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オランダで2024年から各学校で携帯電話の使用を段階的に禁止することが決定【361】

 2024年1月1日からオランダの中等教育学校で、夏休み明けからは小学校で携帯電話の使用が禁止されます。それらに関する報道が先週されていたので、それまでに関連する報道も一緒にまとめておきたいと思います。

 こういったニュースをきっかけに、子どもの携帯電話との向き合い方、携帯電話を持つことにどんなリスクがあるのかを、レッスンや家庭の中で子どもたちと一緒に考え話し合っていきたいと思います。


この学校ではすでに携帯電話の使用が禁止されている:「もっとお互いに話しなさい」

Deze school heeft al een mobielverbod: 'Je praat meer met elkaar'2023.12.14

 多くの中高生にとって、この措置に慣れるまでには時間がかかるでしょう。クリスマス休暇が終わると、授業内で携帯電話を使用することは禁止されます。

 学校によっては何も変わらないところもあります。デンボッシュにあるシント・ヤンスリジウムなどでは、電話禁止がすでに適用されています。
2024年1月1日から、中学・高校(オランダでは中高一貫のような形で中等教育としてまとめられていることが多い)での電話の使用が禁止されることが決まりました。
 この禁止に関する決まりは、小学校ではもう少し後に実施されます。小学校での携帯電話の使用禁止は、新学期となる夏休み明けにのみ施行される予定です。

 新しい規則によると、教室内での携帯電話の使用は禁止されます。ただし、学校は生徒が休み時間中に携帯電話を使用することを許可するかどうかを独自に決定することができます。
 デンボッシュの学校では、電話はロッカーに入れておかなければなりません。それは休み時間も同じです。そして、そのルールは教員にも当てはまります。
 シント・ヤンスリセウムの生徒たちは、今では禁止に慣れており、喜んでいる子どもたちもいます。しかし、それはすべての人に当てはまるわけではありません。

<子どもの声>
・みんな友達に対してより社交的な行動をとることができる。それも休み時間中にです。あなたはもっとたくさん話します。
・誰かが会おうと誘ってきたのに、私がすぐに返事をしないと、会えないかもしれないと思われます。そして、その人は別の人に会おうとするかもしれません。

NOS Jeugdjournaal"Deze school heeft al een mobielverbod: 'Je praat meer met elkaar'"より

小学校でも教室内での携帯電話の使用が禁止になりました

Telefoons in de klas nu ook verboden op basisscholen2023.11.07

 「間もなく小学校と特殊教育クラスでの携帯電話の使用が禁止される」と文科大臣は言いました。中等学校については以前から協定が結ばれています。

日付
 携帯電話の禁止は、法律で正式に決められているわけではありませんが、教育大臣は学校組織とこれについて協定を結んでいます。
大臣によると、電話は生徒の気を学業から逸らしすぎると述べています。

 電話はレッスン内容に必要な場合のみ使用させていただきます。たとえば、クイズやメディア リテラシーに関する授業などです。

 協定は新学期の開始時、つまり来年9月から発効します。
新しい協定についてどう思いますか?
→賛成52%、反対48%

NOS Jeugdjournaal"Telefoons in de klas nu ook verboden op basisscholen"より

多くの電話はすでに教室の外にある:「ロッカーにあるはずだ」

Veel telefoons nu al de klas uit: 'Moeten in het kluisje'2023.08.24

「教室内には携帯電話はありません。」
これは、2024年1月1日からの中等学校に対するオランダ政府の勧告です。それでも、教室への携帯電話の持ち込みが禁止されている学校はすでに多くあります。

 ハウテンのカレッジ・デ・ヘームランデンでは、1月1日を待つことなく実施されています。今週から、学生は携帯電話をロッカーに入れなければなりません。人によっては慣れることが必要です。

・ある生徒のコメント
去年は授業後に携帯電話を必ずチェックしていました。誰からの連絡なのかをその時に確認できましたが、今ではそれを確認することはできません。

 携帯電話の禁止はガイドラインであり、正式に禁止されることはありません。学校は、授業中に電話をどこにどのように保管するかを独自に決定できます。この学校ではロッカーが大変混雑します。みんなメッセージを確認するためにロッカーに行くのです。

・スマートフォンは子どもたちの気を散らせる
 専門家、教師、多くの保護者らによると、この規則は子どもたちを守るために必要だとされています。研究によると、スマートフォンは非常に中毒性があり、気が散る要素がたくさん含まれています。専門家によると、授業中の注意力が低下する可能性があるとしています。
 この勧告が小学校にも発令されるかどうかは、今後数週間のうちに明らかにされるでしょう。

NOS Jeugdjournaal"Veel telefoons nu al de klas uit: 'Moeten in het kluisje'"より

政府「教室での携帯電話の使用はもう禁止」

Regering: 'Geen mobieltjes meer in de klas'2023.07.04

「教室内では携帯電話の使用は禁止です!」
 時々先生がそう言うのを聞くことがあります。しかし現在、オランダ政府も中等教育機関において教室内への電話の持ち込みを禁止することを求めています。これは禁止ではなく、政府から学校への勧告となります。おそらくほとんどの学校はそのアドバイスに耳を傾けるでしょう。

小学校
 この規則は2024年1月1日に発効し、少なくとも中等学校に適用されます。政府は明日、この勧告が小学校にも適用されるかどうか決定する予定になっています。学校は、授業中に電話をどこにどのように保管するかを独自に決定できます。専門家、教師、多くの保護者らによると、この規則は子どもたちを守るために必要だと言っています。教室で頻繁に電話を使うのは子どもの脳に有害だからだという理由があります。

スマホはとても中毒性があります。そして、携帯電話にあまりにも多くの時間を費やすことによって、子どもたちのテストの成績が低下することが研究でわかっています。
以前、携帯電話依存症について次のビデオを作成しました。↓

NOS Jeugdjournaal"Regering: 'Geen mobieltjes meer in de klas'"より

スマホ使用禁止から何を学ぶか

 スマホが既に禁止されている学校でも、タブレットを使って休み時間にSNSをチェックしたりゲームをしている生徒もいるようです。
 すべてが完璧にできないとしても、こういった「学校での使用が禁止された」という事実から、子どもたち自身が何が大切なのかを理解して行動できる子たちを増やすことで、スマホ中毒の蔓延は防ぐことができます。
 実際に、子どもたちはもっと話したいけれど、みんなスマホばかり見て話しているからつまらないと言っている生徒もいました。

 ここは単なる禁止を大人から押し付けるだけではなく、先生と子どもの対話や大人からきちんと説明することが前提になると思います。

段階的に子どもたちに訴えかけ、共に考える姿勢を

 このように、携帯電話の学校での使用に関するトピックは頻繁に挙げられていました。もちろん最終的な決定は大人が行いますが、子どもたちの意見を聞いたり、子どもたちのスマホの影響について開示した上で、一緒に考えていく姿勢は非常に重要だと感じます。そういった、子どもにも議論に参加する機会を用意することで、将来的にも政治決定やコミュニティの参加のきっかけになるのではないでしょうか。

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