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Some Might Say






誰か言う。
「雷鳴の後に、陽が差すものだ」
「日陰者たちに、そう伝えてきてくれ」
誰か言う。
「自分の考えに囚われるな」
「そんなもの、いつの間にか変わってしまうものだから」




そして言う。
「いつか、良い日がやって来るから」






俺は電車を待ちながら、
ずっと待ちぼうけをくらってる。
雨に打たれながら、
教育という施しをうけている。
またこんな噂を聞くなんて、
あなたは思いもしなかったんだね。





このシンクには、
魚が溢れている。
彼女は汚れた皿のことで頭がいっぱい。
徐々に抑えが効かなくなってきていた。
まあ、大したことじゃないさ。

そう思うよね?








誰か言う。
「天国なんか無い」
「地獄に住んでる奴に、そう伝えてきてくれ」
誰か言う。
「君には与えられたものがある」
「君がそれで不満なら、僕は不満だらけだよ」







誰か言う。
「いつか、良い日がやって来るから」






俺はこの駅で待っている。
雨の中で育つものだと信じて。
またこの噂だ。
あなたは予想だにしなかったみたい。






魚だらけのシンク。
彼女は汚れた皿に侵された。
俺の犬がうずうずしている、
何か強く望んでいるんだ。
またもや、
このキッチンで。











あなたにも、わかるだろう。
誰かの言っていることが。



















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