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#13語用の問題?誤用の問題?

神奈川県の横浜でパーソナルスタイリストをしています、Caoliです。
パーソナルスタイル=おひとりおひとりへの「似合う」のご提案をしています。

「語用」という言葉は私が学生時代に専攻した「言語学」の1分野を指します。

きゅっとまとめると「言い方」の学問かな。
言葉を使うシチュエーション、文脈、背景によって辞書的な意味とは違う意味が付加される。その内容や条件を研究整理している学問分野です。

イメコンの結果に「似合う」という語を充てたのは果たして正確なのか?というのが今回のトピックです。
「似合う」の辞書的意味は「視覚的に複数要素の構成が魅力的である」といったところでしょうか。

「服飾アイテムと、それを纏う人を視覚的に引き立てる」と、考えれば辞書的「似合う」には含まれています。
決して「似合う」の誤用ではないのです。

ですがイメコン診断の「似合う」はなんだか四角定規な、ある種の押し付けがましさを感じてしまうのは私だけでしょうか。
「骨格ストレートはパリッとした素材のキレイめアイテムがお似合い」は間違ってないんですよ。それは事実だと思うし、体感的にも実感しています。
いくらカジュアルが得意な子供顔でも、ウォッシュの効いたデニムがカジュアル方向へ引っ張る吸引力には抵抗を示したくなるのがストレートだと思います。
そして抵抗しているということはウォッシュドジーンズをストレートの私が着ているということであり、着るのを諦めるほど似合わないとも思っていないということです。

「似合わなくない」=「似合う」なのかというと、それも全然違います。
「私に似合う」と感じているアイテムは、主役に据えれば1人で9回を投げ切るエースピッチャーにもなってくれるし、何味を足せばいいのか迷宮入りした料理に加える顆粒だしのような、必殺技であり敗北宣言でもあるような存在です。
では「似合わなくない」ウォッシュドジーンズにその力があるかといえば、全然ありません。むしろコーデ全体の雰囲気づくりはしてくれるけれど、戦力にはならない応援団長や前座、あるいは調和というかパワープレイでとりあえずまとめに来るカレーパウダーです。

イメコン的似合うは、この「似合わなくない」をどうにも取りこぼしている気がするのです。
似合うアイテムかどうかではなくて、似合わなくないアイテムへの「抵抗の仕方」をお伝えしたいんだよなぁ。
でもこれは十人十色、千差万別。数値的にはほぼ同一人物の一卵性きょうだいでも、マインドが違えば着地点が違うのでルートやレシピも違ってしまうわけです。
これを当てずっぽうペルソナでSNS発信するのはとても難しい。

「似合う色」「似合う服」という語彙のチョイスが窮屈さの源なのか、「似合わない」という言葉のネガティブなニュアンスが強すぎるのか、あるいは適切に言い換えられる語彙があるのか。結局のところ結論はありません。
でも何かハマる言い回しがないかなと考えることは有益だと思うので、考えますね。というお話でした。

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