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読書日記 エッセイ ルポ

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エッセイやルポを紹介しています。
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記事一覧

「すばらしい暗闇世界」 椎名誠 著 新潮文庫

現代の日本の夜は明るすぎです。欧米は、間接照明が多いので、家の中は、日本より暗いです。 …

向後善之
3週間前
1

「みみずくは黄昏に飛び立つ」 川上未映子 村上春樹著 新潮社

聞き手が川上未映子さん、語り手が村上春樹さんです。こりゃぁ、読まなきゃと思って買ったので…

向後善之
5か月前
1

「人間通の名言」近藤勝重 著 幻冬舎新書

2024年5月に亡くなった名編集者の近藤勝重さんの、名言にまつわるエッセイ。 「生きるために…

向後善之
1か月前
5

「熔ける」 井川意高 著 幻冬舎文庫

全ての事象に揺らぎがある。その揺らぎが、いつどんな形でどんな大きさで起こるのかは、誰にも…

向後善之
1か月前
1

「森の文学館」 和田博文 編 ちくま文庫

森をテーマにした小説やエッセイを集めた不思議な本。 村田沙耶香、倉本聰、宮沢賢治、多和田…

向後善之
1か月前
2

「ほのぼのお徒歩日記」 宮部みゆき 著 新潮文庫

宮部みゆきさんの小説以外の初めての本。最初に出た平成版にその25年後の令和版を加えて文庫化…

向後善之
1か月前
2

「キャパの十字架」 沢木耕太郎著 文春文庫

ロバート・キャパは、おそらく最も有名な戦場カメラマンでしょう。しかし、彼の最高傑作と言われるスペイン内戦時に撮られた「崩れ落ちる兵士」については、やらせではないか?という疑問が当初から囁かれていました。沢木耕太郎氏は、これでもかという執念でその謎を調査し、世界中の誰もが到達できなかったある結論に達します。 ロバート・キャパの本名は、エンドレ・フリードマンです。ユダヤ系である彼にとって、本名を名乗るのが不都合だった部分もあります。さらに、ロバート・キャパというアメリカ人ぽい名

「絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ:文豪名言対決」 カフカ、ゲーテ著 頭木弘樹編訳…

これは、面白かったです。 「太陽が輝けば、ちりも輝く」と希望に溢れるゲーテ、「救世主はや…

向後善之
4か月前
30

「日航123便墜落の新事実」 青山透子 著 河出書房新社

1985年御巣鷹山に墜落した日航123便の事故原因に迫る調査結果です。膨大な資料をまとめ、目撃…

向後善之
4か月前
6

「桶川ストーカー殺人事件 遺言」 清水潔著 新潮文庫

1999年に起きた桶川ストーカー事件の犯人を執念で割り出し追い詰めた FOCUSの記者によるノンフ…

向後善之
4か月前
2

「でっちあげ」 福田ますみ著 新潮文庫」

怖い本です。 福岡の小学校教諭が、生徒に対する暴力で保護者から糾弾され、学校を辞めること…

向後善之
4か月前
5

「流星ひとつ」 沢木耕太郎著 新調文庫

その歌を最初に聴いたのが、中学1年の時だったと思います。 「15、16、17と、私の人生暗…

向後善之
4か月前
14

「六つの星星」 川上未映子 著 文春文庫

以前読んだ「みみずくは黄昏に飛び立つ」の中で村上春樹さんにインタビューする川上未映子さん…

向後善之
4か月前
5

「クマにあったらどうするか」 姉崎等 語り 片岡龍峯 聞き手 ちくま文庫

語りの姉崎さんは、アイヌのクマ撃ち猟師です。北海道にいるヒグマは、雄の成獣で200キロくらい、中には400キロもある巨大グマがいるそうです。 姉崎さんにとって、クマは師匠だと言います。クマの足跡を辿れば、山を歩くことができます。クマが食べているものは、人間が食べても大丈夫です。 姉崎さんは、自然の中で熊になったような気持ちになって熊を追います。常に熊の歩いた後を歩いているので、熊が逃げそうなところ隠れそうなところがわかるのです。熊は頭が良く、自分があちらの方向に行ったと思