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雑多な雑感――NPOの戯言㉓

《「真面目」と「不真面目」のあいだ》
 繊細で生真面目な人ほど、うつ病に罹りやすいと聞いたことがある。瞬時に、ひょっとして自分はうつ病ではないか、と不真面目にも考えてしまった。ゆえに酒量が減らないのではないか。わたしは、傍目にはともかく「真面目」を名札につけて控えめに歩く人物である。そんなわたしを「不真面目なヤツ」と罵る声もかすかに聞こえる気がしないでもないが。
 それでも「とことん不真面目」な人間をうらやましいと感じることもある。わたしにとってそれは、無神経、鈍感、面の皮の厚いヤツのこと(かなり高い確率で出会ってきた)。定義上の道理はないが、部分的には通じているのではないか。
 もちろん「とことん不真面目」がどういうことかが問題になる。ここでは他者を不快にする、蔑ろにする行為に及びながら何らの痛痒をも感じない人たちとしておこう。典型的には数々のハラスメント行為。いまや○○ハラスメントは人口に膾炙しているだろう。なかには「かまってちゃん」などもいて、そこにも心理的に鬱屈したものがあるのだろうが「ふざけるな!」と叫びたくなるのが道理(道理が通じないのでハラスメントに終わりもないけど)。
 ただ、こんな見方も成り立つ。つまり、そうした「不真面目な人たち」がいるおかげで「真面目な人たち」との出会いが微笑みをもたらしてくれるということ。
 そんなことなどをよくよく顧みて気づくのは、実にわたしにも「真面目」と「不真面目」が同居しているというきわめて残念な結論。わたしは自身を「真面目」の代名詞と信じて疑わないが、「ふざけるな!」とその名札を剥ぎ取ろうとする人がいる(いた)のかもしれない。そんな悔恨がうつ病を誘うことも――などと思うこの頃。吞まずにはおれない。まぁ、くだらない言い訳か。何言ってんだか……。


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