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僕の音楽体験 vol.3 イエローマジックオーケストラ Rydeen

僕の音楽体験 vol.3  イエローマジックオーケストラ Rydeen

備忘録としての自分が触れて影響を受けてきた音楽を綴っていきます。(順番は年代順ではありません)

中学二年生の頃にはじめたロックバンド。最初はフォークギター仲間として仲良くなった悪友にそそのかされてロックバンドをやることに、そしてその悪友に乗せられてエレキギターを買ったものの、ギターは担当させてもらえずベース担当に。詳しい話はまた別で。

その頃、新しいコンピューターミュージックというものが出はじめたらしいと話題に。
当時、当然ネットもないので情報は少なく、音楽雑誌もまだ限られており、ラジオでたまに先進的なものをかける番組があったくらい。
ところが、なんだかロックとは違う(まだジャズやクロスオーバーの存在を知らなかった)ピコピコとした無機質な音楽を時折耳にするようになりました。
それがイエローマジックオーケストラ(以後YMOと記す)でした。
当然、龍一さん、細野さん、ユキヒロさんのことも知らず、最初は機械が人間にとってかわって演奏している非人間的な面白い音楽と思っていました。
しかも格好がロックバントとは違い、なんだかかっこ悪いような。
ところが、エアチェックした(当時はみんなラジオ番組を録音して聴いていた)YMOを聴いて行くうちに不思議なことに気づきました。
なんだか使っている和音がロックと違う。
歌謡曲とも違う。その頃台頭してきたニューミュージックとも、なんだか違う気がする。
そうなんです。ジャズっぽいのです。

当時は音楽教育も受けていなく知識もなかったので、なんとなくとしか表現できませんが、
和音の色彩が、複雑で深い何か知らない宇宙の星を眺めているような
そんな不思議な感覚を刺激してくれるのです。
あとで龍一さんが教授と呼ばれる所以である芸大卒だったことを知ったり
先進的な音楽活動をしていた細野さん、ユキヒロさんだったことを知り
ようやく合点がいったのですが
彼らの凄いところは、そんなバックボーンみたいなものを全然意識させずに
ただ不思議な東洋人が作り出す、魔法の未来の音楽というものを演じきってしまったことです。

中学3年生になる時に父の会社が潰れて、家を出なくてはならなくなり、学校も転校を余儀なくされたのですが
転校先の中学校でもすぐにバンド仲間に入れてもらえました。
バンドの力ってすごい!人種を乗り越えることができる!
ということを実感したのはこの時が初めてでした。
何しろ、自分にとって他の町に行くことは外国に行く事と同じくらいセンセーショナルで、その町にいる人々は外国人と同様に思えたのですから。

そのバンド仲間の一人がなぜだか最新のシンセサイザー、アープのオデッセイを所持しており(当時とっても高級で最上機であった)
それを使ってYMOみたいなのをやろうということになって活動。
しかし中学生の知識と統一性の無さから、レパートリーはなぜかビリー・ジョエル、野口五郎、沢田研二など、 YMOの要素は微塵もない、かなりとっちらかったバンドだった気がします。
それでも、キダタローさんのラジオ番組に出演したり、ロッキンFという雑誌のバンドコンテストの最終予選まで残ったりと、なぜだかアクティブで目に付くだったような記憶があります。
みんなで手探りで探したYMOサウンド。
その後、少しずつ、解明していき、徐々にテクノサウンドが生み出せていったのに、少年ながら随分と興奮しました。自分たちで音楽を解明していく楽しみを見つけたのは、その後の音楽家としての礎を築けたかもしれません。

https://music.apple.com/jp/album/rydeen/1177910823?i=1177910938

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