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ポイ活を断捨離して 森を育てる

私は生命保険が苦手だ。
人が亡くなると、遺族にお金が入ってくる。普段みたこともない大金だ。

保険に入った働き盛りのお父さん(お母さん)はこういう。
『これで、いつ死んでもいい』と。

どうして、死んでもいい、場合によっては死んだほうが得、などという発想を受け入れられるのか、生来の性格からか、どうにもわからない。

これは一昨年他界された、文学者、エッセイストの外山滋比古さんの言葉(意訳)です。

保険について私は素人なので、その良し悪しは多くは語らないでおきます。

ただ、彼のこの文章を読んだときは、とても強い印象を受けました。
一見人生にとって悪いことを、お金をかけておくことで、生活の悪化を防ぐ(保全する)。むしろ、その方が良い時もある。

これって自然かな?
歴史あるビジネスモデルに価値観からそっくり丸ごと絡みとられていないかな?と心配になるときがあります。

クレジットカードを見直します

さて、保険の話題から始めたのですが、実は今日の話題は、保険ではありません。クレジットカードです。

最近ちょっとおもしろいクレジットカードを契約したので、それを紹介しようと思い、noteに書き始めたのでした。

多くの方のお財布に入っているクレジットカード。
ほとんどのカードは、利用するとその一部がポイントとして還元されます。
溜まったポイントは、商品に交換したり、支払の補填をしたりと、使い方は様々。
一様にいえることは、「支出するほど、得になる」という性質があるということです。

これはクレジット発行会社からしたら望ましい流れというのは間違いありません。
お金を使うほど、支払先のお店から、支払い手数料を受け取ることができるからです。

モノを買ってもらうほど、(その手数料で)儲かる。だから、もっとお金を使ってほしい。

もっと有名な取り寄せスイーツを
もっと高速のスマートフォンを
もっと最先端の流行服を 

もっと、もっと、もっと。

大量生産大量消費社会にピッタリな支払いツールです。


しかし、ご存知の通り、その社会モデルに継続性がないことも巷で少しずつ認められてきました。
10年前に行われた、ムヒカ元ウルグアイ大統領の演説、忘れられません。

「今の地球に、私たちの生活を支え続ける力はありません。」

消費するほど良い?
無駄な支出は抑えるべきなのに、抑えないほうが得になる?

冒頭の保険と同じです。

頭では、自分の価値観からはちょっとおかしいな?と思っているけれど、仕組みに流されて、自分の判断がずれていないだろうか。
こんな心配が頭をよぎります。

そこで、心配を少しでも減らそうと、クレジットカードを見直すことにしました。

頭で理解している価値観と、生活スタイルをそろえようとしたのです。いわば、言行一致です。

今まで)お金をつかう→お金が減る→でも○○ポイントがたくさんもらえてお得!

これから)お金をつかう→お金が減る→(これで終わり)

一言でいうなら、損して得とれ、です。
というのはこういう時に使う言葉なのか?すこし使い方に疑問が残りますが、ニュアンスは伝わるでしょうか。

初見では、ポイントがもらえずに損しているように見えます。
しかしその実、外から刺激されて消費(浪費)可能性が今よりも少なくなります。

結果、無駄な買い物が減り、部屋には本当に必要なものだけになる。
さらに、環境面から資源の浪費も防ぐことができます。

継続する社会は、こうした価値観のシフトチェンジが大きな原動力になる気がしています。

とはいえ、、、話はかんたんに終わりません。

クレジットカード無しでは、生活そのものに支障をきたす、というのも事実だからです。
不便ではなく、支障のレベルです。

大手金融会社が全力で推し進めている仕組みだけに、社会で生きる上で、この信用貸しシステムを完全に手放すのは難しくなっています。

以前スマートフォンの使い方でも書いたように、有意義な時間を損なわない程度の、付き合い方、が難しいですね。

例えば、スマホの支払い、その中でも格安スマホは「クレジット払い」でしか申し込めませんでした。
業者も、未払いを防ぎたい、取り立てるコストを減らしたいという目的が強いのです。

そういったわけで、クレジットを全部解約することはあきらました。

そして、
「ほんとうは控えたい。しかし、使わざるおえないとしたら、どのクレジットカードが良いだろうか」探してみました。

要点は、消費を刺激しないこと。
つまり個人的に得ではないカードです。


ゼロがいい、ゼロになろう

ありました。オリコが発行している、ラブ・ジ・アースカードです。

このカードの特徴は、とにかく得しないこと。
ポイント還元は世にも珍しい0%です。

支払いのときに現金の代りにちょっと支払いが早い程度です。
勢い、ポイントが無いので、その使い方を思案する選択肢もなくなります。0です。
ない袖は触れぬとばかり、思考がシンプルになります。

そして、これがちょっとうれしいおまけですが、使った分に応じて、一定額が植樹などの環境保全活動に自動的に寄付されます。

使うほど、環境への寄付金が増えるという仕組み。
幸いなことに直接的な消費刺激にはつながっていないので気に入っています。


お手元にあるプラスチックカード1枚。
サイズは小さいですが、侮るなかれ。
下手なSDGsのアクションよりも、自分のライフスタイルと、地球を守る最善手になるかもしれません。


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