「旅×伝統」その価値とは。
僕は観光業界に身を置いて働いている。そして、とりわけ僕は日本の伝統文化と日々関わるような環境にいる。
「旅×伝統」その価値とは。
マイクロツーリズムと言われるように日本を旅する日本人が増えた今だからこそ考えたい。
まずは旅の価値の本質をどう捉えるか。
結論から言うと旅の価値の本質は「変わること」ではないかと思う。
日常から非日常へリフレッシュの旅。卒業旅行、新婚旅行など人生の節目の旅。新しい自分を探す放浪の旅。
どんなときも旅は「変わること」を支え、促し、応援してくれる。
対して、伝統の価値の本質。
伝統の価値の本質は「変わらないこと」だろう。
幾多の時代を変わらずに人々に大切にされてきたことこそが伝統が持つ価値である。それは時代の淘汰を生き抜くことが極めて難しいことだからである。
本当の伝統は、長年大切にされてきた大きな誇りと昨日生まれたような瑞々しさを併せ持つ。
旅×伝統。
すなわち「変わること」×「変わらないこと」
だとすれば、僕たちが提供できる価値は、
変わりゆくものの中に変わらないものを刻み込むことなんじゃないか。
それはタイムカプセルのような役割である。
容易に変わりゆく長い人生の中であの旅のときから少しも変わらない伝統と再び触れ合う。そして、そのときのことを鮮明に思い出すような体験である。
旅と伝統を掛け合わせることで、その思い出を新鮮に心にしまうことができる。そして、時が経っても再び新鮮に味わうことができるのだ。
そんな価値を僕たちは提供できるんじゃないかと真剣に思う。
旅の価値を上げるのは広告でもSNSでもなく、
現場の我々だ。
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