育児5年目の私から、初めての妊娠・出産・育児をする私へ伝えたいこと
私が初めて妊娠と出産したのは5年前。
子供が生まれてからの5年間は、辛いことや悲しいこと、諦めや絶望したことも沢山あった。でも、その分嬉しいことや喜びもあって、今は子ども達がいてくれることは私の人生を豊かにしてくれていると自信を持って言える
しかし初めての妊娠・出産・育児は、今までの人生がひっくり返るくらい大きな変化で、初めての経験に戸惑い、不安も大きかった。
今回は、その頃の私(のような人)に、今の私が何か伝えられることはないかと思い、少しでも頭の片隅に置いておいてもらえたらいいなと思うことを経験談とともに書いてみる。
つわりで自分の価値が分からなくなっても自分を責めないでほしい。産後も家事ができなくても、生きてるだけですごいこと。
つわりはそんなに重い方ではなかったけど、安定期に入る前の2ヶ月くらいは、夕方まで仕事をして家に帰ってくると、もう体力の限界で吐き気がして布団に横になるしかできなかった。
その頃は結婚して半年くらいで、毎日料理はしようと頑張っていたけど、私より帰りが遅い夫にほぼ毎日夕食の準備をお願いすることになって、自分はもっと役に立ちたいのに寝ている事しかできないなんてと、布団の中で泣く日々が続いた。
つわりがいつまで続くかも分からないから、私はこのまま何の役にも立てない人間になってしまうんじゃないだろうか、と考えていた。
今まで「人の役に立つ」という事で自分は価値がある人間だと自尊感情を保っていたことが裏目に出ていた。(この頃は根拠のない自信は持てていなかった)
「体調が悪い状態が続く」ことがいかに人の心を弱らせるかや、身体が元気じゃないと心も元気になれないと、身を持って学べたことは良い経験だったけど、「自分はなんの役にも立っていない」と自己肯定感が低くなるのは非常に辛かった。
しかし、「なんの役にも立っていない」わけがあるだろうか。身体の中で胎盤という臓器を作っているのだから、なんの役にも立っていない訳がない。身体の中で人間を1人育てているのだから、その子のためにはめちゃくちゃ役に立ってるじゃないか。
同じように、産後にボロボロの体で新生児の慣れないお世話に加えて不眠で死にそうなときに、家事が完璧にできないのも当たり前だから気に病まなくていい。
自分では気づいていなかったけど、赤ちゃんを生かしているのは本当にすごいことだ。毎日偉業を達成してる。自分の理想の母親像を脳内に掲げて、自分でハードルを上げなくていい。
自分が楽にできることを選んでも良い。自分が頑張ればいいと頑張りすぎないでほしい。
長女だからついつい頑張り過ぎてしまうんですよ、「自分が頑張ればいいなら頑張る」って。
産まれてからの授乳も私が頑張れば母乳がでるようになるなら頑張ると、生まれたての頃でも30分以上は吸わせてたと思う。寝不足で、授乳の体勢を長時間維持するのもしんどいのにやっていた。
結果的にミルクを足さなくても良いくらい母乳はよく出るようになったけど、あの頑張りは本当に必要だったのだろうかと今では思う。
これと決めたらそこに向けて突っ走る性質があるため、あの時は「完全母乳でいけるようにする」という、いわゆる母乳神話に取り憑かれていたと思う。
育児では「こうした方がいいよ」という情報が溢れかえっている。実際にそれを全てはとてもできないけど、母親としての規範意識が強かったので「〇〇するべき」という思考になって無理してでもやろうとしてしまった。
私が今これをしなかったらちゃんと育たないんじゃないだろうか、という不安が頭の片隅にいつもあったように思う。
でも、これは今だから言えるのかも知れないけど、子ども達は優しくて賢く育ってるから何も心配する必要はなくて、もっと大らかに構えていても大丈夫だったなと思う。
心配せずに、自分が楽にできることを選んでも良かった。というか、私はそうしなかったせいで、1人目の育児が大変で辛いものになってしまっていたので、これから母親になる人には、自分が楽にできることを選んでほしいと思う。
私は、2人目では1人目の経験値があるので、成長に関する不安はほとんど感じず、自分が楽にできることを優先させることができた。おかげで、2人目が0歳代のときは毎日可愛い可愛いばかり言っていて、1人目よりずっと気が楽に子育てができた。
育児で辛い状況はぶっちゃけいつ終わるか分からない。今もわからない。でも希望を捨てないでほしい。
辛いことはずっと続くわけではない。
陣痛もいつ終わるのかはわからないけど、いつかは終わりは来る。手づかみ食べの時期にペースト状の離乳食がテーブルや床や服に散乱して発狂しそうになっても成長とともに終わりは来る。イヤイヤ期も終わりは来る。
終わりは来るけど、何時間後か、何ヶ月後か、何年後かは分からない。体調にも成長にも個人差があるから。
辛い渦中にいるときは、いつ終わるか分からないことに怒ったり泣いたり絶望したりした。これがずっと続くかも知れないという、先の見えない不安があった。
でもこの5年間で学んだことは、育児で辛い状況はいつ終わるかはわからないけど、いつかは終わりは来るということ。
イヤイヤ期が辛すぎてお母さん辞めたいと思っても、子供の成長によってかなり楽になった。
私はまだ2人目が1歳半なので、よっしゃ子育て終わったぜ!!とはなってない。イヤイヤ期になったら、また泣き声を真顔で聞きながら余裕なく日々を過ごすかも知れない。
でも、これもいつかは終わるというのを胸に刻んで、それを希望にして、仕事や趣味でもそのときに自分にできることをやっていきたいと思う。
夫にしてもらって良かったこと。寝かしつけと夜泣き対応。
夫婦のことを呟いているアカウントなので夫にしてもらって良かったことも書いておきたい。
夫には前述の私がつわりでダウンしていたときの夕飯準備に始まり、産後一ヶ月有給を取ってくれて家事全般を引き受けてもらったり、その後も夫が家にいるときは一緒に育児をして全面的にサポートしてもらった。
家事育児に当事者意識を持ってくれていたので、そこはすごくありがたかった。今振り返ると、夫がそういう姿勢でいてくれたことで子供が生まれてからも信頼感が増していったので、今の良い関係があるのは夫のおかげだ。
このへんの話は以前書いた「妻側から見た産後セックスレスの原因と性欲が戻ってきた要因(体験談)」にもあるので、こちらの記事もぜひ。
で、その中でも寝かしつけと夜泣きの対応が、1番やってもらって良かったと思う事だ。
赤ちゃんは授乳してからそのまま寝てしまうこともあったけど、寝ないときは夫に抱っこで寝かしつけをしてもらって、私は横になって寝るか休むかできていたので体が楽だった。
また、生後半年くらい経ってから、おっぱいが足りていても夜起きて泣くことがあったが、その頃に夜泣きしても私しか起きないのに嫌気がさして、布団の並びを赤ちゃん、夫、私にした。
それで夫が赤ちゃんの隣で寝る→泣いたら起きるとなって夜泣き対応してくれるようになった。
夫は次の日仕事があるから辛かったと思うが、私の睡眠に関するQOLが上がって楽になったというのもあるし、夜中に連続して寝られない辛さに私がキレたことを夫が受け入れてくれたのが嬉しかった。
夫と一緒に経験したかったこと。2人で育休をとる。
最近、夫が育休を取った人達のツイートが流れてきて、心の底から羨ましいと思うし、男性育休もっと広まれ〜と思う。
1人目の育休中に1番辛かったのが、孤独感を感じていたことで、1人で慣れない育児をしていて分からないことを誰にも聞けないし、自分が社会から取り残されているようで恐怖に近いような孤独感を感じていた。(産後に孤独感を感じやすいのは、集団の中で子育てしたくなるためで、ホルモンの働きらしい)
もし夫が5年前に育休が取れていたら、この孤独感はずっと小さくなっていただろうと思う。
あと、赤ちゃんが泣くと(そしてトイレ中だったりですぐに抱っこできないと)、赤ちゃんを泣かせて酷い母親だという罪悪感も感じてすごく焦った。(これも赤ちゃんを守るためのホルモンの影響らしい)。そんな時も2人いたら交代で抱っこできる。
このツイートに書かれているように、特に赤ちゃんが低月齢のうちは、1人で育児をしていると人間らしい生活が全然送れないけど、2人いたらだいぶ楽になる。
育休、男性でも女性でも、半年までは給料の3分の2の手当てが支給される(半年を過ぎた後は最長2歳まで2分の1)から、本当に男性育休は広がってほしい。
長くなってしまったけど、最後まで読んで頂きありがとうございます。
これから母親になる人とそのパートナーが、初めての妊娠・出産・育児を、少しでも心が楽にのりきっていけることを願います。
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