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柑橘加工場をつくる

皆さまこんにちは。よーそろの井上明です。
昨年になりますが、港町長屋染初というシェアハウスをつくり、あまりにも広いので一角を食品加工場(食品製造、菓子製造許可)として整えました。

今までカフェの開業許可に必要な飲食一類の営業許可は実に5店舗取ってきましたが、食品製造業としての施設整備許可は今回が初めてでした。なぜ食品製造業をするに至ったかを書いていこうと思います。

シェアハウス開業からの苦難

シェアハウスをつくったのは2018年。7月は西日本豪雨災害に合い、このとびしま海道も数か所土砂崩れで通行止めになりました。尋常でない雨が降るとのことだったので、その日の夕方前に御手洗入りし待機しておりました。まさかこんなことになるとは。完全に離島状態となり、私的にはいつものごとくという感じではありますが、どこにも出れず御手洗にずっといることになります。

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7月8月に入っていたゲストハウスの予約は全てキャンセルになり、当然カフェ、物販部門の来客もないので閉めることになります。それ以上に呉市内は断水に合い、近隣の安浦や天応地区はもっと大変なことになりました。

私たちは今まで他の地域でもお店をつくってくれと言われたこともありましたが、私がキックボードで動ける直径500m内での”超地域限定商い”主義なので御手洗以外にお店はなくその生き死にも御手洗と共にあります。
今回のように道路が分断されて来客が無くなれば終了になります。。

それでもなんとか耐えうる事業形態にしているためかろうじて乗り切ることができましたが、その年はかなり売上を落とし、立て続けにそのような状況を食らえば即倒産という状況でした。

そういった危機的状況を回避するためにも、御手洗にたとえ来れなくても収益を生む事業が必要でした。それが加工場をつくった大きな理由の1つです。

あるものを活かす

また、以前から御手洗にある仕出し屋さんから「もう事業をしないのでよかったら機械を使ってくれないか」とお話を頂いていました。大きな業務用の冷蔵冷凍庫が合わせて3台、8連式のガスコンロ、1週間しかつかっていないという業務用エアコン、コンベクションオーブン、フライヤーなど。(当然使えないものの処分費や運搬費、工事費も大きな費用がかかりましたが)
それらの活用も加工場づくりの2つ目の理由でした。

そして、ゲストハウス醫のBARスペースでご当地柑橘シロップを使った季節限定かき氷もなかなかの評判で、シロップの販売はないかとお客さんからの要望も多くありました。

それらの理由から「よしつくろう!」となったわけです。

水道工事と電気工事は御手洗の専門業者にお任せしましたが、天井はりや壁の石膏ボードはり、換気扇も製作所にオリジナルのものをお願いし、何人かで大きな業務用換気扇を取り付ける作業も行いました。

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生傷用も含めてジュース用として安い価格の傷物柑橘をそれ以上の値段で農家さんから直接買わせてもらいせっせと捌きます。

生れる新商品の数々

一番初めにつくった商品はこれ。
黄金瓶詰(こがねびんづめ)シリーズ。

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ゲストハウスの番頭を務めるうちのエース、矢野工場長(通称やのっち)が丹精こめてつくったかき氷シロップ。種類は不知火(デコポン)、八朔、はるみ、はるか。ブランデーと白ワインをふんだんに使い煮込んだコクのある大人シロップです。

この島は明治時代から柑橘の一大産地となり、降水量の少なさ、急傾斜に加えて石組みの段々畑、天と海から照り返す2つ太陽とみかんづくりにもっとも適した土壌成分という恵まれた風土が極上の柑橘を生み出します。

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島中みかん畑が天にも至る。ここは黄金の島(こがねのしま)と言われていました。その美味しさを存分に生かしギュッと瓶詰した商品として”黄金瓶詰”(こがねびんづめ)シリーズを出しました。

カラマダリンや大長レモンアップル(リンゴはうちの実家の隣で庄原のリンゴ園を営む農家さんから)はプレミアムとして販売。

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業務用のスライサー、大きな柑橘用の乾燥機を導入し、ドライフルーツも製造。本日製作したドライフルーツはせとかとはるか。
はるかはなんと、”天ぷら”が超美味しいんです!ぜひお試しあれ。

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瓶詰羊羹もつくりました。
商品名は”黄金瓶詰 レモン”。香りの良いさっぱり大長レモンの皮をたっぷりつかい白餡と砂糖、藻塩で仕上げる矢野工場長自信作。

90年以上の歴史をもつ大長の福島福栄堂さんのレモン羊羹がつい2年ほど前に生産中止になりました。観光に来るお客さん、地元の皆さんにも親しまれていた羊羹がなくなったことはとても残念でした。私たちはレモン羊羹をとてもたくさん販売させていただき、今でもリスペクトしています。なのでレモン羊羹というネーミングは当然使わず、瓶詰として味もオリジナルに仕上げました。ひと瓶ぺろっと食べてしまうほど爽やかでさっぱりな仕上がりに。(本日新聞社の取材を受けましたので、近々紙面に登場するかも)

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まだまだ駆け出しですが色々な商品づくりにチャレンジしています。

昨年Uターンした元パティシエの女性がレモンカードをつくってくれました。卵などの素材や分量を幾度と変え、大長レモン感がはっきりした、それでいてバターの濃厚なコクがいきるレモンカードの試作品も出来上がりました。私たちにはできない新しい商品が次々と生まれていきそうです。
4月頃には発売予定。こうご期待!


今、シェアハウス港町長屋染初も空きが出ています。家賃23000円+光熱費3000円で週末御手洗暮らし、週末起業もできます。
加工場での商品づくりコラボやDIY作業場での商品づくりなどなど、新しい暮らし方、働き方をつくりたい人、自分の商いにチャレンジしたい人に幾つかご提案できることがあります。早い者勝ちになりますが、私たちと共に何かにチャレンジしたい方はぜひ。

副業できない人も収益を何らかの形で返せるように柔軟に考えていきますので興味ある方はぜひご相談ください。

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それではまた。
よーそろー。



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