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生徒の投票で2学期の授業内容を選ぶ

怒涛の2学期が終わりました。1学期も初めての経験ばかりで、1学期後半からは2校で授業を受け持っていたので、同じく怒涛だったといえば怒涛でした。ただ、2学期が違ったのは、ありがたいことに会社の仕事も少しずつ頂くようになり、noteの更新も滞るほど慌ただしく過ごしていたことです。

何を掘り下げて学ぶかは生徒が決める

そんな2学期を振り返ります。日本語での現代社会の授業は、国際政治の続きと国際経済についてでした。国際経済の後半の内容は、どれがいいか生徒の希望を聞くために、 Google Formsを使って投票してもらいました。

現代社会の授業で使った授業トピック一覧スライド

「なにこれ、選択肢の名前がちょっとヘン」
「外部教材使用ってなんだろ?」

これを読んでくださっている方は、「授業の内容って先生が決めるものじゃないの?というか教科書に書いてあるんじゃないの?」と思われた方もいると思います。この選択方式を行う目的は後述しますが、このスライドを初めて見た生徒の反応は様々です。「どれがいい?どれにする?」とワイワイガヤガヤ話していました。ただ、教室内では挙手で希望を聞かず、1週間ほどじっくり時間を取った上で個人の希望をオンラインで提出します。

その結果が、こちらです。お金関係が上位にランクインしています。「みんなお金好きねー」と言ったら、「そりゃそうでしょ」という反応でした。

授業トピック投票結果

上位3つのトピックについて授業で掘り下げて取り組むことになりました。実際には、残念ながら選ばれなかったトピックも授業で1時間使って取り上げることはできませんでしたが、軽く触れています。ちなみに、私は元金融機関勤務なので、「サブプライムローン関係は色々と話せるんだけどね」「ソーシャルビジネスも得意分野なんだけどな」と結果発表後に生徒に話したところ、「だったら早く言ってよ」「それ聞いていたら選択変わったわー」という反応でした。ただ、生徒の純粋な興味関心をまずは知りたかったので、あえて事前に伝えずに選んでもらいました。

生徒に授業内容を選んでもらう目的

これをやる目的は、生徒の学びに選択肢を用意することです。多数決での投票方式であり、また、教室では一斉授業なので、全員がそれぞれ好きなトピックを各自で学ぶ、というところまではまだ到達していませんが、それでも、自分たちで選んだトピックという意識が生まれ、主体的に取り組む土壌にはなりえると思っています。言われたことを言われた通りにやる、話を単に受け身で聞く、のではなく、自分で自分の学びを選んでほしい。そんなメッセージです。
ちなみに、この生徒選択型の授業内容を選ぶ方式は、2学期が初めてではなく、1学期からやっています。なので生徒は、あぁまたあれか、という感じだったと思います。2学期にも実施したのは、一部の生徒からの1学期振り返りアンケートで、「1学期にテーマを選択する授業があって面白かったので、またそれをやってほしいです」という声があったからです。1学期は国際政治がテーマでしたが、その中でも、国際社会と国際法についてのトピック一覧はこれでした。

国際社会と国際法トピック一覧スライド

1学期はさらに、自分で選んだトピックについて、個人またはグループで探究の問いを立ててレポートを書く課題にしました。また、希望する個人またはグループは、レポートを書く代わりにクラス内での発表をしました。ここでも、生徒の自らの選択でひとりでやるのか他者と協力してやるのか、また提出・発表方法を変えています。

世の中には、選べないことも多々あります。また、個人活動が得意でも、チームで協力することが求められる場面も多いです。そのため、好きなことばっかりやっていると社会に出てから適応できないため、そうならないよう、学校とはそれに向けた訓練をする場所という考え方もあり、それも理解しています。ただ、学校にはすでに強制するものが多くある、もう十分に強制装置としての役割を果たしているのではないでしょうか。学びくらいは目的を持って楽しくやってもいいんじゃないかな、と自由気ままなフリーランス教員としては思っています。

次回は、2学期の実際の授業内容を紹介します。

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