屋は、公式がなく正解してしまった典型的な例。根拠のない、再現性のない正解は、時代の変化についていけず、いずれ沈む。

だから、公式を自分で考える事が重要だと説く。

時代の流れに、自分を合わせるようになる。出合い頭の事故ではなく、接触事故のように。常に時代の行き先を見据えながら、時代と共に歩む。それが売れると言う事なのだと教えられた。


公式が出来て、初めて悩むんやで、本当は。



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