大手企業経理マンが独学で全経簿記上級を取得するまで(1作目/3部作)

■はじめに
はじめての記載となりますが、連載(3部作)にさせていただきます。
内容は、私は2021年7月に取得した全経簿記上級について、です。
私自身、独学で取得しましたが、ネットで「独学で受かった時の勉強法」の記事を参考にさせていただいたこともあって、少しでもお役に立てればと思い、この連載を行うこととしました!

今回は、まず全経簿記の概要や取得の経緯、取得することによって得たものに関して記載しようと思います。

■全経簿記上級とは
・全経とは、公益社団法人全国経理教育協会の略称で、簿記や税務関係の検定試験を開催している協会です。
・全経簿記とは、同協会が開催している簿記関係の資格試験であり、上級・1級・2級・3級の4つの階級の試験があります。(難易度:3級→2級→1級→上級で難しくなる)
・簿記関係の資格試験に関しては、一般的に商工会議所が主催する日商簿記試験がメジャーですが、日商簿記と全経簿記の勉強範囲はおおむね同じなので、両方受験する人も多くいらっしゃるかと思います。
・なお、日商簿記1級と全経簿記上級はほぼ同レベルとされ、資格が取得できれば、税理士試験の受験資格を得られます。(個人的には日商簿記1級のほうが難しかった・・・)

■全経簿記上級を取得しようと思った経緯
・まずは、自分の時間が増えたため、です。2019年に新型コロナ感染拡大により、在宅勤務が増え、通勤時間がそのまま資格試験勉強に充てられました。
・次に、今後のキャリアを見据えて、です。2018年の大晦日に結婚し、今後の人生に対する責任感が増えたと思います。
・ちなみに、当初は簿記1級の資格取得を目指しておりましたが、勉強を進めるにあたって、全経簿記上級の存在を知り、ほとんど同レベルの試験であるため、簿記1級か全経上級のいずれかを取得したいとの意識に変わりました。

■全経簿記上級を取得することによって得たもの
・まず、商業簿記・会計学を勉強することで、一般企業で行われている会計実務を概ね理解できますし、新聞に記載されている各社の決算もほぼわかります。経理の実務をされている方は、監査人とも充分にコミュニケーションできるでしょう。私自身、資格取得前は、言いようのない引け目を感じてましたが、資格取得の勉強がある程度進んできてからは、一定の自信をもって監査人とコミュニケーションが出来ました。
・また、日本の会計学を理解することで、海外の会計学も概ねわかります。海外の会計基準もそんなに日本とは変わりませんし、「こういう風にちがうんだ」といった形で、理解できようになる感じです。現在、海外子会社の経理業務に従事しており、外国基準の財務諸表の作成をしておりますが、言語のハードルはあれど、知識面で困ることは少ないです。
・さらに、原価計算を勉強することで、投資の採算性評価を一通り学べます。社内で投資業務を実施する方、さらに、投資案件を査定・評価する実務をする方にとって、大変意義ある内容になっています。
・工業簿記は、実際に業務で携わったことがなく、具体的な貢献度は申し上げにくいですが、商品の1個の原価を計算する過程を計算過程で体感できるので、商品や製品に対する係数的な見方が可能になるのではないかと推察します。

■次回に向けて
・次回は、教材や勉強法などに関してアップしようと思います。

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