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SNS、辞めちゃおっかな。

私は今年33歳である。
世間一般で見ればデジタルネイティブに近い世代であり、実際IT機器とともに成長してきたと思う。
その割に、ずっと「SNSの更新がめんどくさい」「承認欲求出しまくりの投稿を見るのが嫌」という気持ちがある。
今、辞めるべきか割と真剣に悩んでいる。

とりあえず、自分とSNSの関係史を振り返ってみよう。
大学2年の終わりに、Twitter(現在のX)とFacebookに登録した。
その後すぐにインスタグラムもはじめ、私のSNS生活が始まったのである。

SNSごとに特徴や向き不向きが分かれる人もいるだろう。
私が自分とSNSの相性を考えて分けると、こんな感じになる。

まずX。スピードの速さについていけず疲れるし、投稿者の一部に感じる無神経さや誹謗中傷の類を見ると心から嫌になる。
ネットスラングにもいまいち馴染めないから、「○○で草」とか「www」「推しが尊い」といった表現を見ると、毎回身の毛がよだつ思いをしてしまう。
基本的に、見る人や会話する人へのリスペクトが足りない投稿が多いと感じる。

次にFacebook。
私は企業の公式ページを多くフォローしているが、コメント欄がひどいケースも多い。
たとえば北海道日本ハムファイターズが負けた日のコメント欄は、毎度同じ人が実名で不平不満を垂れ流している。
「あの場面をこうしていれば」「なぜ代打であの選手を送ったのかわからない」。
それを言ったとして、明日ファイターズが勝てる保証はまったくないのに。

最後にインスタグラム。
実は私が一番「やりやすい」と感じていたSNSは、インスタグラムだった。
もともと写真を撮るのは好きだったし、キャプションの制限がないため、自由に文章を書くことができたからだ。

しかし、ストーリー機能が実装されてから違和感を持つようになる。
ストーリー中心で投稿する人が増え、24時間で消えてしまう投稿をきちんとチェックしなければならないという、強迫観念のような思いを抱くようになった。
自分のペースで写真を見ることが難しくなっている感覚があったのは、間違いない。
インスタは投稿するたびに「たくさん見てもらえるように」と、ハッシュタグを考えるのも面倒。
お笑いコンビ「エルフ」の荒川さんくらい、明るく「ハッシュターグ!」を探したいものだが、なかなかそうもいかない。

そして、承認欲求が膨らみすぎた投稿がどうしても耐えられない。
「○○な時のおすすめ対処法6選」「〇〇な人絶対見て!〇〇を解消する唯一の方法」などという投稿を見ると「勝手に人様を代表してまとめてんじゃねぇ」「お前のやり方を他人に強要するな」とイライラしてしまう。
インスタに限らないが、わざと強い言葉を使って相手の気を引こうとしたり、よく見せようとしすぎて「自分のアイデンティティではないもの」を垂れ流すSNSの使い手たちに、私は強い嫌悪感を抱いている。
「1ヶ月で何百万稼ぎました」とか「オンラインサロン受講者何万人」「アフィリエイトだけで1千万」などと謳い、不遜な表現で仕事を語っているアカウントが多数あるが、世界で一番いけすかないし、何なら半分以上詐欺だとも思う。
プロフィールに「お仕事のご依頼はDMで」と書き、SNSで仕事を探している人も多いだろう。
ただ私は基本的にDMを閉じているし、仕事はホームページで受注しているから、SNSをしているメリットはほとんどない。

まあ、こんな偏屈な私だから、TikTokなんて手を出すわけがない。

それにしても、である。
皆なぜ、SNSで虚勢を張っているのだろう?
そして私は、別に見なくても良いことを見過ぎてはいないか。
疑問でしかないのだ。

最近、漫才コンビ「ナイツ」の塙宣之さんが「じじいになってもスマホを見続けている自分が想像できなかった」と、Xやブログの投稿を一度に終了させていた。
その知らせを見た時、私も「自分がSNSを利用する時間は、8割がた無駄なのではないか」と感じた。
何より、スマホに人生を支配されたくない。
私は鉄道やクラシック音楽、野鳥などに関心がある人間であり、手のひらにすっぽり収まる四角い塊に隷属する意思はないのだ。
とはいえ、現代においてスマホ抜きで生活するのは困難である。
SNSだけでも辞めて、不要な情報を切り捨てられるようになればどんなに楽だろう。

遅くとも35歳くらいまでには、連絡を取るのに困るもの以外はSNSをすべて終了させようかと思う。
理由は簡単だ。
大した人間ではない私はもっと人間らしく謙虚に生きていきたいし、人間にリスペクトを持ち続けたいからである。

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