eスポーツ・ゲームイベントをやる前に見ておきたい! より良いイベントにするための考え方・ノウハウまとめ

公開日：2014年12月28日(日)
※NAVERまとめ終了に伴い、noteに移植したものです。

様々なゲームイベントの運営・主催を手がけている松井悠さんによる、2014年に開催したゲームイベントの振り返りツイートまとめです。

様々な工夫や配慮をしてイベントを行なっている事がわかります。

松井さんとは?

株式会社グルーブシンク代表取締役。NPO法人IGDA日本理事 / SIG:e-sports世話人。Red Bull 5G / Red Bull Gaming U / Red Bull Tower of Pride。そのほかいろいろ。『ゲームっていいよね』っていいたいので、そういう感じで生きてます。

https://twitter.com/yumatsui

ツイートまとめ

今年、そういや結構イベントやったなーと思ったんだけど、なんとかなったのは、やっぱりスタッフの練度とがんばりに負うところが多かったなぁと。イベント未経験のところから、たった1年でここまでやれるようになったのもいるし、2年目でよりクオリティ高くなったのもいるし。ほんとありがとう。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

どっかの機会で話しておこうかなーと思ったことを、忘れる前につらつらと書いてこう。主に、今年やってきたイベント関連で、いろいろと試してみたこと、実際にやってみてうまくいったこと、うまくいかなかったことなど。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(1) 競技種目の選定とか、シーンの見方とか。
「そこに何があるか」はもちろん、「そこで何をするか」を考えた。実際にできたこと、できなかったことはあるものの、一番大事なのは「シーンを尊重すること」。中途半端なことやるくらいなら、やらないほうがいい、という気持ちで。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(2) イベントの方向性
「自分だったらこれ、うれしいよな」っていうところをブレないように。ゲーマーだった、体験者だった自分を信じて、いろいろと考えた。
ただこれも、そのうちズレがでてくるんだろうなーとも思うけど。たぶん、あと4～5年のうちに。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(3) 選手への視点
相手は「プレイヤー」なのか「選手」なのか「お客様」なのか。
どれがいい、どれが悪い、わけではなく、一度決めたらここは絶対にずれないように。スタッフ全員の意識のすりあわせも大事だった。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(4) ネットワークについて
このところの騒ぎもそうだけど、ネットゲームを絡めたイベントは開催リスクが高い。バックアッププランも含め、いろいろなことを想定しておく必要がある。自戒を込めて。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(5) 問い合わせ対応について
参加人数の大規模化に伴う問い合わせの増加について、どのように対応していくか。個別のケースをどのようにスタッフ間でシェアしていくか。このへんは、来年以降の課題。おそらく、カスタマーサポートで共有しているようなシステムをうまく流用していくのかな。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(6-1) ゲーミング機材の設営・撤収について
会場の仕込みがおわらないと立ち上げられず、会場のバラシの前に下げないといけない。大規模なイベントになればなるほど、ゲーミング機材がボトルネックになりがち。通常梱包材だけではない何かもそろそろ検討しないといけないのかも。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(6-2)
たとえば、ディスプレイ。台座のくみ上げ、結線、設置から、バラシまでも、1個ならたいしたことなくても、これが数十台ともなると、かなりの時間を喰う。たとえばハードケースにすでにくみ上げたものを入れて一気に運ぶ、とか。(使わないときどうすんだよ）

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(7) 開催日程
理想は、前泊、後泊してもらうこと。とはいえ、みんなが調整しやすい日程がなかなかない。たとえば、金夜集合、リハ、土曜開催、日曜帰りをしたくても、遠方からの来場者で仕事のある人は、それが厳しい。試験期間にかぶると学生さんもつらい。結果できることは、予選期間の前倒し。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(8-1) 機材バックアップ
基本的な思想は、2割バックアップ。10台ゲーム機を使用するなら、2台予備を用意して、12台セットアップしておく。もちろん、端数は切り上げで。機材トラブルは、いつ、どんなときでも起きる。その原因がなんであれ、その責任はテクニカルチームに負わされる。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(8-2)
いまじゃ嘘みたいな話だけど。とあるPCゲームイベントで10台中5台故障、なんてのもあった。運搬中にPC電源のケーブルとか、SATAケーブルが外れる、HDDがぶっとんで起動しない、なんてことも。大事なのは「なんか起きる前提」で考えること。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(8-3)
今年のアレでは、転換中にHDMIケーブルの根元がもげて……、なんてことも。このときは、スタッフが全結線を確認し、予備ケーブルを差し替えて対応してました。転換しなけりゃこんなことも起きないけど、それを通すことで実現する演出もあるってことで。（スタッフの機転に感謝）

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(9)電源まわり
特にPCイベントでは、安定した電源の確保は本当に重要。マシンぶん回した途端に電気足りなくなってブルースクリーン、なんてのを東南アジアの大会でみてからトラウマに。これならいけるでしょ、的な思想は本当に危険。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(10) タイムスケジュールの組み方
基本的に、試合時間が最長になった前提で組む。さらに、トラブルシュートにかかる時間も想定。小規模→5分、中規模→15分、大規模→30分、など。再起動1発で済むのか、それとも機材転換が必要なのか。そのジャッジをする人間と、連絡系統の事前決定。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(11) 何を伝えたいのか
イベントはコミュニケーションの一手段だ、と今年は痛感した。主催者がイベントを通じて、参加者に何を伝えたいのか。「最強決めようぜ」、「みんなで遊ぼうぜ」、なんでもいい。そのメッセージをスタッフ全員が共有すること。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(12-1) オンライン予選の是非
「参加しやすいが運営しにくい」オンライン予選。「参加しにくいが運営しやすい」オフライン大会。参加者は「普段つながるから当然大会でもつながる」と思いがちだが、実は「普段はつながる相手としかつながっていない」。NAT問題をどうクリアするか。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(13) 配信について
2ソース（1ゲーム、1カメラ）程度の配信は安価にできる。PC＋機材費数万円。ところが、このソースが4を超えた途端、配信費用は数十倍にはね上がる。スイッチャー、ミキサー、カメラ、そしてそれらのオペレーター。もちろん、知恵と努力でなんとかならんこともないが……

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(14) スタッフへの気持ち
ありとあらゆる関係者（選手・スポンサー含む）への敬意を忘れないこと。
自分ができないことをやってくれている人たち、手を貸してくれている人たちへの感謝を忘れた瞬間、どれだけ参加者がいようが、視聴者がいようが、そのイベントはクソイベントに成り下がる。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(16) 理想のイベント
理想のイベントをやりたければ、自分のゼニを使って、誰にも口を出させず、自分の好きなようにやるのが一番です。クライアント、パブリッシャー、デベロッパー、スポンサー、選手、観客。そのみんなの満足するポイントに着陸させるのがプロデューサーの仕事。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

まぁ、こんな感じでしょうか。だらだらっと書き連ねる形になったけど。また思い出したら追記します。
早稲田のちっちゃなゲーセンで大会はじめたのが16のとき。e-sportsイベントに携わるようになったのが26のとき。で、来年36になります。意外と長いようで短いようで。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

もちろん、イベントの中でやらかしたこともたくさんあります。
スタッフとモメたこともあるし、クライアントと大げんかしたこともあるし、スポンサーに怒られたこともあります。
まぁ、そういうこともコミコミで、いろいろ書いておきました。

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

(15) ぬけてたｗｗｗ

— yumatsui (@yumatsui) December 28, 2014

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