愛しのジャパニーズスパゲッティ
昔からスパゲッティが好きだ。
いい感じのイタリアンで食べる本格パスタも好きだけど
住宅街とかでチェーン展開しているお店の
カジュアルで日本らしいスパゲッティが好きだ。
地元の駅前にあるイタリアン「オリーブの木」は
小学生の頃からクラスメイトと好きなスパゲッティで盛り上がったし
(私はほうれん草とベーコンがたっぷり入った”ポパイ”)、
高校生のときテスト終わりの打ち上げランチに行くのは
毎度自由が丘の「タパス&タパス」だった。
あさりとカイワレ大根がどっさりのタパス風スパゲティは
自宅でマネするほどずっと好きだ。
大学時代は授業の合間に「ポポラマーマ」のバジリコスパゲッティを死ぬほど食べたし、会社の近くにある「すぱじろう」の男らしいスパゲッティもたまに食べたくなる。「壁の穴」はちょっとお高めだけどたらこスパゲッティはさすがのおいしさで、しらすをトッピングすれば娘もフォークが止まらない。
スパゲッティといえば、
義理の母はスポーツ関係の仕事をしていて
イタリアから遠征した女性選手団のお世話をしたとき。
食事はもちろんパスタがいいだろうと
トマトソース、クリームソース、オイルベース、と
毎食あの手この手で出していたところ、
ある日選手の一人が申し訳なさそうに
「なにも味をつけていない茹でただけのパスタを出してほしい」と言ってきた。
言われた通りに出してみたら、選手たちは喜んで
持参したオリーブオイルや塩や生ハムを
皿の上でクルクルと上手に組み合わせて
オリジナルのパスタを作って食べていたそう。
イタリア人にとってパスタは
日本人の米と一緒なのだと思う。
自分が米が主食だからと、他国で毎食炊き込みごはん、チキンライス、カレーピラフを出してもらったらどうだろう。
そりゃ白いごはん食べたくなるわな、と妙に納得してしまう。
海苔と醤油、塩昆布やゆかりで白いごはんを食べたい。
国によってそれぞれの食文化があって
同じ素材でも食べ方もそれぞれ。
きっと仮に私がイタリアに住んでも、
毎日本場のパスタじゃなくて
自宅でジャパニーズスパゲッティを作って食べるのだろう。