「くっつく」性質がウイルス感染やアレルギーに効く

アポラクトフェリンは、ウイルス感染の
予防やアレルギー反応の抑制においても
効果があります。これには
アポラクトフェリンが持つ、近くにある
異物に「くっつきやすい」という性質が
大きく関係しています。
アポラクトフェリンは、近くにウイルスが
いればその尻尾にくっつきますし、
花粉があればその抗原成分
(アレルギーを起こす部分)にくっつきます。

ウイルス自体は生物ではありません。
ウイルスは生物の内部に入り、
細胞に寄生して増殖します。そして、
同じウイルスを作り出し、感染を
拡大させていきます。ところが、
ラクトフェリンと同じ分子量85,000という
大きなアポラクトフェリンが
尻尾にくっついてしまうと、
細胞膜を通り抜けて内部に侵入できません。
アポラクトフェリンがくっついた
ウイルスは、そのまま排泄されます。

現在、世界中で注目されているのが、
アポラクトフェリンのC型肝炎の
予防・治療への応用です。
C型肝炎は「HCV」と呼ばれる
C型肝炎ウイルスに感染して発症しますが、
アポラクトフェリンはHCVにくっつくことで
ウイルスが細胞内に入るのを防ぎます。
この効果は通常のラクトフェリンにも
見られますが、アポラクトフェリンでは
より強い効果が期待できます。

アレルギー反応については、花粉症、
特にスギ花粉やブタクサのアレルギーに
効果があります。現時点では点鼻薬は
ありませんが、アポラクトフェリンの
水溶液をマスクや鼻孔の周囲に
スプレーしたり、ワセリンに混ぜて鼻孔に
塗ったりするだけでも、抗原を体内に
入り込むことを防ぐことができます。


参考文献
井上浩義
『アポラクトフェリンのすべてがわかる本』
アーク出版 2015年 pp.50 - 51

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