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”思いつき”定義集Ⅱ⑮「さ」

【性(さが)】人が内奥に抱え込まざるを得ない性質(たち)。まぁ、性格、人柄と言ってもいい。もちろん千差万別。
 親からの遺伝という説がある。実際「親子やなぁ」と思わず呟いてしまう場面もある。確かに、後天的な環境や学習だけで性格を変えるのは難しい。つまりどうしようもない面もある。そう思っていた方が人付き合いは楽になるかも。相性の良し悪しの判断とは、人との距離の機微を捕まえるための知恵。知恵が足りなければ占いもある(やけくそやで)。
◆注:こんな場合ちょっと困る。例①;実の親子ではないにもかかわらず、「さすがに親子や!よう似とる」と自信満々で言われた時。苦笑するほかない。例②;「親子やのに全然似てないなぁ」と真顔で感嘆される時。親と子のどちらがほくそ笑むのかは状況次第。

【瑣事(さじ)】些細なこと。しかしそこに目を凝らせば時に人を和ませることもある。きれいに片付いたキッチン、草花の生長、毎日のように眺める夕日、大して意味のない挨拶――。無聊な日常の一コマに過ぎないと思う人もいるだろう。
 しかし事実として強調しておきたいが「同じ風景」というものはこの世に存在しない。「当たり前の景色」「変わらぬ日常」というのも、極端に言えば不安を和らげるための人間の思い込み。あるいは人間の保守性を顕わにした比喩にすぎない。
 他方で大いなる変化を求める心境も人間の性である。ただそれでも、「当たり前」から突き放された人にとって日常の瑣事こそは宝物となることもあるのでは。能登半島の暮らしぶりと言い添えれば十分だろう。


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