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【百年ニュース】1921(大正10)5月28日(土) 日本に滞在中の盲目のロシア人童話作家ヴァスィリー・エロシェンコに,内務省より国外退去命令が発せられる。2年前に共産主義宣伝によりインドを追放され上海経由来日。日本でも社会主義同盟大会出席などの行動が危険視されていた。

日本に滞在中の盲目のロシア人童話作家ヴァスィリー・エロシェンコに、内務省より国外退去命令が発せられました。エロシェンコは2年前にインドで共産主義宣伝のかどで追放命令が出され、上海経由で来日しましたが、日本でも社会主義同盟大会に出席する等の行動が危険視されており、5月1日のメーデーでも逮捕されたばかりでした。

エロシェンコは新宿中村屋で匿われており、日本滞在中は秋田雨雀,江口渙、神近市子ら文化人と交流し,進歩的な文学者の間では高い知名度がありました。

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相馬黒光とエロシェンコ

江口渙

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神近市子

エロシェンコの童話に「せまい檻」というものがあります。動物園の檻の中にいた虎が抜け出して故郷のインドの森に帰る話。虎は国王ラジヤの別荘で目にしたラジヤの201人目の妻である「鹿に似た女」を気に入りました。女をおりから解き放つため、虎は国王のラジヤを殺してしまうという結末です。来日する前のエロシェンコはインドに滞在し、国外追放となって上海経由来日しました。エロシェンコの童話の着想にインドがあるのはそのような事業によるものです。

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