みるみられる「carrier bag」
わたしは冬に生まれた。
クリスマスが近づくこの季節は、街行く人々もどこかわくわくしていて、幸せの手触りを確認したがっている感じがする。
そんな人、人、を見ていると、いい時期に生まれたのかもしれないなあ、なんて思う。
たとえばじぶんは寂しくても、それだけでなんとか持ち直せそうだ、という気持ちになる。
ただ、こんなふうに寒い日に、わけもわからずたったひとりで死んでしまう人もいるのだと思うと、すこし苦しい。
生のかたわらにはいつも死の気配も潜んでいる。
たとえばいつか、わけもわから