俺と師匠の情熱seitai life 始まりの始まり 5
師匠の『古藤格啓』先生はオリジナルの頭蓋骨調整で何枚もDVDを出していた。調整法や概念も全く新しいものでとにかく驚いた。それ以上に驚いたのはルックス、サロン、施術環境へのこだわりだった。
そして何よりも音楽、特にROCKをとても愛する人だったのだ。施術をする時の傍らに俺が1番好きで心底憧れ、追い求めるバンド。『ニルヴァーナ 』インユーテロのジャケットと同じポスターが飾ってある。
俺は14歳から音楽、ROCKを始めた。幼少期の壮絶な家庭環境で支え続けてくれたのはラジオから流れてくる沢山の音楽だけだった。自分も楽器をプレイするようになり、いつしか音楽だけが生きる糧になっていた。
「俺が仕事を教えてもらうにはこの人しかいない」そうとしか思えなかった…。
そして先生のDVDを買って、毎日眼がくらむほど観続けた。クライアントに片っ端から試す。イマイチだ。理解できずとても難しい。直接会って聞くしかない。何度も何日も迷い、安酒をおありながらDVDを観れば観るほど涙がこぼれてくる。
この先生に会ってしっかり技術、マインドを教えてもらうことが出来れば俺の未来は明るくなるんじゃないか?
だけど今は雲の上のような人。壊れたTVの画面に映る先生はまるで手の届かないロックスターのようだった。
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