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”思いつき”定義集Ⅱ㉘「ひ」

【比較】人は何かと比べたがる生き物。泰然としているような人でも腹の中では外見・容姿、成績、収入、家柄などなど比較しているかもしれない。そこから嫉妬や羨望も生じる。優越感に浸る嫌味な人もいるだろうし劣等感に苛まれる人も出てくるだろうが、人が個として存立するには不可欠の業。比較の中でこそ自分を見つめ直すこともできる。
 ただ、世の中、色んな人間が色んな生活を営んでいることに想像を馳せてみれば「人間万事塞翁が馬」の故事も腑に落ちるかも。たかが知れたもの。

【病気】①どんなに健康を自認していても罹患の可能性は誰にでもある。目に見えない無味無臭の細菌を回避することはできないし、体内で何が起こっているのかを十全に把握するのも医学者であれ困難。当たり前だがベターな医療を目指すほかない。
②「病は気から」とはよく言われるが、現代の世界政治について言えば的を射た捉え方。過剰な自己顕示欲と過剰な猜疑心とに侵された病気。困っている人を助けるどころか困っている人を増やす。救命どころか殺人に心を配るとは最悪の病という他ない。これへの罹患だけは是非とも避けたい。
◆注:精神的なものを含め生産性と結び付けて病をマイナスと捉える人がいる。例えば休職者を非難したり。そうした思考に囚われている人もまた一種の病(「想像力欠如病」)。

【品格】「上品/品がある」「下品/品がない」など、対比的に用いられるが、他者の立ち居振る舞いを主観的に評価する場合が多い(「嫌いだから下品」なのか「下品だから嫌いなのか」は不明)。
 しかしそもそもの基準とは何だろう。少なくとも文化的差異が「品格」にも当てはまるのは確か。日本にとっての品格とは何か――世界でいかに振舞うのか、そこに品格が立ち現れてくるのは間違いない。主観のみが品格を規定するとも限らない。普遍的な品格(prestige)を望みたい。

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