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世間に照らし合わせない

マスコミは連日のように「世間の平均値」のようなものを発表しています。
たとえば年代別の年収の平均値や・・・
 ー省略ー
加えて、その平均値をもとに「ワンランク上を目指そう」的な特集記事・特集番組まで組まれています。
 そして「人並み以上」を気にする人たちは、その数字に踊らされて、がんばってしまうところがあります。それはいいかえれば、人並み以上に見られることを目標に生きているのと同じです。疲れませんか?
 ー省略ー
 もともと実体のない世間というものの平均を表した数字に、どれほどの意味もありません。自分の感じる豊さや幸せは、そういった平均値とは無縁なのです。
枡野俊明「小さな悟り」p77   三笠書房

世間を気にする環境

いつしか世間を気にすることが当たり前になっていた
成績がいいことがいい
テストの点がいい友達がいい
字が汚いと困る
周りによく見られるように挨拶する
行儀よく食べる
教育や道徳のようなものと認識していたことも
今となっては思うところは多い
時代で文化も常識も全く違うから
当時の時代背景を考えれば珍しいことではないと思う
そうやって教育も受けてきたから
染みついた思考もある
時代に合わない自分の思考と
世代交代の必要性を感じてしまう

中学、高校と違和感を感じて
いわゆる反抗期では親と違う自分の価値観をぶつけたりもした
有り難いことに、親は自分の価値観を尊重してくれた
本心はどうだったは、わからないけれど・・・
成績が優秀であっても、世間からは不良と言われていても
あまり区別したくない自分がいた
いいところを持っていて
気持ちが通じる人かを大事にしていたように思う


世間から隔離された人々

就職をしてから
30〜40年と人生の大半を社会から隔離されて過ごした人々と接する時間が増えた
世間では生きていけない人たちとして
病院で過ごすことを法律で決められてしまった人々
最初は怖かったし会話に苦労する人も多かった
びっくりする犯罪を犯している人も少なくなかった
それだけを切り取るとやむを得ないと理解していた


自分の価値観が揺らぐ

怖いと思っていた人々が
純粋で素直さを持っていることを実感し始める
自分の意思ではなく病気の症状で苦しんだこともわかってきた
見た目でわからない気持ちが通じあうようになると
世間や常識のおかしさ、専門職のいい加減さに
痛烈に怒りを覚えるようになり
世間がいかに当てにならないものか
人が愚かでいい加減なところを持ち合わせているものか
教わってきた道徳観が当てにならないものか
大人たちを疑う気持ちが膨らみ
人間不信な感情を隠しながら
社会から隔離され閉ざされた環境で生きる人と共に話したり
否定され非難されても社会に出るチャンスに何度も挑んだり
亡くなった連絡さえ拒む親族も少なくなかったから
よく寂しいお見送りを繰り返して
もっといい時代に変えられたらと
何度も泣いた


物差しは数値化

サービス残業当たり前
お金じゃない
喜んだり泣いたり心に響くものに満たされ
自分の使命と思っていた時代は
今やブラックという価値観が当たり前となった
気持ちの問題の精神論は古く
現実的な論理的な組織論など
世の中の仕組みを知れば知るほど
数値化することで判断したり、評価したり
お金は欠かせないのが社会の仕組みと感じる
難しいものだなと
数字を気嫌いしながらも
数字に強くならなければ戦えないと思うようになる


世間の大きな波にのまれたけれど

結局は大きな波にのまれてしまった
けれども
自分の感じてきたこと
多くのことを経験させてくれて
多くのことを教えてくれた方々
そのご縁から得たものは
とても大きく深いものだったことを
再認識できる経験でもあった
そして
自分もまた愚かな人類の一部なのだなと
受け入れつつも
波にのまれたり
波に乗ったり
次の波を楽しめるように
残った時間を楽しみたいんだよな
そんなことを思った

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