奥田さんとの思い出を語ろう|つくるのいえのこと
奥田さんありがとうの会まであと少し。せっかくなので少し思い出を深堀りしようと思います。テキストベースでは個人のインスタに投稿していますが、写真も織り交ぜつつ。
「つくるのいえ」は2018年に奥田さんが八王子につくった”ものづくりとものづくりを結ぶ”場。奥田さんが全国各地を旅する中で、産業の実情と地域のまちづくりの事例をみながら(きっと)考えたであろうコンセプトを具現化するべくつくった場所です。
最初に訪れたのはオープニングの奥田塾の展示でした。プリントの布の展示会にもかかわらず、デザインはもちろん技法の奥深さが詰まっていました。染めでなぜこんなにテクスチャーが出るのか不思議なくらい。会場構成も貼ってあるテキストにも奥田節が全開で、表現者としての熱量が宿っていました。
それを見てから一緒にやりたいと思って、相談したのがtel youとの企画「なつの装い」でした。期間中には、それに抱き合わせる形で「0041Walk」というイベントも。このときは八王子にどっぷりで、つくるのいえにも何度も泊まらせてもらいました。
なつの装いは、北杜に同じタイミングで移住したtel youのミエさんを奥田さんに紹介したくて企画した展示。ミエさんと、彼女を紹介してくれたmitome tsukasaさんを中心に、北杜市のカレー屋サーカス、カメリアニコティー、露月、高尾のnew way,new lifeをお招きして行った展示会。
0041walkは、同じタイミングでMICHIO OKAMOTOの岡本さんがつないでくれたイベント。郵便番号が0041の中野上町のさまざまな個店を訪ね歩く、というちょっと尖った企画。MAPをつくって、お店の紹介をして、毎日のようにあーだこーだとやりました。これを一緒にやってくれた三島さんとは同い年だったこともあって仲良くなりました。
なかなか自分の中でも正解を見い出せていない時期で、どうなんだろうかと探りながらやっていました。それでも、八王子の人たちの後押しもあって、形にさせてもらった貴重な思い出です。
あれこれ巻き込んで拡げていく台風のような奥田さん。そのご縁もあっていろんな人とたくさん知り合いました。こだわりが強かったり、情に厚かったり、ジェットコースターのようで、ちょっととっちらかりがちながらも、それを放っておけない人たちにいつも囲まれていました。そういう人たちが集い、”つくる”につながる何かがいつも漂っていたのがつくるのいえだったと思います。
デザインを大事にする、とか、コミュニティを作るみたいなことは、たしかにその通りで、自分としても常に心がけていたい部分でもあります。けれど、深い課題を解決するには表面をなぞるのではなく、見えないところまで深く踏み込んでいく必要があり、それはとても勇気のいる作業です。ぼくはそこに踏み込んでいく人たちを心から尊敬します。