Yoshimura Shunji

本業は技術系の会社員です。一方でアルゼンチンタンゴを中心とした音楽関係の文章を書いたり…

Yoshimura Shunji

本業は技術系の会社員です。一方でアルゼンチンタンゴを中心とした音楽関係の文章を書いたりもしています。 note には音楽系の記事を中心に投稿していく予定です。詳しくは下記をご覧ください。 https://note.com/yoshish/n/n781dbea6da27

最近の記事

フロレンシア・ルイス&公開車庫 (2023/08/30 東京・秋葉原 CLUB GOODMAN)

もう10日以上経っちゃいましたが、フロレンシア・ルイス&公開車庫のライブに行ってきました。 フロレンシア・ルイスさん (以下フロール) はアルゼンチンのシンガーソングライター。一方公開車庫という不思議な名前はパーカッションのヤヒロトモヒロさんとベース他の宮田岳さんのユニット。 私は以前からフロールの声も作る曲も大好きで、来日するたびに可能な限りライブに行っていましたが、今確認したら最後に行ったのは2017年だった模様。2018年、2019年は都合が合わず、2020年以降は

    • 東京JAZZ 2023 NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇 – Mirage Future (2023/08/25 東京・池袋 東京芸術劇場)

      8月25日は東京芸術劇場に行ってきました。もちろんこちら。 挾間美帆さんプロデュースの東京JAZZ 2023 NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇。実は昨年もチケットは持っていたもののコロナ感染により泣く泣く断念したので、一昨年以来です。今回のテーマはMirage Future = 幻想未来。 席は2階でこんな感じに観えていました。 第一部はライヒ、坂本、カマシ・ワシントン、そしてパット・メセニー。カマシ・ワシントンはきっちり構成された楽曲だったのが私の勝手

      • 吉田美奈子 安田芙充央 石井彰 – ECHO – (2023年8月24日 東京・丸の内COTTON CLUB)

        ピアニストの黒田亜樹 (クロアキ) さんから、昔の師匠が吉田美奈子さんと共演するライブがあるんだけど行かない?とのお誘いがあり、吉田美奈子さんと安田芙充央さん、石井彰さんの2人のピアニストによる新プロジェクト “ECHO” のライブに行ってきました。前日急に決まって予約したのでほぼ真横の席。 手前のピアノがクロアキさんの昔の師匠である安田芙充央さんだったのはラッキー。 吉田美奈子さんは大昔に一度だけ野外のライブでピアノ弾き語りを聴いたことがありましたが、その後はライブでも

        • サロンコンサート Saluto! (2023年7月30日 東京・池袋 としま区民センター小ホール)

          珍しくクラシックの声楽のコンサートに行ってきました。 Saluto!と題されたこのサロンコンサート、副題に「二人の歌手でお送りする名作オペラ劇場」とある通り、歌手2人とピアノ伴奏だけでオペラの名曲、名場面を演奏するという企画です。しかもソロや二重唱以外の場面も強引に2人でやってしまうというもの。 主宰の石塚幹信さんとは出身高校が同じというご縁があり、普段オペラにはほとんど縁がないながらもこのコンサートに来てみたのですが、「オペラってこんなに面白いものなのか!」と新たな発見

        フロレンシア・ルイス&公開車庫 (2023/08/30 東京・秋葉原 CLUB GOODMAN)

          劇団四季 クレイジー・フォー・ユー (2023/07/05 神奈川芸術劇場)

          ちょっと日が経ってしまいましたが、先日久しぶりにミュージカルの観劇に行ってきました。劇団四季の人気の演目「クレイジー・フォー・ユー」です。場所は横浜のKAAT 神奈川芸術劇場。平日の昼公演だったので休暇を取って。 ジョージ・ガーシュインの極上メロディに乗せたラブコメディです。劇場立て直しがテーマだけあって、ダンスも歌も素晴らしいです。特にタップの群舞の迫力! ストーリーは気楽に見られるアメリカンコメディという印象で、最初は反目し合っていた2人がやがて恋に落ちる、という王道

          劇団四季 クレイジー・フォー・ユー (2023/07/05 神奈川芸術劇場)

          鈴木大介 ギター・ソロ (2023年6月26日 東京・雑司が谷 エル・チョクロ)

          ギタリスト鈴木大介さんのソロライブに行ってきました。 場所はおなじみの雑司が谷エル・チョクロ。8弦ギター一本による生音でのライブでした。 限られた席数でリラックスした雰囲気の中、中島ノブユキさんからの委嘱で大介さんが書いたエチュードからスタートし、続いて中島ノブユキさんによる「8Kオルセー美術館 オリジナルサウンドトラック」収録曲の中から一曲。いずれも響きそのものが印象的な美しい演奏。 カルロス・アギーレの作品は巨匠エドゥアルド・イサークによる編曲で、大介さんは相当難易

          鈴木大介 ギター・ソロ (2023年6月26日 東京・雑司が谷 エル・チョクロ)

          アストル・ピアソラの青春 ニューヨーク〜ブエノスアイレス〜パリ (2023年6月10日 東京・品川区 スクエア荏原ひらつかホール)

          2023年6月10日はバイオリン奏者の宮越健政さんの企画・構成によるコンサート「アストル・ピアソラの青春」に行ってきました。 副題に「少年は、どのように世界の知る作曲家になっていったのか?」とあるように、ピアソラの少年時代からモダン・タンゴの旗手として活躍するようになるまでの様々なエピソードを宮越さんが語りつつ進行するコンサートでした。 演奏メンバーはタンゴのエキスパートであるバイオリン、バンドネオン、ピアノ、コントラバスの4人と、バイオリン×6、ビオラ×2、チェロ、フル

          アストル・ピアソラの青春 ニューヨーク〜ブエノスアイレス〜パリ (2023年6月10日 東京・品川区 スクエア荏原ひらつかホール)

          黒田亜樹と東京ピアソラランドの仲間たち ― バンドネオン、北村聡を迎えて (2023年6月3日 東京・等々力 玉川せせらぎホール)

          2023年6月3日は前年9月以来の東京ピアソラランドでした。 前回はCHICAさんのプロデュースで黒田亜樹 (クロアキ) さんはゲストの扱いでしたが、今回はクロアキさんの名前が前面に。二人で交互に企画することにしたのかな?編成は前回と同様弦楽四重奏+ピアノ+バンドネオンでした。 バッハ、ピアソラ、おそらく本邦初演のフェルナンド・オテロ、そしてカプースチンと、非常に振れ幅の大きい内容。バッハのクラヴィア協奏曲はピアノとバンドネオンでソロ楽器を交代しながら進行。減衰音のピアノ

          黒田亜樹と東京ピアソラランドの仲間たち ― バンドネオン、北村聡を迎えて (2023年6月3日 東京・等々力 玉川せせらぎホール)

          歌劇「ブエノスアイレスのマリア」 CDリリース記念ライブ(2023/05/19 東京・吉祥寺 Star Pine’s Cafe)

          2023年5月19日、柴田奈穂さん率いるタンゴケリードの主催による歌劇「ブエノスアイレスのマリア」のCDリリース記念ライブに行ってきました。 タンゴケリードによる「ブエノスアイレスのマリア」は前回は2021年12月22日、23日に東京・高円寺の座・高円寺2で行われました。ダンサーも登場して演劇的な演出もなされた公演は素晴らしいものでした。 その時の模様はライブ録音され、今年(2023年)1月にCDとしてリリースされました。この録音がまた素晴らしい!(私は昨年12月のBs.

          歌劇「ブエノスアイレスのマリア」 CDリリース記念ライブ(2023/05/19 東京・吉祥寺 Star Pine’s Cafe)

          ザ・宇宙ステーションズ ゲストs-ken (2023/05/11 東京・南青山 月見ル君想フ)

          佐野篤さん率いるザ・宇宙ステーションズのライブに行ってきました。2021年10月に行ったのが最後のようなので実に1年半ぶり。会場の月見ル君想フはステージ正面の月が印象的なライブハウスです。 オープニングの「オレンジマウンテン」からいきなりぐいんぐいんとうねるグルーヴに巻き込まれました。「コブラのマーク」のツインドラム&パーカッションのバトルもかっこいい! 第二部「ジャングルGO」は勝手に宇宙ステーションズのテーマみたいな曲と思っています。以前も書いたけどこの曲のリフだけ延

          ザ・宇宙ステーションズ ゲストs-ken (2023/05/11 東京・南青山 月見ル君想フ)

          KaZZma canta GARDEL CDリリース記念ライブ (2023年4月29日 東京・雑司が谷 エル・チョクロ)

          2023年のゴールデンウィーク初日、4月29日は歌手KaZZmaさんのライブに行ってきました。3月にリリースされたアルバム「カルロス・ガルデルを歌う」のリリース記念ライブです。伴奏はDuo Criolloのお二人、ギターの福井浩気さんとギタロン (低音ギター) の清水悠さん。 アルバム収録曲を中心に、各部の中盤ではそれ以外の曲も差し挟まれる、という内容。歌とギターというガルデルの時代から続く伝統を尊重しつつ様々なアイディアも盛り込み、このスタイルの褪せることのない魅力と新た

          KaZZma canta GARDEL CDリリース記念ライブ (2023年4月29日 東京・雑司が谷 エル・チョクロ)

          キケ・シネシ&岩川光 DUO (2023年3月17日 東京・要町 GG サロン)

          一曲目冒頭、キケさんの雨音を思わせるようなギターの響きに乗せて岩川さんが様々な鳥の鳴き声を楽器を持ち替えながら奏でて、一瞬にしてどこか森の中に連れて行かれたような感覚に。そんな自然に根差した音で始まったコンサートは、同曲のビダーラやそれ以降のチャカレーラ、ミロンガ、サンバ、ワイノ等、土の香りのするようなアルゼンチンのフォルクローレのリズムを基調としつつ、聴く者の琴線に触れる美しいメロディーと超絶技巧や変態的なフレーズがシームレスに同居する世界でした。 興味深かったのが、キケ

          キケ・シネシ&岩川光 DUO (2023年3月17日 東京・要町 GG サロン)

          小松亮太 ピアソラ《ブエノスアイレスのマリア》(2023年3月5日 埼玉・川口リリアホール)

          3月5日は小松亮太さんの公演『ブエノスアイレスのにマリア』に行ってきました。アストル・ピアソラとオラシオ・フェレールが書いたオペリータ (小オペラ) で、ピアソラの数ある作品の中でも最高傑作のひとつです。この日の公演は端的に言って素晴らしいの一言でした。 年月の重みご存知の方も多いと思いますが、小松亮太さんは2013年にこの作品を上演しています。ピアソラの初演時の主役だったアメリータ・バルタールをマリア役に迎えたその公演は歴史的偉業で、ライブ録音は CD にもなっていますし

          小松亮太 ピアソラ《ブエノスアイレスのマリア》(2023年3月5日 埼玉・川口リリアホール)

          e-magazine LATINA にて新連載スタート!

          この度 e-magazine LATINA に連載記事を執筆することになりました。題して「タンゴ界隈そぞろ歩き」。大好きなタンゴを中心としつつ、その界隈をふらふらと気ままに歩き回るように書いて行きたいと思っています。最初のそぞろ歩きは「サッカーとタンゴ」。ぜひともご一読ください!

          e-magazine LATINA にて新連載スタート!

          映画 BLUE GIANT 〜 泣いたという自覚もないまま涙がぼろぼろこぼれた

          既に一週間前になりますが、映画 BLUE GIANT を観てきました (2023年2月25日 11:30〜 東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて)。 ジャズの映画だということ、音楽を上原ひろみさんが担当しているということ以外はほとんど予備知識なしで観ました。原作も読んでいません。 泣いた、という自覚もないまま涙がぼろぼろこぼれました。魂を鷲掴みにされてぐわんぐわんと振り回されたような感覚です。ライブのシーンがかなり多く (パンフレットによれば全編の1/4程を占めていると

          映画 BLUE GIANT 〜 泣いたという自覚もないまま涙がぼろぼろこぼれた

          田辺和弘・北村聡 Duo – 江古田音楽化計画 (2023年2月23日 東京・ホワイエ江古田)

          コントラバスの田辺和弘さんとバンドネオンの北村聡さんのデュオのライブに行ってきました。この二人をメンバーに含むライブは数多く、私自身もこれまで何度も観ていますが、デュオでのライブは今回が初めてなのだそうです。企画・主催は江古田音楽化計画、会場は100年ほど前に建てられた木造家屋を改造したアートスペース、ホワイエ江古田でした。 演奏された曲は二人のオリジナルとドラマーの福盛進也さんの作品が中心。全体を通して私が感じたのは「祈り」でした。祈る対象は世界の人々だったり神だったり、

          田辺和弘・北村聡 Duo – 江古田音楽化計画 (2023年2月23日 東京・ホワイエ江古田)