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【Retty】他のグルメサービスにはない独自の強みとは?(書き起こし)2/3

※本記事は、下記動画の書き起こし記事となっています。

吉田:それではここからは、実際の業績実績であったり御社の強みがどこにあるのかといったところを深堀りしていきたいと思うのですが、まずは直近の業績について簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか。

奥田 健太氏(以下、奥田):直近の業績については、こちらも開示している情報にはなるのですが、いわゆるコロナの影響を受ける前までは非常に順調に成長していた一方で、やはりこの2年ほどコロナの影響を受けてからはいわゆる対面業界が大きくダメージを受けていて、我々も売上としてはやや下がっておりますし、有料お店会員数も少し下がってしまっている状況ではあります。

吉田:やはりそうなんですね。

御社は売上高のKPIを開示していますが、基本的には新規の有料会員数が増えていけばいくほど有料店舗数も増えていくし、解約率が下がれば店舗数も増えるという状況になっていると思います。
ただこれがコロナ禍で解約率も少し上がって新規獲得もどうしても難しくなってきて、有料お店会員数の伸びが鈍化しているという感じでしょうか。

奥田:まさにおっしゃっていただいたような形になっています。なので我々としてはこの有料店舗数をいかに増やしていくかというのが一番重要なところになってきています。
スライドにも書いている通り、コロナ前は月500件ぐらいの新しい飲食店さんに参画いただくというところが標準の水準だったのですが、やはり緊急事態宣言ですとかいろんな影響によって300件ぐらい落ち込んでしまっていて、同時に、解約率もそこまで大きくスパイクしているわけではないのですが、やはりやや上がってはいるので、そこの合わせ技で有料店舗数がなかなか純増にならないというところが足元の状況ではありました。

吉田:大体、新規で参画される店舗数が500〜600になってくると、純増になっていくっていう理解でよろしいですか。

奥田:そうですね。そういったイメージを持っていただければなと思っています。直近は何とかこの業界も少しずつ明るくなってはきているので、そういった業界の回復や成長というのは我々もしっかり取り込んでいきたいなと思っております。

吉田:ようやくコロナも落ち着いてきて飲食店もかなり客足が戻ってきているので、御社にとっては追い風ということですよね。

奥田:そうですね。

吉田:ちなみにこれは少し細かいところなんですけど、このARPUの下の箇所を見てみると「店舗販売価格ベース」と「PL計上ベース」というのがあるのですが、こちらの違いは何でしょうか?

奥田:少しテクニカルな話にはなってしまうんですけど、我々が飲食店さんにサービスを提供する際に、直販という形で我々どもが自前で販売しているものもあれば、代理店さんにお願いして販売しているものもあります。その中で当然代理店さんには手数料をお支払いしているのですが、その代理店の中にも2種類あって、1つはいわゆる専売の代理店、つまりもっぱら我々の商品のみを売っていただいている代理店さんと、併売の代理店と言われる当社以外の商品も取り扱っている代理店さんが存在します。

その中で、会計上の売上計上の方法が違ってきています。専売代理店さんの場合は、代理店売上をそのまま売上計上して委託手数料を売上原価として計上していますが、併売代理店さんの場合は、代理店売上から委託手数料を差し引いた金額を売上として計上しています。要は、専売の場合はグロスで計上、併売の場合はネットで計上しているということです。

なので、「店舗販売価格ベース」というのは、実際に飲食店に売られている価格ベースでの単価で、「PL計上ベース」は、手数料が引かれた状態で売上計上されるものも含まれた平均値となっています。故に、PL計上ベースが店舗販売価格ベースよりも少し低くなっているということです。

吉田:直販と代理店の売上比率は概ねどれくらいなのでしょうか?

奥田:今の所、代理店が6〜7割で、直販が3割ぐらいというような比率になってます。

吉田:今後はいずれの販路でも拡販に力を入れていくということですね。

奥田:はい。どちらの販売網も規模をできるだけ大きくしていって、新規で参画していただく飲食店さんの数を増やしていくということがやはり大きな成長ドライバーになるので、両方とも力を入れて伸ばしていきたいなと思ってます。

吉田:ちなみに、御社は決算説明資料の中で限界利益率の推移を開示されているのが少し特徴的だなと思ったのですが、こちらを開示されている意図をお伺いしてもよろしいですか。

奥田:いわゆるB to Cのサービスの場合、広告宣伝費を払ってエンドユーザーをどんどん獲得してくるようなモデルもあったりすると思いますが、弊社のビジネスモデルでいうと、ユーザーを獲得するのにほとんど広告を打つことなくユーザーを増やしてくることができました。その結果、限界利益率が高い状態で飲食店数を増やしていくことができたので、そこを強調したいという思いもあってこういった書き方にさせていただいています。最近は赤字になっているものの、平常時においては非常に黒字化しやすい収益構造ではあったということです。

吉田:つまり、有料課金の店舗数が純増して売上が伸びれば、限界利益も大きくなって固定費は比較的容易に回収できるモデルだから、成長時においては営業利益が黒字化しやすくなるということですね。実際過去も黒字化していたと。

奥田:そうですね。はい。

吉田:今は投資以外のコストコントロールっていうのはちゃんと効いているという状態で理解してよろしいですか?

奥田:そうですね。コロナ禍にも何度もこのコストの引き締めは行っているので、かなり筋肉質にコストコントロールはできているのかなと思います。一方で成長のための投資は、そことは切り分けて大胆に行っているという状況になっています。

吉田:ありがとうございます。最初に少し申し上げたとおり、グルメプラットフォームは既にいくつか存在している状況だと思うのですが、御社にとってそういった競合の存在がどういった影響を与えるのか、その競合に対してどのように考えられているのか?ということをお伺いしてもよろしいでしょうか。

奥田:実はそこまで競合とバッティングしているという感覚は強くなくて、というのも、飲食店さんがグルメサービスを使う場合に複数のサービスを併用されている場合が非常に多いのです。

有料で飲食店さんがこういったグルメサービスをどれぐらい使っているのかというサーベイをした結果、どこかのグルメサービスを有料で使っているという飲食店さんにおいて、7割は2媒体や3媒体、場合によっては4媒体といった複数媒体を使って集客をしているということが分かっています。我々も実は、何もグループサービスを使っていないお客さんに入っていただくよりは、もう既に他のグルメサービスを使っていただいてる飲食店さんに入っていただく方が参画していただきやすいということもあったりします。

吉田:併用率70%って書かれているのは、無料ではなく有料サービスの併用でこの数字になってるということだったんですね。
ちなみに、先ほど「競合はそこまで意識していない」とおっしゃっていたと思うのですが、他のグルメプラットフォームサービスと比較したときに御社にはどのような強みや特徴があったりするのでしょうか。例えば実名制という特徴が、どのような強みにつながっているのか等をお聞かせいただいてもよろしいですか?

奥田:飲食店さんに送客しているというビジネスモデルにおいて他のグルメサービスさんと何か明らかな違いがあるというわけではないのですが、一方でどのようなお客さんを送れているのか、どういうマッチングを実現しているか、みたいなところにはこだわっていきたいなと思っています。
点数やランキングではなくて、いわゆる人の評価と人のおすすめによって、自分に合うお店を見つけていただいて、その方がそのお店に行っていただくというサービスなので、これは飲食店の側から見ていただくと、自分のお店の良さを理解していただいている方に来てもらえるということになるので、何人送れるかという「量」だけではなくて、どういう方が送れて、結局その人が常連さんになってくれたり、いろんな方におすすめしたりしてくれれば、ただ1回お客さんが来てくれることよりも飲食店にとってかなり価値のあることだと思っています。なので、そこの送客の質に拘れるようなサービス設計にしているところも強みのひとつだと言えると思います。

あと、ユーザー同士のコミュニティの熱量の高さというのは、私が見ていてもすごいものがあるなと感じます。やはり偏愛というか、本当に飲食が大好きでとか、このお店が大好きで、応援したくてというユーザーさんが沢山いて、その方々が口コミを書いたり、ネット上ではなくても色んなところで、「あの店よかったよ」みたいなことを伝搬してくれています。これによって、そのお店のファンベースを作っていく、顧客基盤、顧客コミュニティを作っていく過程の一助になっていると思いますし、もっともっとそういうところで弊社としても力を発揮していきたいなと思っています。

吉田:確かに、Rettyは他のグルメサービスと比べて熱量が高いユーザーが多そうなイメージはありますよね。
あと、別角度からなんですけど、御社の組織的な強さみたいなところはあったりするのでしょうか。例えば社員のエンゲージメントが非常に高いとか、そういった部分で強みがあれば教えてください。

奥田:それでいうと、やはり社員の多くが飲食が大好きであったりとか、外食にこだわりがある人が多くて、社員がみんな自社のサービスのヘビーユーザーになっています。そうなってくると、結局「仕事だからやってる」という側面だけではなくて、「自分が好きだからやっている」とか「自分の趣味の一環として仕事を捉えてやっている」みたいな部分もあるので、社員によるプロダクトに関する気づきのレベルやアンテナが高くなっています。そういったサービス開発における強みというのはまず一つあるかなと思います。

あともう一つは、まさに創業から直近まで掲げていた「食を通じて世界中の人々をハッピーに」というビジョンによって、良い人材を巻き込めているということですかね。何かを通じて人々をハッピーしようとしている人間がギスギスした感じで働いたりしたら、それはちょっと本末転倒ですよね。なので、弊社としても、仕事のパフォーマンスは当然徹底して求める一方で、働いている人間が人として尊敬したり、されたりしながら、気持ちよく働ける組織風土を作っていこうということは創業以来一貫してやっていて、それが一定程度評価をされて、良い方々に入っていただけているという実感はかなりあります。

(続く。次回は、Rettyの今後の成長戦略について深掘りしていきます!!)

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