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猫達 猫になる直前の出来事

48歳 僕
やれ3ヶ年事業計画
新市場アフリカ進出計画
M&A計画
それはそれはエキサイティングな
毎日をおくっていた。

嫌われようが人からどう思われようが
なりふり構わず
冷酷な事も平気で
恥ずかしげもなくKeyManに媚びをうり
目的の達成の為に演じ
それは、ゲームのような日々だった。
物事は上手く進んでいたと信じてた。
そして満足していた。

ZONEにはいってる気がした。
あの日まで。

ある日、突然、帰国を命じられた。

気が狂いそうになってもこれが天職だと思い
死にものぐるいで全力で
走ってた日々、ゴールも出来ないまま
突然、道が消えた。

しばらく放心状態が続いた。
電話もチャットもメールも
来ない毎日が続いた。
誰にも頼られない空虚な日々。

そして本当の自分に戻った。
1人では何も出来ない自分に…。
自分は強くなったと思ってただけで
実際は自分を見失っていただけのようだった。

自分の中のバランスが
大きく狂ってしまった。

48歳にして
演じる必要性がない素の自分は
ただの幼い我儘な子供の様だった。

しばらくしたある日のこと目的もなく
あぜ道を散歩してた時。

野良猫が2匹追いかけっこしている。
お前たちはいいなぁ自由で気楽で。
そういうと小さなミケ猫はニャっと短く
返事した。
おまえも自由で気楽じゃないか?
と言ってる様だった。

それが人間最後の日だった。

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