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「すばらしい暗闇世界」 椎名誠 著 新潮文庫

現代の日本の夜は明るすぎです。欧米は、間接照明が多いので、家の中は、日本より暗いです。

明るいと、逆に見えなくなるものがあります。


江戸時代の行灯は、灯心が1本だと光の量は6ルーメン。20Wの蛍光灯のわずか200分の1。客が来たら3本にするのだそうです(p.43)。


暗闇は、大事なんじゃないかなと思いました。


明かりがなくなれば、宇宙には呆れるほどの星があることがわかります。天の川もはっきり見えます。地球なんてちっぽけだって思えるでしょう。地球が宇宙に浮かぶ小さな星にすぎないってことが実感できるかもしれません。


そして、暗闇はうるさいこともあります。例えば、椎名さんが訪ねたタクラマカン砂漠のオアシスの中は、動物たちが実にうるさかったとのことです(p.97)。そういえば、村上春樹さんも瀬戸内海の無人島に泊まった時、動物たちが鳴き声をあげ、虫たちがガサゴソやっていて、とてもうるさかったと書いていました。


しかし、椎名さんは、実にさまざまなところを旅しているなぁと思いました。モンゴル、奥アマゾン、ボルネオ、北極圏。


興味の範囲も幅広い。イソメからアナコンダ、ナノシップから宇宙エレベーター。椎名さんの世界の食に対する興味も尽きることがありません。


結構、食欲がなくなる食べ物も紹介されていました・・・。


また、本の中で、奥アマゾンにいた、長さ16mの水棲化したアナコンダ(=スクリュージュ)の話が出てきます(p.169)。お会いしたくないですね。


いろんなところに旅して、いろんなことを経験して、いろんなことを妄想してたら、楽しいよなぁって思いました。


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