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2分で読める行動経済学の話(1)

行動経済学って言葉を聞いたことありますか?
行動経済学は経済学と心理学を合わせた比較的新しい学問ですが、とても面白い学問分野です。
従来の経済学は「人は合理的に行動をする」という前提で研究が進められてきましたが、現実の人間は必ずしも合理的に判断をするとは限りません。
従来の経済学の対象が「常に合理的な行動を取るフィクションの人間」であるなら、行動経済学は「感情によって時に不合理な行動を取る現実の人間」を対象にしています。


行動経済学の有名な話をいくつかご紹介。

①松竹梅理論

商品ラインアップが1000円、800円、500円とグレード分けされていた場合、「1000円だと少し贅沢だし、500円だと安っぽいかなあ…」という心理が働き、真ん中の800円の商品が選ばれやすくなるというものです。そのため逆に1000円の商品を一番売りたい場合には、売れなくてもいいから1200円の商品を用意しておき、1200円、1000円、800円のラインアップをつくることで1000円の商品を売れやすくすることが出来るようになります

②手に入るかも知れないものよりも失うかも知れないものを高く評価する

「1/2の確率で1000円が当たる」と「確実に500円がもらえる」では期待値は同じですが、一般的には「確実に500円がもらえる」方を好む人が多い傾向にあります。これを知っておくと販促を打つ時の予算の使い方のヒントになるかも知れませんね。 

③同じプラセボ薬でも高額な方が効く

プラセボ効果とは「プラセボ(偽薬)と知らずに薬を服用すると、有効成分が入っていなくても身体が反応して効果が発現する 」というものです。また、同じプラセボでも高価だと伝えられたものほど、より効果があがる、という法則です。「金額が安すぎると不安」とか「高いものはいいものだろう」という心理が働くということですね。

④現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する

一般的に人は、職場の備品の鉛筆を失敬することへの罪悪感は薄いが現金の10円を着服することには強い罪悪感を感じる、というものです。
・・・まあ、確かに。じゃなくて、どちらもダメですからね!

⑤頼まれごとなら頑張るが安い報酬ではやる気が失せる

見返りを求めずにしてあげたことに対して、500円払います、と言われると嫌じゃないですか。提供したサービスの価値が500円と言われているようで。
しかし、これも「缶コーヒーをくれる」となると嫌じゃなくなり、先ほどの「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」の逆パターンとなります。


これらの話は行動経済学ブームに火をつけつけるきっかけとなったダン・アリエリーの名著「予想どおりに不合理」に書かれていますので行動経済学に興味を持たれた方はぜひ読んでみくださいね。

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