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「体験授業」で心がけていること【Aflevering.100】

 本日、オンライン日本語学習サポートの体験授業の申込をいただきました。今回は、体験授業の準備にあたって大切にしていることを、まとめておきたいと思います。ただ、プロとして授業をされている方にとっては当然のことばかりかもしれません。

 授業で初めて顔を合わせる時は、生徒も緊張していると思いますが、私もとても緊張します。しかし、緊張以上に感じるのは、新しい出会いに感謝する気持ちと、生徒が学習でつまずいているところを見つけ出し、生徒にとって適切なサポートを提案したいという気持ちがあります。

 一度授業をさせていただいた生徒については、継続して学習をサポートしたいと思っています。しかし、人間には直感的な「合う・合わない」があり、生徒が「この先生に教わりたい」と思った人に受けてもらうことがベストです。
 そのため、体験授業の後に引き続き授業を受けるかどうかは、授業を終えてからじっくり考えてもらうようにしています。
 次に授業をする機会がなければその生徒との出会いはその体験授業1回のみになってしまいます。そうなっても大丈夫なように、その体験授業の中で、今その生徒が抱えている学習課題を解決するための方法までは必ず提示するようにしています。

学習目的のリサーチ

 学習サポートの問い合わせをいただいた場合は、まずどのような目的で受講を検討されているのかを伺います。学校についていくための補助なのか、1年後の入試のためなのか、あるいは海外の生活をされている生徒であれば、単に日本語に触れることだけを求めておられるのか、帰国に向けた日本の学校のレベルに合わせることなのか、帰国生入試のために準備しなければならないのか、など色々とあります。まずはそれを明確にして、生徒と保護者が何を求めて問い合わせをされたのかを明確にします。

学習レベルのリサーチ

 次に、生徒自身の学習レベルについて伺います。生徒の目標と、現在の学力にどれぐらいの乖離があるのかを知り、学習の具体的な内容について考えていきます。
 今の学年の内容についていくことができているのか、つまずきを感じているのならどの辺りからつまずきを感じるようになったのか、などを確認して、体験授業で扱う教材のレベルの選定に活かす程度に生徒・保護者から話を伺っておきます。

教材の準備(基礎レベル、標準レベル、発展レベル)

 とはいっても、生徒・保護者自身が感じている学習レベルと、実際に授業をやってみて異なる場合があります。その時のために、授業で行う単元の教材を3種類(基礎・標準・発展)用意しておきます。そうすることによって、こちらは生徒リアルな状況に合わせて対応することができます。

授業展開の整理

 授業全体の時間を大まかに分割して、生徒から話を聞く時間、問題を解く時間、問いた問題を吟味する時間、こちらからのフィードバックなど、授業にはいくつものステップがあるので、それをしっかりと組み立てていきます。
 細かいところは、生徒の状況に応じて柔軟に対応しますが、大きな流れとしてはこちらが作成した学習の流れに沿って授業を展開していきます。

授業でしか気づけないことは必ずメモする

 授業をしている時に、生徒の学習において何か気づいたことや、今後の指導のために記録しておきたいことなどが出てきたら必ずその場でメモを取ります。
 例えば、国語や算数などで、学年相応の問題をやった時に、ある単元だけは学年を遡ってやった方が良いとか、その反対に漢字だけはズバ抜けて意欲的で学年以上のことを知っているなど、今後の指導に役立ちそうなことはその場ですぐにメモするようにしています。

授業が安心できる場だと感じてもらい、不安になった時に話せる相手でいられるようにする

 私の授業では、生徒にたくさん話してもらいます。つまり、生徒が自分で気づけるように私がアシスト役にまわることを徹底しているということです。
 仮に生徒の解答を見て、間違っているところを発見したとしても、すぐにそこを指摘することはありません。
 その問題に対して、なぜその解答になったのか、どこを根拠にその解答を導き出したのかを問いながら、自身で間違いがあったことに気づいてもらうようにしています。

 そうすることで、自分がどこで間違えやすいのかに気づくことができ、試験本番の時でも自分で事前に気づいてミスを防ぐことができます
 学習の主体はあくまで生徒であり、私が完璧な解説をすることよりも、生徒が自分の力で間違いに気づけた、答えに辿り着けたという達成感を味わってもらいたいのです。

生徒との信頼関係について

 体験授業では初対面での授業となるので、生徒と講師の信頼関係がまだ確立されていません。
 私は少しでも安心した状態で学習に入ってもらうために、「お互いに正直な関係」というのを大切にしています。

 生徒は、勉強で分からないところがあったり、何かにつまずきを感じると不安になりやすいです。そこで、何とかその不安に寄り添い、問題にぶつかっても乗り越えていける力を生徒につけてもらいたいと思います。

 学習課題の解決だけでなく、その生徒自身が自信を持って次のステップに進めるようにサポートをこれからも継続していきたいです。

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