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革命はあなたの言葉から生まれる「言語化力」の書評

今日紹介するのは、

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言語化力(三浦崇宏さん著)です。

タイトルにある「革命は言葉から生まれる」は、この本を読んで一番印象的だった内容です。(言葉は若干違いますが)

では、早速内容を見ていきましょう!

三浦崇宏さんって?

The Breakthrough Company GO 代表取締役
博報堂で10年勤めた後、GOを立ちあげる。
雑誌ブレーンにて
・2019年の広告ベスト5
左ききのエレン×朝日新聞powerd by JINS(株式会社GOのプロジェクト)
・2019年を代表する広告
SPUR30周年(株式会社GOのプロジェクト)
・2019年注目のクリエイター
三浦崇宏
と今最も輝きを放つ人の一人です。

言語化力の内容

三浦さんは前から興味を持ってお話しを聞いたり記事を見てたりしていたのですが、そこで感銘を受けた言葉が冒頭に早速ありました。
「悲観は気分、楽観は意志」
これは幸福論をアランの言葉です。これすごい良い言葉ですよね。

こんな感じで興味深い言葉を中心に、本の内容を紹介していきたいと思います。
Life is Contents
これは幻冬舎所属超売れっ子編集者、箕輪厚介さんが三浦さんに言われて意識してる言葉だった気が(記憶違いであればすいません)。
今は誰でも発信できる時代になったので、尚更コンテンツ化する経路が増えているので、この考え方は重宝されますね。

ビジネスをドライブするのは言葉だ
情報のアップデートが早くなった現代では、KPIを追う無力感より言葉で夢を見る方が良いです。
つまり、4000メートル先に行くよりハワイに行くの方が魅力的で、言葉で目的地を定める力が求められます。

革新的なプロダクトは言葉から
僕がタイトルに持ってきたおすすめの言葉です。
現代はテクノロジーがもてはやされるが、それは革新的ニーズ、誰もが望む未来を言語化したからで、そこを鍛える必要があります。

出世が早い奴
会社組織でなんとかなく出世が早い人は成果を正確に伝えることかできていて、それは再現性を上げるために会社に必要な行為です。

仕事の価値を説明する時は、
1.チーム内の自分の役割を説明
2.会社におけるそのプロジェクトの価値を説明
再現可能であることを前提に説明
3.社会におけるその企業(とプロジェクト)の価値を説明する

これで、再現性、個人の成長性ら社会的インパクトを組織に伝えられます。

戦略とは、「戦わないで勝つ方法」
また、「努力しないための努力」をしろと書いてあり、非常に納得感があります。自らが輝きやすい場所探しが大事です。

スタンスを決めろ
自分の絶対に譲れない価値観と理想の社会を自らの言葉にしておくことが大事。この訓練により、急に意見を求められても、どういう方向で話せばいいかポジション取りがしやすいです。

言語化の方法
三浦さんのやり方が紹介されています。
・スタンスをきめる
「自分の社会における立ち位置」と「世の中の動きに対する好き嫌い」
この2つを明確しておきます。
自分のスタンスがあることで、垂直/水平思考をするときの思考の起点になります。

・本質を掴む
要は抽象化ですが、これもやり方が紹介されています。

1. 固有名詞を省く
2. 時系列を無理する
3. 行為と現象の関係性だけ抜き出す

のプロセスを行います。

・感情を見つめる
問題の本質と自らのスタンスを照らし合わせて、そこに湧いた自分の感情をすくいあげます。
そして、その感情の訳を考えます。

・言葉を整える
相手や雰囲気に合わせて、言葉のニュアンスを変えていきます。コツが4つ紹介されていました。

1. 言い方を丁寧にする
2. ネガティヴをポジティブにする
3. 自分の責任にする
4. 可能性を残す

センスの正体は経験と価値判断の蓄積
こと、言語化に関しては読書という経験が大事になります。その他言葉を巧みに使うものへの経験数を増やしていきます。

言葉の因数分解
1行動まで分解して、理由もなぜを問いかけまくります。すると、悩みが悩みでなくなります。
私たちが発する言葉には複数の意味が含意されているので分解が億劫ですが、頑張りましょう。
思考停止ワードをリスト化することで、考えるスタートラインに立てる気がします。

言葉で順位づけ
言葉はいつでも一点豪華主義で、その方が興味を引くし、解像度も上がってきます。だからこそ順位付けは大事です。
そして、自分の中でランクづけ出来たら、次は相手目線verでやってみます。この時、相手がどんなメリットを知ったら行動が変わるか?という視点が大事です。

直感を言葉にするのがビジネス
まず、直感というものは原始的で本質を捉えていることが多いです。しかし、ビジネスはその直感を言葉にして人に伝えなくては始まらないので、直感で思考停止してはいけないです。

質より量
まあ、これはどのビジネス書にも書いてあることです。僕もやっているコピーライティングについても「100個の正解を探ってるんじゃなくて、間違いが間違いであることを確認している」と書いてあって、コピーライティングで量出すことへの納得感がありました。
最初の一案が通ったとしても、100案出すことで最初の一案の正しさが確認できるので安心して世に送り出せます。

自分の言葉じゃなくても引用でいい
この本を読んで思ったのですが、三浦さんも引用をすごいします。
引用するフレーズも、自分という人間が2度とないこの瞬間に発することで必ずオリジナリティが存在するので、無理に自分の言葉を捻り出す必要はありません。三浦さんは名言ノートを作っているらしいです。最近はTwitterに載せて反応をもらって思考を進めているらしいです。

発言フォーマットを使おう
コンサルお馴染みフレーズ「3つあって」と「結論から言うと」です。笑
みんな意気揚々と使っていて気持ち悪かったですが、思考を強制するという目的なら効果的です。
本書では3つ目がどうしてもおもつかないときの例文も載ってました。

「3つ目は、1つ目と2つ目のルールをどんな時も守り抜くことです」
「3つ目は、1つ目と2つ目のルールをいざというときは無視するということです」

パンチラインを生むために
バズる記事内容にするために、三浦さんが気をつけていることは、
・短くてシンプルか?
・意外性があるか?
・学びがあるか?
・明日からすぐやれるか?
らしいです。

さらにより本質的な部分となると、
・視点を上げる
・領域を広げて、一般化して考える
「インスタのDMでモデルがセクハラをされている」を
「実は世の中の女性は生きてるだけで悪意にさらわれている」
と主語から述語まですべての文節を抽象化して文章にすることで、強い言葉になります。
・逆張りする
なんで?と意識を向けられます。パンチラインには大事です。
・ゴールから逆算する
変化の時代における「常識」は「過去」のもの
問題の前提や、世の中の常識を疑う必要があります。「なぜ?」を1行動ごと繰り返していきます。また、職業や肩書さえも新しい言葉に変えて、自分が提供できる価値を伝えた方が良いです。

みんなが知ってるものと並べる
博報堂の最高のキャッチコピーは「電博」であると述べてます。
これ、めっちゃ確かに!ってなりました。
対等みたいな感じですけど実際のスケールは結構電通の方が大きいです。
けど、「電博」という言葉が普及した今、世の中は対等と見ています。
このように、言葉はポジションを変えられます。

情緒はデジタルで表現する
綺麗な夜景よりも100万ドルの夜景とかってことです。むずいっす。笑
あとは、1番になれる場所を探して1番であることを強調するのも効果的です。

人を動かすときの3つのポイント
・目的を明確にすること
・目的に向かうプロセスを明確にすること
ゴールがどれくらい先か示すことができれば人間は頑張れます。
・主語を複数にすること
視点をIからWeに変えて、一緒に取り組む姿勢を見せます。

言葉で相手との関係は変わる
言葉は関係構築だけでなく、関係規定のツールとして使えます。クライアント得意先支援先パートナーとそれぞれ関係が違ってきます。
他にも一言にセンシティブになるのは大事で、その気持ちが敬意にあたります。


マザーテレサの言葉
この本で学んだことはどうつながっていくのか最も端的に表している気がします。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

人生の指針となる言葉を持て
三浦さんを支えてくれた言葉が紹介されています。

・答え合わせはまだ先
良い時も悪い時も、その瞬間がゴールではありません。その瞬間が後に自分に違う結果をもたらすかもしれません。

・まだ始まってもいねえよ
ここからがスタートだと自分を鼓舞しています。

人生の目的を言葉にしよう
少し話は逸れるのですが、パラリンピックは「作品を作るのではなく、現象を起こすのが仕事」を実現した素晴らしいものだなあとこの章を読んで感じました。

ピンチはクイズ
日本を代表するクリエイティブディレクターの佐々木さんの言葉です。なんかどっかで聞いたことはありました。

「リスク」を見つめ直せ
リスクは危機であって、危険(デンジャー)ではありません。危機(リスク)には機会が存在していて、不確定という意味合いの方が強いです。

とこんな感じで、たくさん刺さる言葉が並んでいました。勉強になります。

「言語化力」の感想

とても読みやすいです。やっぱ「言語化力」という本を書くだけあって、1文で分かりやすく記憶に残る言葉が多いです。

言葉って世の中にある全ての事象を説明できるのに、まだ人間は使いこなせていません。つまり、可能性は無限です。しかも時代は変化しつづけるので、今までは疑いなく信じていた言葉の意味も無限に変化していきます。

となったら、言葉の可能性ってテクノロジーよりも無限大だし、他人より使いこなせたら強くね?
そんなことをこの本を読んで感じることが出来ました。

さらに言語化するって、マジ誰にでも出来ます。資格なんていらないし、一人で出来るし、対象も無限にあるし。

そして、自分から出た言語には必ず希少性があります。その価値は、言語がどれだけ本質をついていて、抽象化されていて人に伝わりやすいかで、発揮される可能性が変わってきます。

言葉は、機会もポテンシャルも無限大ということです。

無限な故に情報過多になり、人間は無意識的に思考を停止させて情報を処理していきます。

そこで、思考を停止せず、常識として処理せず、「why」と問い続けることが希少だなと思ったし、向き合っていこうと思いました。