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GEAIM:FPS チームのスポンサードを開始した日本のゲーミングデバイスメーカー『ARTISAN』の意図に迫る

公開日:2011-03-01 14:29:45

FPS チームのスポンサードを開始した日本のゲーミングデバイスメーカー『ARTISAN』を展開する株式会社グロウアップ・ジャパン代表の小林 敏博 氏に、支援開始の経緯や意図について質問させて頂きました。

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ーこの度『ARTISAN』は『Counter-Strike:Source』の日本トップチーム INTEGRALとオンラインFPS『クロスファイア』の日本トップチーム Vault のスポンサーとなりデバイス、ユニフォーム、活動費用の支援等を行なう契約を結びました。どのような経緯で両チームをサポートすることになったのでしょうか?

小林: INTEGRALとの契約の経緯は、『ARTISAN』のスポンサードプレーヤーとして活動している田原さん(ゲームネーム: uNleashed)より提案をいただき、それを受ける形で今回の支援になりました。飛燕のテスターとしてご協力いただいている INTEGRAL の ATOM さんが田原さんと交流があり、チームで海外大会に参加したいという事で相談をしていたそうです。

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INTEGRAL 公式サイト。現在はスウェーデンに遠征中。
毎日レポートが掲載されている。

Vault については、彼らが ARTISAN のファンであるところから始まっています。何度か、オフィスを訪れていただいた事もあり、それらの延長線上でのことです。当初、支援はマウスパッドだけの範囲で考えていました。というのも、Vault には他社からスポンサードのオファーがあったと聞いていたからです。彼らには、そのオファーを受けて契約することをアドバイスしました。弊社に比べ、より大きな支援を受けられる可能性があると考えたからです。しかし、そちらは流れたようで ARTISAN がサポートすることになりました。

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Vault 公式サイト
これまでの戦績やチームの活動状況を知ることが出来る。

弊社にとって、ARTISAN製品のファンであるということは大きな喜びであり、できる範囲内において支援していこうと考えています。彼らの姿勢はピュアであり、弊社を利用してやろうという思いは皆無。その潔さが大好きです。

『クロスファイア』は中国などアジアで人気が高いとのこと。アジア・マーケットを考えた場合、そこで露出できる可能性は大きなポイントとなります。3 月にはベトナムに渡りキャンプを張る予定だそうです。『クロスファイア』はインドネシアでも人気があるとのこと。アジアの市場を開拓していこうと考えています。

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オンライン FPS『クロスファイア』は特に中国で高い人気を誇る。

ーARTISAN はこの他のチームやプレーヤーともスポンサー契約を行なう予定はありますか?また、スポンサー契約をする条件のようなものはあるのでしょうか?

小林: 出来ることなら海外の有名プレイヤーとスポンサー契約を結びたいと願っています。しかし、今の時点においては願望でしょう。国内においては、現状では疲れます。コミュニケーションに課題があります。日本の PC ゲームコミュニティについては事情が複雑なようで「なんだか実態がハッキリしない」といった印象がつきまといます。スポンサードされるという意味を、そこで求められるものを、具体的に想像することも必要だと思います。

eスポーツ学生連盟については、何らかの協力をしていきたいと思ってます。

ーeスポーツ学生連盟の活動に興味があるようですが、何か具体的な理由はありますか?

小林: 学生ということが、その理由です。それだけです。行動原理は利害ではないでしょう。応援したくなるじゃないですか。とは言っても、何か具体的なことが決まっているわけでもありません。これからの話です。

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『eスポーツ学生連盟』は全国の大学にeスポーツサークルを普及させ、
学生リーグを設立する事を目指し活動している。

ーチームをサポートする契約を結んだことで得られる ARTISAN のメリットはなんでしょうか?トップチームのメンバーが開発に参加することや、彼らのファンが ARTISAN の製品に興味を示すことなどについての期待でしょうか?

小林: サポートしたチーム、個人が、それなりの成績を収めない限りなんの効果もないのは、他のスポーツと同じです。そういった意味で、「良い成績を収めてくれることによる、一般ユーザーへの宣伝効果」を期待しています。そういう意味では、海外においての効果は、現状ではあまり期待できないでしょう。とは言え、海外に出かけないと強くなれない。弊社が、ここを、少しでも埋められる存在になれればと願っています。

INTEGRAL のスウェーデン遠征においても、それは同様です。国内において、その活動を伝えることにより ARTISAN の認知度が向上すればと願っています。

開発へのコミットという意味では、一般ユーザーの活用の方がより有用です。ロジカルな意見が得られないことが大半で、開発のためのフィードバックにはならないと感じています。

ースポンサードしたチームには、活動に対してどのような期待をしていますか?

小林: デバイスに対する認識を、もう少しロジカルなものに変えていってほしいと思います。 そして、それを、もっと、もっと、発信し、一般ユーザーの啓蒙活動を行ってもらえることを願っています。PC パーツと同じで、メーカーに鼻面を引き回されて、カモにされています。

Vault については、アジアで強いチームになり、「日本、ここにあり」と示してくれることを期待しています。それによる国内市場の成長を期待しています。同時に ARTISAN の認知度が上がればと願っています。

ーARTISAN マウスパッドに INTEGRAL モデルや Vault モデルが登場する可能性はあるでしょうか?

小林: Vault モデルは計画しています。アラリオ社にロゴ使用について協力をいただき実現したいと考えています。オンラインFPSのとあるモデルについても提案をしていますが、どうなるかは今後の進展次第ですね。

ーいろいろとありがとうございます。最後に新製品の情報を教えていただけますでしょうか?

小林: 評価はともかく、ARTISAN はゲーミングマウスパッドの世界に一石を投じました。イノベーションを起こしたと自負しています。とは言え、ユーザーの支持がない限り市場では生き残れません。海外製信仰の強い国内市場においては、ARTISAN にとり、厳しい課題となります。

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布系マウスパッドの最高峰『飛燕 Rev.2』

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ガラス系コーティングを施した布系マウスパッド『紫電』も発売(右)

新たに『疾風』というマウスパッドを商品化することにしました。価格が高くなるので迷っていましたが、最高峰モデルとして商品化します。海外でのプレゼンスを一気に高める製品として位置づけています。

また、飛燕とは違った、もっと滑らかなタッチの布の開発を進めています。これにより、飛燕とは違ったタイプのスタンダードな商品も発売する予定です。飛燕 VE/ 飛燕 については、黒色タイプも発売します (4 月の予定)。そして、主に海外市場向けの侍プリントの飛燕 (SOFT) が、3 月に発売されますが、国内では直販のみでの販売となる予定です。

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海外向けに侍のデザインを施した製品
『KAI.g3 SAMURAI Gaming mouse pad』

国内では好評とは言えないのですが、タイル模様でプリントした飛燕 (SOFT/M)を、女性用として 3 月に発売します。これも、海外市場向けとし、国内では直販のみとなります。

是非一度ためしていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

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『ARTISAN』のスポンサードチームが今後どのような活躍をしていくかが楽しみです。ARTISANは 新製品をいろいろとリリース予定とのことですので、取り扱い店などで一度試してみてはいかがでしょうか。

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