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雑多な雑感――NPOの戯言⑤

《自己紹介⑤》生い立ち(超・簡略版―3)
(前回つづき)
 大学は去ったがそのまま居残ることに。見聞遊行のため4年の夏休みにアメリカへ行ったのだが、そのため借金をバイト先に残していた。律儀なのに信用のなかったわたしは、借金をしたまま予定していた転居を是としなったのである。その後もスナックとバーでバイト生活。アルバイト(Albeit)=労働の意味を噛みしめつつ酒の味に精通することになる。労働とは酔うための前戯である。
 翌年、借金を清算して地方の大学院へ。聞こえはいいかもしれないが、バカさ加減もなぜか成長する時期。分別を失うほど勉学に励むのが院生。わたしの場合、勉学に励むことなく分別だけを失い続けた。人生の誤算と言うほかない。

◆実例:肉体労働(過酷だが休憩時間も長い)のバイトで知り合った、帰省するカネのない後輩2人と正月をいかに過ごすべきかを論じ合った末「人はどれだけ飲み続けることができるのか」ということに。同じ院生のH君(傑出した助兵衛ではなかったと思うが)と文学部でドロップアウト寸前のY君とひたすら飲み続ける。飲む・寝る・食うを5日間貫き通した。
 その間、実に崇高で深遠なるテーマで議論したのは確かだが、すべて忘れてしまっている。わたしは崇高で深遠なるものを身に着けることはできないという真理だけは手に入れた。3人が同時に獲得したのは「愚昧な人間同士の相互理解」。つまりバカの相互承認だった。

 その後、わたしは大都市圏の大学院へ。結局、大学の非常勤講師を務めて有意義な授業を提供し続けた。そこで学んだことは、寝不足の学生が多いということ、わたしの熱弁が実は子守唄に等しいということ。
 その間に授けられてきた渾名の一つ「もも吉」をハンドルネームに採用した。というのも、ほかの渾名が芳しくない。「ミニオン」「たこやきくん」など――これでは人格を否定されているに等しい。唯一わたしが人間であることを担保していたのが「もも吉」のみであった(意味は解していない)。
◆注:ミニオンの意味が分からず映画を4本も見てしまった。わたしが何を言っているのか分からないということか。あるいは外見を揶揄しているのか。たぶん両方だろう。
(残念ながら、つづく)


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