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Learnin’ the Blues〜スイングについて

ジャズを習い始めた頃、色々なことが謎で、どうしていいのか分からずにいた。
一番苦労したのは『スイング』というジャズに特有のリズムが、どうしても上手く演奏できないという課題。

いろんな人に聞いてみると『ブランコに乗るように』とか『点ではなく円を意識して』とかいろんなイメージでスイングとは何かを教えてくれる。

やってみる。

『ああ、それはスイングじゃなくて夏の盆踊りだね(笑)』
『もう少し跳ねて。でも跳ねすぎないで』
『スイングは結構難しいから、いまはイーブンに演奏してもいいんじゃないかな(諦め)』

上手くいっていないらしい。

自分の演奏を録音して、修正点を直していくという練習をやってみる。タイミングを意識しすぎて、何だかギクシャクしたおかしな感じになってしまう。

この問題が厄介なのは、そもそも問題の様相が単純ではないことで、真面目に分析すると、次のようなことが混在して起こっているのだろうと思う。

✔︎スイングが何かを人に説明し、教える/ 教わるのが難しい(スキップのやり方を人に教えられないのと多分似ている)

✔︎身体感覚の問題なので、頭で理解しても実際に演奏ができるわけではない

✔︎スイングが演奏できない原因が、リズム感にあるのか、フィジカル≒楽器の習得レベルにあるのか切り分けできない

✔︎リズムにも個性があり、良いリズムというのは一つではないらしい。学習者からすると正解がわかりづらい。教える側からすると答えを強要できない

It don't mean a thing(if it ain't got that …)

音楽のことなのだから、こういうときは頭でややこしく考えずに、いい音楽をたくさん聞いて、練習に打ち込めばよかったのだけれど、初学者としては『そもそも生まれつきリズム感が悪いのなら、どこかで諦めた方がいいのかな』と言う気持ちが、ちらほらと出てきたりもする。

一方で教える側の先生も『手取り足取り教えられることではないし、教えすぎると個性を押さえつけることになるから、結局は自分で自然にできるようになるしかないんだよな(がんばれ)』と言う立場の人が多いような気がする。



そんな中、NY旅行中に出会った、あるミュージシャンの方が、次のことを教えてくれて、それがとても救いになった。

1)みんな悩むところだけれど、最高にスイングしている音楽を、よく聞くことから始めればいい。フランク・シナトラがカウント・ベイシー・オーケストラをバックに歌っている演奏がおすすめ

2)最初は楽器を持たずに練習した方がいい。自分で問題を複雑にしないこと。手拍子とかフィンガー・スナップ(指パッチン)でリズムに乗れることを確認してから楽器を持てばいい

3)はじめて自転車に乗るようなもので、誰でもある日突然必ずできるようになるから、その日を待つ気持ちで焦らずに取り組めばいい

リズムのことは本当に難しくて、正直まだまだ全然わからないことが多い。それでも、アドバイスを意識して練習に取り組んでいて、少しずつだけれど何かが確実によくなっていくような感覚がある。

スイングで苦戦している人がいれば、試してみる価値はあると思う。フランク・シナトラがカウント・ベイシー・オーケストラをバックに歌っている演奏のリンクを貼っておきます。

🎵Learnin' The Blues〜Sinatra/Basie: The Complete Reprise Studio Recordings


🎵Fly Me To The Moon〜Live At The Sands


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