結婚式は魔法の日、でもいつか覚めちゃうよ。
結婚式の準備をはじめると「ご結婚おめでとうございます♡」と声をかけられることが、めちゃくちゃ多くなる。
式場へ行くと「ご結婚おめでとうございます♡」
ドレスショップへ行くと「ご結婚おめでとうございます♡」
クリエイターと会うと「ご結婚おめでとうございます♡」
こんな調子だ。
と言われても、最初は特に何も感じないものだ。「あぁ・・・どうも」と、どちらかというと恥ずかしかったりもする。
でもだんだん言われ続けると、そんな自分はどこかに行ってしまう。人は変わるのだ。あれだけ照れくさそうにしていたはずなのに、慣れた様子で「どうもどうも♪」と会釈するようになる。
これが魔法のはじまりだ。
魔法にかかった二人は、そこからたくさんの準備を進めていく。ドレス、お料理、引出物にさまざまなデザイン。誘惑は尽きない。
当初は「私たちらしいカジュアルで背伸びしすぎていない結婚式にしようね♪」と話していた二人。海外旅行にも行きたいし、いつか来る子育てに向けた貯金もしておきたいからと。
しかし、魔法は着々と二人を侵している。気づいたときには、ある言葉を口にしているだろう。それが「せっかくだから」だ。
せっかくだから、ドレスは2着にしようかな。
せっかくだから、お料理は一番高いコースにしよう。
せっかくだから、余興は私も歌ったりしちゃおうかな。
せっかくだから・・・せっかくだから・・・
魔法は強力だ。なぜなら、この魔法は悪いものでは決してないことを分かっているからだ。
親もできるだけ美しい娘を観たいと願っている。お料理はできるだけ良いものを皆に食べてもらいたいと願っている。こんな風に「せっかくだから」を正当化する理由なんて山ほどある。
かつて目を見合わせて話していた「背伸びしすぎない結婚式にしようね」という言葉が頭をかすめる。でも良いんだ、せっかくなんだから。結婚式は特別な日なんだから、一生に一回なんだから、みんなも良いって言ってくれるもん。
魔法の完成だ。
試しに『10万円のドレス』を見せてみるといい。きっと『え、安いね』とスーパーで80円のコーラを見つけたときみたいなリアクションをすることだろう。
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おふざけはここまで。お付き合いいただいてごめんなさい。
結婚式など、エンゲージメントコンテンツをプロデュースしている松田佳大と申します。
ここまでは「結婚式の魔法」をなんだか「お金に盲目になる悪魔の術」みたいに表現してしまいましたが、決して結婚式を悪く言いたかったわけじゃありません。
むしろ、結婚式の魔法は良いところがたくさんあります。その一つが「愛情の可視化」です。
結婚式当日、100人近くの観客を前に「ご入場です!」なんて司会に煽られながら入場する二人。バックに流れるアゲアゲの入場曲。歩いているだけで「ヒューヒュー!」などと歓声があがり、ステージに上がった瞬間には拍手喝采。生きていてよかったなと、思わず笑みがこぼれてしまう。
こんな感じ。僕も結婚式やりましたけど、入場するだけでボロ泣きでした。「反則だよ〜」とか多分言ってました。愛されているなって感動して。
結婚式って、素敵な装いの二人が、プロの振りで勢いよく登場して、素敵な音楽に乗せて颯爽と歩を進め、ステージにあがって振り向くとスポットライトがバンッ!と、もう演出としては完璧なんですよね。
そこに選りすぐりのドレス、悩みぬいたコンテンツ、文句のない料理があるんだもん。お酒も進み、感情も深まり、いつもなら掛けない愛ある言葉をかけちゃったりもする。
まさに魔法。僕はこの「魔法」をパッケージ化した結婚式というコンテンツは本当にすごいなと思っていますし、もっともっと科学していきたいと思っていたりします(結婚式の仕事をしている理由の一つです)。
でも、同時に向き合わなきゃいけない事実があります。それは、魔法はいつか覚める日がくる、ということです。
あのとき、魔法にかけられながら二人で誓い合った言葉も、ゲストから貰った愛情も、親に初めて伝えた素直な気持ちも、ホクホクのまま一生続いていくわけはありません。
魔法のあの日は、単なるきっかけ。それを持続させられるかは、二人の意識次第なのです。(僕は結婚式の日をきっかけに、親へのLINEをよく返すようになりました)
人生は長いので、時間が経つといろいろな向き合わなきゃいけない問題が発生します。仕事のこと、お金のこと、家庭のこと、将来のこと。意見が合わなくて喧嘩したり、すれ違ったりすることもあります。
そんなとき、あの魔法の中で体験した愛情を活かすことができるか?
利己的になりすぎず、相手を尊重し、愛情をもって接することができるか?できている人もたくさんいると思いつつ(本当にすごいです)、やっぱり簡単ではないと思うのです。
そこで、僕は思いつきます。
「あんな大きい花火みたいな魔法の一日ではなくて、もっと日常に浸透するような、たとえば一年かけて愛情や友情を深めていけるような結婚式も合って良いんじゃないか?」と。
ディズニーランドに行くくらいの値段で、「最近ちょっと夫婦関係良くないな」って思ったら気軽に買えるくらいのライトさで、毎月ふとした時に家に届いてハッとさせてくれるような、そんなもの。
気に入ったら、また忘れてしまいそうな1年後とかにリピート購入できるような、持続する結婚式。
あっても良いんじゃないかって思ったんです。
だから作りました。やっと言えた。嬉しい。ずっと言いたかったんです。今年の春くらいから。
僕はCRAZYのあるメンバーを1人誘って、渋谷のホテルのラウンジで熱く話しました。
「ねぇ、魔法じゃない結婚式つくらない?」と。
たぶん「え?」とポカンとさせたと思いますが、二つ返事で「良いですね」って言ってくれて。その日中にグーグルドキュメントに企画書・・・っぽいお手紙を書いて、ある方にお送りしたのです。
その一部がこんな感じ。
なんともお恥ずかしい話ですが、提案はこれだけでした。アポもなし、資料もなし、ほぼ情熱だけでコラボレーションを依頼。こう見えて32歳のビジネスマンです(どうも)。
しかし、その拙い情熱を真正面から受けてくれて、なんと商品化がまもなく実現となります。
もうお気づきかもしれませんが、僕も大好きな、あのブイブイ言わせている会社(ブランド)とです。
・・・ここまで言っておいて焦らすのか!?と言われちゃいそうですが、今日時点ではここまでの発表に留め、9月のリリースをぜひ楽しみにしていただきたいと思っています。
魔法のような結婚式ではなく、ゆっくりと時間をかけて、日常の中で二人の関係を深めていくという、あたらしい結婚式です。
ちょうど結婚式を検討中!って人にも、もう結婚式は挙げちゃったよ!という人にも、楽しんでもらえるものになると思います!
乞うご期待!お願いします!
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がっつり宣伝(というよりご協力依頼)になってしまいますが・・・。僕は普段こんなふうに「お祝い」や「結婚式」をもっと面白く、意味のあるものにしたいと思考を深めています。
その頭にある内容を詰め込んだ「書籍出版」のチャンスをいただき、現在クラウドファンディングに挑戦中です!
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