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世界の時価総額

11月は世界の小売業界の時価総額で、歴史的と言っても過言ではないと思われる(少なくとも私はそう思います)変化が起きました。小売業界世界No1と言われて久しいウォルマートがホーム・デポに時価総額で逆転されました。

11月24日現在で、ウォルマートが4,086億ドル、ホーム・デポが4,349億ドルとなっています。2週間前の11月10日現在で、ウォルマートが4,139億ドル、ホーム・デポが3,889億ドルでしたので、わずか2週間足らずで「あっという間に」逆転が起きました。

きっかけは、11月16日発表されたホーム・デポの四半期決算が市場予想を20%以上上回る好決算であったことですが、その中身は、リフォーム需要を上手く取り込み売上高と利益率をアップさせたことです。ウォルマートとは同じ小売りでも業態が違いますから、単純な比較はできませんが、日本で言えばイオンとニトリの関係に似ているかも知れません。(11月25日現在、時価総額はイオン23,786億円、ニトリ23,157億円)

 ウォルマートは売上高約60兆円超、営業利益率約4.6%、ホーム・デポは同じく約16兆円超、14.8%です。この点でもイオンとニトリに似ています。さらに言えば「生活必需品」を扱う小売業と「専門領域」を扱う小売業の違いでもあり、投資家目線で言えば、日米ともに同じ視線なのだと推測できます。時価総額ランキングでは、アップルが首位に返り咲いています。①アップル26,568億ドル②マイクロソフト25,370億ドル③アルファベット19,437億ドル④サウジアラコム19,191億ドル⑤アマゾン18,157億ドル⑥テスラ11,207億ドル⑦メタ(旧FB)9,487億ドルとなっており、以下主な企業では⑩テンセント5,810億ドル(中国企業としてトップ10に返り咲き)⑬ホーム・デポ4,349億ドル⑯サムスン4,238億ドル⑲ウォルマート4,086億ドル。GAFAMの昨年11月末以来直近までの上昇率は①アルファベット+62.2%②マイクロソフト+53.7%③アップル+31.3%④メタ+20.6%⑤アマゾン+10.8%であり、アルファベットとマイクロソフトの上昇が際立っています。

 ちなみに、テスラは+90.6%とほぼ倍増、逆にアリババは-49.4%でほぼ半減、テンセントは-19.1%で踏み留まったという感じになっています。

 個別企業への中国共産党の締め付けが厳しくなっているので中国企業にとっては受難の一年でした。直近では6月にニューヨーク証券取引所に上場した中国配車アプリ大手の「滴滴出行(ディディ)」に対して上場廃止を中国共産党が要請したとも報じられています。同社の株価は上場時に比べてすでに半減しています。

 中国新興企業にとっては、資金調達の道を狭められており、これまで世界の投資マネーが中国新興企業に投資をし、それで事業拡大のスピードを上げてきたのは間違いないと思いますが、SBGもそうですが、中国企業への投資には慎重になる傾向が色濃くなってきており、中国新興企業の成長鈍化が中国経済にも波及すると、それは世界経済にも間違いなしに影響を及ぼします。(個人的には、「経済大国なのだから、世界経済のことももう少し考えてちょうだいよ、習近平さん!」と言いたいところです)

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