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コカインは昔、コカ・コーラにも使われていたんだ

ピエール瀧さんのことで、思うことがいろいろある方いらっしゃると思いますが、これを機に「コカインって本当に危ないの?」「どんなふうにできてるの?」みたいなことを知っておきたいと思いました。

ライターで編集者の松本広樹さんが書いた『ドラッグ』(現代書館)という本が、とてもわかりやすいので、この本の要約をあげておきます。(アフィリエイトじゃないけど、気になったら買ってみてね)。もっともこの本がすべてではないので、本当に気になる方はいろいろ調べてみるといいと思いますが、取り急ぎのとっかかりとしてメモがわりに。

原料は「お茶の葉」みたいな植物

コカ(コカノキ科)という植物に含まれるアルカロイドが成分。ペルーやボリビア原産で、1.5m~2mぐらいの常緑樹。葉っぱは、お茶の葉を少し大きくしたような丸みのあるもの。

インカ帝国では、都市建設や外科手術の必須アイテム

昔はコカの葉を噛んで、そのエキスを身体にとりこんでいた。短時間ではあるが、疲労回復や麻酔の効果があったらしい。常用すると口の中が真っ黒になったが、1日100g噛んでもたった1%の有効成分しか含まれていなかったので、中毒の心配はなかったとされている。

アンデス山地にあったインカ帝国では、飛脚たちがコカのおかげで険しい道を走り抜けたり、宗教儀式や土木事業、外科手術などにも欠かせないものだった。

1860年以降のヨーロッパでは、強壮剤として文化人を虜に

コカの有効成分である「コカイン」の抽出に成功した1860年以降は、スニッフィング(鼻孔吸入)などのパーティードラッグとしてパリやロンドンなどの主要都市に広まった。鼻は脳に直結するので効きがよかったらしい。コカの葉のエキスをワインに混ぜた「マリアニ・ワイン」が強壮剤として、パリで流行したこともあったそうだ。サラ・ベルナールやトーマス・エジソンなど、文化人たちも虜になった。

アメリカで発売された「コカ・コーラ」にもコカエキスが入っていた(今はコカインを除去したコカの葉の成分)。

『ジキル博士とハイド氏』のスチーブンソンや、『シャーロック・ホームズ』のコナン・ドイルも愛用者だったらしい。

化学薬品としての合成で、強烈な”依存症状”と”幻覚”

コカインは、外科手術の局部麻酔などで高い評価を受けた。1892年に化学薬品として合成に成功、その後類似物質も作られた。

大昔に葉っぱを噛んでいたとは違って、スニッフィングや静脈注射などで「突如としてスーパーマン」のような万能感や、爽快感、高揚感に包まれる。しかし持続時間は5~8分と非常に短く、効果が切れると反比例のように鬱や無気力、失望感が襲ってくるそうだ。だから、チェーンスモーカーのように常時摂取することになり、そのために食欲不振、便秘、不眠、人格変化など、心身を壊していく。

幻覚や妄想もひどく、皮膚の下にたくさんの虫が這っているというような「体内幻覚症」をも引き起こす。妊婦が常用すると、体重が1キロ以下という「コカイン・ベイビー」が産まれてしまうこともあるそうだ。

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要約は以上です。(本にはもっと詳しく、わかりやすく書いてあります)

たしかに「麻薬」は法律違反だけど、アヘン、大麻、LSD、覚せい剤…それらは、すべて違うもの。何がよくて何がダメなのか、クスリに関わる「罪」っていったい何なんでしょうね。

クスリに関わってしまった人を「問答無用に叩きのめす」ことが果たしていいことなんだろうか、ということも含めてじっくり考えていきたいです。

カラス雑誌「CROW'S」の制作費や、虐待サバイバーさんに取材しにいくための交通費として、ありがたく使わせていただきます!!