1日の大半が作品作りから工場作業になってしまった
場所はいつもの居酒屋。
私の前には同僚の菅野(すがの)がいる。お互いに酒に目がないので、仕事帰りの一杯は格別だ。
その菅野が目の前のハイボールに焦点を合わせながら愚痴を始める。
「困ったもんだ。」
「何が?」
私が聞くと、彼は額に手を当てながら、のどを鳴らす。警報ブザーの物まねかな?
「もの覚えが悪い。先月から担当の仕事を引き渡しているんだけど、彼らがなかなか覚えてくれない。使うのはいつもの売上データだけなのに。
データの加工といったって、Excelを知っていれば数分