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「星空絶叫ゲーム大会」で野性にかえったキッズたち。シン・スクールのみんなとゲーム×キャンプ!

うぉぉぉぉ~っしゃ~!!!
ちっくしょう~~~!!!!

八ヶ岳の夜空にオスたちの雄叫びが響き渡る。


これは熊が出た話でも無ければ、狼男が日本に現れた話でも無く、シン・スクールが企画した「ゲーム×キャンプ」の中の「星空絶叫ゲーム(スマブラ)大会」でのこと。


普段、家や施設や学校で「静かにして。相手を悪く言わない。暴力は絶対にダメ。」と言われているオスの彼らは、「好きなだけ大声で、暴言アリ、暴力だらけ(ゲームの中)」の森の中でのゲーム大会で自分の野性を解放します。


やっているのは「ゲーム」ですが、そこには「自然」の中で自由に飛び跳ねる「動物」がいました。

現代に生きる彼らが「自然」になれるのは、昔の大人が育った荒々しい自然よりも、ゲームの中だったりします。


だから「ゲーム」を単なるツールでは無く、学び遊ぶ環境として中心に据えた居場所をやってみよう。そんな想いから「ゲームで学び遊ぶシン・スクール」は2021年より本格的にゲームに特化して、さらに2022年10月末、2泊3日で「ゲームの世界をリアルでも」をコンセプトにした「ゲーム×キャンプ」を八ヶ岳で実施しました。


ただこの企画、そんなシン・スクールの想いだけで出来上がったモノではありません。そもそもキャンプ自体のお話を持って来てくれたのは自然の中での学び遊ぶ生活を展開するIRORIAさんというプロジェクトの皆さん。


まだ実験的なプレプロジェクトとして、またコチラも初めてのキャンプなので、互いに実験的にやってみよう!となりました。


ちなみにIRORIA(https://www.iroria.jp/)は、家族の「いきかた、ひろがる。」をコンセプトに、全国各地で、子どもには自然の中で遊び・学べ、親には付き添い滞在しながら働ける環境を提供する、「多拠点親子ワーケーションサービス」への発展を目指したもの。とのこと。 


そのコンセプトにある「自然の中で学び遊ぶ」というのは、「ゲームの中で学び遊ぶ」シン・スクールとは真逆に位置するため、最初にお話を伺った時は、「いや、ウチじゃ無いでしょ」と思いました。


しかし「全く違うからこそぶつけてみたら面白いのでは?」というボクの考えと、メールをくれた鈴木さんからの「子ども主体で考えるシン・スクール素敵だと思います!私達も柔軟に考えられるので一度お話しだけでも」という対応力を感じられたので、あえて水と油のような「自然とゲーム」を一緒に考えてみることにしました。


ゲーム×キャンプ企画の誕生


9月に行われたIRORIAさんとシン・スクールの最初の打ち合わせでは、ボクは正直言って、IRORIAさんが持って来てくれた「自然の中でのプラン」は、もう色んな所でたくさん聞いた事のある、都会で疲れた大人とか自然だけで育った昭和の大人が好きそうな内容で、とても良く分かるけど、きっとシンスクキッズには全然刺さらないだろうなー誰も来ないだろうなーと思いました。だからまぁ、そこで話を終わらせてしまっても良かったのですが、ボクやシン・スクールというのは、そもそも「ゲームだけが好き」なのでは無く、「ホントに面白いモノなら何でも好き。その結果、今はゲームが多い」というオモシロ好奇心だけで生きてる生き物なので、「もしもこんな事できたら超面白そうなんですが、、、」と、ヨッシー塾長としてボクから企画を逆提案をしてみました。

それがこの2つ。

1つめは、マインクラフトという人気ゲームに出てくる剣とか武器を木工で作って、それでチャンバラとかゾンビを倒したり、好きなブロックを色ぬって作って持ち帰れる「リアルマイクラ遊び」



2つめは、普段、家とか施設だとスマブラでバトルして大声や暴言を出すと叱られてしまうから、広い森の中で思う存分に大声を出して、台パン(台をバンバン叩く)し放題で、雄叫びも遠吠えもやり放題の「森の中での星空大声スマブラ大会」 さらにこちらの企画では、後から追加で「台パン専用台(叩く専用の台)」を作ろう!ともなりました。



どう? ゲーム好きな子なら面白そうじゃないですか?(笑)

いや、個人的には、もうボクも50歳なので自然やアウトドアだって嫌いでは無く、たまーに行ったりもしているですが、もうどこかの山にゲームも何も持たずに行っちゃうと、「ずっとそれしか無い、何もない」というのが、自然の開放感どころから逆に閉そく感を感じる自分がおりまして、もちろんその何も無い良さも分かるのですが、自分の中の子ども部分があまり長時間何も無い所にいるとジッとしてくれません。できたら、何も無いってよりも、結果的にゲームしなかったぐらいにならたらいいなと。

それと近い感覚が、ボクよりさらに好奇心旺盛なシンスクの現役の子どもたちならなおさらだと思うんです。

だからただのキャンプではなく、「ゲーム×キャンプ」にして、「ゲームをみんなで楽しむためのキャンプしようぜ!」となったのです。

そのため、2つのメインゲーム系企画の他にこちらからお願いしたのが「ゲーム機を持って来て、スキマ時間にゲームもしてOK」&「キャンプ場にいつでもゲームがやれるように設置してある」という、本気のアウトドア好きが聞いたらかなり激怒されそうな、せっかくの自然だけに触れられる機会を奪う真逆の環境づくりです。

それらの提案は、あまりIRORIAさんの「自然の良さ、地方の良さを」なんかについては、一旦忘れて、考えていなくて、あくまでいつものシンスクのように「子ども中心」で考えての提案です。

ただもちろん、そうしてゲームで楽しみまくったその結果、ふと見た夜空の星が綺麗だったり、森の中にもバトル仲間と行ってみたくなったりもするかもしれません。そこはキャンプの狙いというよりも「あわよくば」程度。

そう、この「あわよくば」学んだり、成長したりしたらいいねーぐらいなのが、シン・スクール&ヨッシー塾長のスタンス。 「〇〇コース」とかで遊ぶゲームを決めて、そこで「子どもにこんな能力を身につけましょう」というのをしていないのは、気持ちもやりたい事も気まぐれな子どもたちにとっては、その方が自然で、主体的で、深い学びと成長になると考えているからです。

そんな真面目に熱心に?教育されている大人に対して失礼かもしれないヨッシー塾長なので、この提案も「怒られるかも」とか「嫌われちゃうかも」なんて不安になりつつも、それらをIRORIAさんにお伝えしてみたところ・・・

「面白そうですね!具体的にどうやれるか検討させて下さい!」という笑顔のお返事。

いやーさすが若い人は柔軟でいいなーと思いつつ、また、とにかく子どもたちが集まらなければ理想も何も無いよね、いくら助成金で回してもさ、とも思いつつ、そこから実施まで約1か月しか無い中で企画の具体化がスタートしました。



いよいよゲーム×キャンプ!


さぁ、その全貌を全てお伝えしようかと思ったのですが・・・


色々と新しい事だらけの2泊3日で、オモシロも学びも大盛りで、読むのも(書くのも)大変かと思うので、今回は「星空絶叫ゲーム大会」についてのみ記載して、他の部分については、また別でまとめたいと思います。

ちなみに今回割愛するのは・・・

・マイクラ武器の設計図づくり

・簡単ですごい!木工ロボット

・ゲーム好きが山歩き3時間で変わった事

・色を塗るだけでアノ武器になる

・いつでもゲームができる安心感

・ゲームの世界をリアルに再現

・大人向けの朝ヨガ&コーヒーも実はゲームキッズに


いずれの話も「ゲームキッズ×自然キャンプ」のかけあわせなので、あまり聞いた事の無い、貴重な体験ができたかと思います。 そしてボク自身にもとても想い出深く、楽しかったです。恐らく今の子に合わせた学びの場を考えている方には参考になる部分があるかと思います。 ただそれはまた別の回にて。





星空絶叫ゲーム大会


いろいろあっての2日目の夜、いよいよゲームバトルが大好きなシンスクキッズ達が一番楽しみにしていた企画「星空絶叫ゲーム大会」&BBQが実施されました。

そしてそれは、とにかく面白い事に対して厳しい目を持ったシンスクの子たちでも、とてもとても盛り上がり、大いに楽しんで、「今度いつやるの?」「あーホント面白かったなー」といつも話題にでるほどです。


この企画のポイントは、「外で大画面でゲームをする」というのも一応インスタ的には良いのですが、プロジェクターがあれば誰でもどこでもやれるため、そうした技術的な側面が重要ではありません。


いや、でも寒い中で用意頂いたスタッフの皆さんには大変感謝しています!あとコントローラーとかを全部つないでくれた中学生、ありがとう~!あれ大変なんだよね。


さて、この企画でまず大切なポイントの1つは

「どんな関係のどんな子が集まってゲームバトルするのか?」

という事前の「参加する子ども集め」の部分です。


たまたま集まった子どもたちに、用意したゲーム機で「ほら自由に遊んでいいよ」というのでも、それはそれなりに楽しむとは思いますが、ゲームは「何をやるか?」だけでなく、「誰とやるか?」がとても面白さや喜びを倍増させます。


だってただゲームするだけなら、家からオンラインで「野良(不特定多数と遊ぶ)」すればいいですからね。 そう、それはマッチングアプリでの恋愛のように。(あ、これいらない?)


今回のゲーム大会の参加者はシン・スクール会員のみんな。一言で言えばそうですが、実はシン・スクールは、ゲーム好きのためのリアルの居場所だけでなく、地域に限定しないオンラインの居場所でもあります。


そのためシン・スクールには、リアルがある東京清瀬の近辺だけでなく、福岡、奈良、滋賀、山形、北海道のほか、さらにフランス、ドイツなど世界にまで会員がいます。





そんなみんなと普段は、ZOOMを通じたりリアルにも集まったりしながら、リアルとオンラインで、学年も関係無く、6歳~高校生までが一緒に遊んでいます。


この6歳と高校生が、男女も、体格も関係無く同じように遊べちゃうってのも、ゲームの魅力ですね。


さて、そんな色んな所に住む様々な子たちが、普段もある程度仲良くなっていたけど、ちょっと実際にも会ったりして同じゲームで遊ぼう!戦おう!と集まったのがこの「ゲーム×キャンプ」でもありました。


だから集まった時には、ボクも含めて、「おーーー!リアル〇〇じゃないか~!」とか、「ヨッシー塾長、こんなに大きいのか!?」などなど、先にデジタルなつながりがあって、会ってみたくなってからリアルと触れ合うというのが多発していました。


この感じもまた、「ゲームの世界をリアルでも」に通じる、今の子たちのリアルへの触れ合い方に思いますね。


そう、だから、実はそんな事前のつながり、遊び、それぞれのキャラやゲームの上手さなんかもある程度知っていた同士や「あの子上手いよね」と聞いてたぐらいの子たちが集まるというだけで、「星空絶叫ゲーム大会」はもう楽しくて仕方が無いのでした。


ただ、もう1つ、この大会が八ヶ岳の森の中で行われた意味、魅力があります。


それは「抑圧からの解放」です。


シン・スクールに集まるのは、好奇心旺盛でゲームが好きな子ばかりですが、その中には日常生活の中では発散しきれない事をゲームの中で楽しんでいる子も多くいます。それは例えば「暴力性」だったり「もっと自由に好き勝手にやりたい」だったり。 小さい頃なら公園で思いきり遊べば良かったものの、段々と成長するにつれて「危ないから」「うるさくしないで」「他の子の迷惑になるから」「壊したら弁償ね」などなど言われて、自由に楽しめなくなり、ゲームの中で存分に楽しむようになります。


しかしそんな「ゲームで遊ぶ」においても、今のご時世や住宅事情においては、「隣の家に聞こえるような大声の雄叫びはダメ」とか、「台パン(台をバンバンする)など、モノにあたったりしてはダメ」などの制限があります。 それは普段のシン・スクールでもある程度あります。


そうした、「ゲームで遊ぶ」においても発生する仕方ない抑圧を、思う存分大声を出したり、叩いても良い台パン専用台をバンバン叩いたりしながら発散できる。そんな「抑圧からの解放」が、今回の「星空絶叫ゲーム大会」の狙いでもありました。


実現への感謝


今回のように、施設を丸々貸し切り状態のようにさせて頂き、近くに他の人々が居ないような中で、さらにどれだけ騒いでも良い屋外にて、軽く提案した台パン専用台まで実際に制作して用意して頂いたこと、そのIRORIAさんの対応の素晴らしさに本当に感謝しています。

今回の「ゲーム×キャンプ」における「星空絶叫ゲーム大会」が大成功したのは、そうしたシン・スクールによる「事前の子どもたち同士のつながり」とIRORIAさんによる「子どもたちの日常の抑圧を解放するための場づくり」が共に相乗効果で、良い組み合わせとなれた事だと思います。


もちろん、この企画以外にも「ゲーム×キャンプ」には、色々な魅力や成功した理由が詰まっていますが、それはまた別の機会にお伝えできたらと思います。


そして何よりも、実はこれらの企画やイベントにおける一番の功労者は、そんな事を考えてやろうとしている人よりも、それを応援して、支えて、つなげてくれた保護者の皆さんです。その応援や支援が無ければ全く何も動き出しませんし、そもそも子どもたちが集まりません。 


「子ども目線、子ども主体」といつも言ってる半分子どものヨッシー塾長は、ついつい保護者の皆様よりも子どもたちのことばかり見てしまいますが、こうして落ち着いて考えてみると、その本気で「子どものために」と考えてくれる姿勢をとても尊敬しています。  多くの教育的なサービスにおいては「子どもの満足よりも、大人の安心」を優先される事が多い中、シン・スクールを支持して応援して頂けることに改めて感謝をお送りしたいと思います。 


いつもありがとうございます。皆さんが大好きです。

これからも「オモシロと学び」の情報や考え方を伝えていきたいのでサポート頂けたら嬉しいです!